●『WHO THE F*@% IS FRANK ZAPPA ?』アレックスのメール43
序にしたがってこの冒頭の一字表から引いているが、今気づいたことがある。「イ」の文字を二度使っていたことだ。同じ文字を使わないようにメモ帳に順次書き留めて毎日検索していたが、それでも間違いがある。



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それはさておき、アレックスの「テープ収蔵庫を救え」の企画は、資金が1億円以上も集まったが、予定の3億にはかなり遠いので、今後また新たに支援を募る可能性があることを以前の投稿に書いた。どうやらそれと同じことをドゥイージルが思っているようだ。またアレックスの企画に関して弟のアーメットに問いただしているとこを見ると、賛同していない様子がわかる。さて、アレックスからの仕事のはかどり具合を伝えるメールが一昨日にあった。その前日に大西さんからドゥイージルの公開文書の画面が届いた。それを「ザッパ・ニュース」に早速掲げたが、かなり長文だ。これは先頃アーメットが兄に対して公表した問いに対する答えで、アーメットの文面を引用しながら逐一ドゥイージルは自分の考えを書いている。双方の言い分を聞かないことには何事もわからないと言われるが、煮つめると問題の根は昔からだいたい共通している。その最大はやはり金に関係することだ。今回降って湧いたようなザッパ家の長男と次男の擦れ違いは、ファンなら誰しもある程度昔から感じるところがあったのではないか。筆者はザッパが亡くなってゲイルが会社を維持し始めた時にその徴候を感じた。それは一言すれば、ザッパ本人は常に猛烈に働いていたからいいが、その稼ぎ頭を失った途端、妻や子どもたちに迫る経済問題だ。それをゲイルは遺された録音をアルバム化することで生活を維持しようとした。またそれだけでは足りないはずで、長男に父の曲を専門に演奏するバンド「ザッパ・プレイズ・ザッパ」を結成させ、その世界ツアーも実施させた。それはゲイルにとっては一石二鳥であった。長男が各地で演奏することで収入があるうえ、父の曲が古くならず、若い世代に受け継がれる。ただし、ザッパが生前に発売したアルバムに関してはライコディスクのせいなのかどうか、宣伝は低調で、いつでも全作品が簡単に入手出来るという態勢にはならなかった。ゲイルはユニヴァーサル・ミュージックにその全カタログを売り飛ばしたが、そのことによってライコ時代以上に旧カタログのアルバムが入手しやすくなったかと言えば、そうでもない。ユニヴァーサル・ミュージックに版権が移った際、日本では独自に紙ジャケットCDを発売するつもりがあって、関係者は尽力し、また筆者は10数点の解説を書いたが、結局実現しなかった。ゲイルが亡くなったので、同じアイデアをアーメットにぶつけると、また感触が違うかもしれないが、ゲイルの他人を容易に信じない態度は、訴訟好みと相まって、ザッパの音楽を若い世代により聴きやすい状態にすることを疎外した側面がある。
 さて、19日のドゥイージルの文章はザッパ家の母と子どもたちの確執が多少示された。簡単に言えば長女のムーンと長男のドゥイージルの陣営と、次男のアーメット次女のディーヴァという対立だ。ゲイルがどちらを可愛がったのかは知らないが、後者のふたりがより甘やかされたのは想像がつく。ディーヴァについては筆者は昔サイモンさんから直接耳にしたことをよく覚えている。それをここに書くことは出来ないが、サイモンさんの印象どおりに成長したのではないかと思う。ま、それはいいとして、ゲイルが社長の座をアーメットに譲ったのは、長男よりかわいいという理由ではないだろう。1992年にフランクフルトでアーメットに会った時の印象は、ドゥイージルよりはるかに人懐っこいことだ。それに音楽的才能は長男より劣る。ゲイルはならば長男に音楽活動を続行させ、経営に関しては次男に任せるとの思いであったのだろう。ただし、そこに長男の不満が入り込む。その思いの丈を文面にしたためていて、それは次男も初めて知ることが混じっていたはずだ。長男が不満なのは、会社を経営するための資金が必要ということで、それを長男の演奏活動にかなりの部分を負っていたことだ。つまり、長男は売り上げの多くを母に持って行かれていた。ゲイルにすればそれはザッパという名前を使ってのことであって、その名前があるからこそ収入もあるとの考えだ。だが、みんな大人になってしまえば長男にすれば、なぜ自分だけが苦労して得た金を上納せねばならないのかと不満が出る。家族が出来ればそれは当然だ。ザッパの子ども4人全員が同じバンドのメンバーとしてツアーでもしていればまだ長男の不満は少ないが、社長に収まったアーメットがいわばじっとしているだけで収入が入って来るとなると、長男は平等ではないと考えても当然だろう。この点、アーメットはザッパを名乗る4人はみんな父のおかげで活躍が出来、またその活動によって得た収入の一部は会社に収めて経営を安定化するのは当然と考えている。そこでアーメットはドゥイージルのバンドの名前やまた父の曲を演奏することに対し、一定の金額を会社に支払うことを要求したのだが、まずそこに誤解があった。アーメットは兄は他人ではないのであるから、年に1ドルだけ支払うことを言ったと主張するが、ドゥイージルはそこを聞き違えたのか、あるいは母親が大きな割合で収入を持って行っていたので、それと同じことが今後も続くと思ったようだ。それで、早速「ザッパ・プレイズ・ザッパ」のバンド名を使わないことにし、新たに「ドゥイージル・ザッパ・プレイス・フランク・ザッパ」に変えた。ここにも「ザッパ」は入っているので、相変わらず名前の使用権としてアーメットは会社にいくばくを支払えと主張するのだろうが、そういう問題はすべて弁護士が介在している。
 ザッパは弁護士は嫌いであった。だがアメリカで生きて行くには必要悪として我慢せねばならない。今回のドゥイージルの長い文章の最後に、アーメットの公開手紙の背後には弁護士がいて、それに支払う金は会社から出ていることを指摘している。つまり、兄弟の話であるから弟が直接兄に電話すれば済む話を、わざわざ弁護士を雇って対処していることを揶揄している。これはいかにも父親譲りの考えだ。また、ゲイルがどのように会社を経営していたかだが、放漫経営ではなかったと思うが、負債が増し、ついには自宅を売らねばならない事態になったことをドゥイージルは言う。3月にザッパ家はe-bayで売りに出されたが、そこにはそういう理由があったのだ。その放漫経営がアーメットの代になって改善されればいいが、ドゥイージルによればよけいなことで弁護士に支払っているとのことだ。ここには兄と弟の才能の違いという問題がある。ドゥイージルは父の曲を演奏しなくても自作曲のアルバム化とツアーだけでも最低限は生きて行くとの自信があるだろう。実際今月末には新曲ばかりの1時間ほどのアルバムが発売される。一時は兄弟でバンドを組んだこともあるドゥイージルとアーメットだが、アーメットは早々とその才能がないことを知った。ではどうするか。それで母は次男に会社を任せてこれまでのようにドゥイージルが演奏することで維持して行けばいいと考えたが、ドゥイージルはいつまで会社のために収入を持って行かれるかが不満だ。そして、母やアーメット、ディーヴァが決して気づかないことを言う。それは、父の音楽はすべてそれを歓迎してくれる人つまりファンあってのものであるという事実だ。ここはなかなか重い表現だ。そしてさすが長男で、どこまでも父を尊敬する。父には絶大な賛辞を送り続けたファンが世界中にいる。そのため、父の曲を演奏することは、父以外のミュージシャンの曲を演奏するのとは大きく違う危険があるし、また努力や才能も必要だ。誰もが父と息子を比べるからだ。そういうストレスを引き受けながらのこれまでのザッパ・プレイズ・ザッパであったが、ゲイルはアーメット、ディーヴァは、そういうファンの考えを知らない。いくらザッパが偉大であっても、その妻や子どもにまで暖かい眼差しを向けない。これは、ドゥイージルにすれば家族にもっと謙虚になれと言いたいのだろう。それはドゥイージルが1000回にも及ぶステージを通じて実感したことで、父の才能あっての自分ということを肝に銘じた。これは日本の芸能界でも言えることだが、二世はそれだけで仕事がある。親の七光を平気で利用し、それを恥とも思わない。それどころか、「わたしの父は○○よ!」と偉そうに振る舞う。自分はほとんど無能のくせに、威張るのは一人前だ。ドゥイージルが暗に母やアーメット、ディーヴァを批判するのはそういうことだろう。父の偉業を後世に伝えるだけでも大変なことなのに、そのうえにさらに新たな偉業を積み重ねることは、ドゥイージルにすれば艱難辛苦の限りを尽くしてこそ可能との思いだ。そして自分はそうしているつもりだが、そうして得た収入をごっそり会社に持って行かれるのはたまらない。そしてドゥイージルはまず母によるザッパの旧カタログの売却に苦言を呈する。もっといい方法があったのに、それを誤ったと言いたいようだ。この点はユニヴァーサル・ミュージックと具体的にどのような契約が交わされたかわからないので何とも言えないが、その後たとえば日本では独自の日本盤は出ず、ザッパのCDを全部揃えるのは簡単ではない。これでは偉業を後世に伝えるにしても最初からつまづいているも同然ではないか。
 さて、ドゥイージルが指摘するのはアレックス・ウィンターの企画だ。これは1億円以上も集めて大いに話題になり、実際にもう動いているが、今後何度も資金不足に陥ると予測する。この点は筆者と同じであることは先に書いたが、物事を悪いふうに考えていい加減ということをドゥイージルはこの10年で学んだのだろう。ビジネスとはそういうものだという実感を度重なるツアーで少しずつ学んで行ったと思う。そして、そういう兄の経験主義はアーメットにはわからないという不満もあるだろう。それはゲイルが亡くなって半年も経っていないというのに、もうアレックスを受け入れて聖域であるテープ収蔵庫に自由に出入りさせ、つぶさにその内容を調べさせていることへの不満だ。そこまで他人を信用していいのかとの思いだ。そこには、アレックスに自由に「ザッパ」の名前を使わせながら、なぜ自分のバンドには名前使用料を支払えと言うのかとの矛盾を突く。そしてテープ収蔵庫に「ホームレス」を出入りさせるのと同じとまで言うが、よほどアレックスとは性が合わないのだろう。だが、そこにはアレックスの手腕によって1か月で1億円以上も集まったことへの驚きがあり、またその驚きはザッパ・ファンは健在であるとの思いと絡んでなかなか微妙なものとなっている。本来ならばドゥイージルが先頭に立ってアレックスがやったような資金援助の企画を立ち上げればよかたし、またすべきであった。アーメットもそう思っているだろう。だが、ドキュメンタリー映像作家をどう探すか、また資金が集まるかなど、ハードルがいくつもあった。それをアレックスはあれよあれよと言う間に成し遂げてしまったが、そこにはアーメットが声明を出したように、アレックスの企画はオフィシャルではないが、ザッパ家は協力するという半オフィシャル的なニュアンスが大きく利いた。その点、アレックスななかなかの人物で、自らもファンであることを主張し、またそうであるがゆえに保管される膨大なテープやフィルムの行く末が気になった。ゲイルはそこをどう思っていたのだろう。あるいはドゥイージルやアーメットもだ。この問題は、やはりザッパ・ファンが協力して動かないことには未公開音源や映像の公表は埒が明かないという現実を物語っている。
 4日にアメリカの大西さんからアレックスの企画に支援した人だけに送信されるメールの27から38をまとめて再送してもらった。全部目を通していないが、特典映像を見せるなど、少しでも多くの支援金が集まるように情報を提供していたことがわかる。このアレックスの対応を見る限り、理想的な人物が出現したように思う。ドゥイージルは演奏に忙しく、アーメットは才能がない。ムーンやディーヴァもそうで、ならば外部の人間が入って少しでも現状を把握、整理した方がいいだろう。ゲイルはその点、自分の財産であることを意識し過ぎて、そのまま宝の持ち腐れになってしまっていた感がある。それは他人を信用してはならないというザッパの教えなのだろうが、ファンまで離れて行っては元も子もないことを自覚しなかった。そして、会社の経営がうまく行っているかと思えば、自宅を売らねばならないほどの負債を抱えると知ると、いったいどういうことかと思わざるを得ない。8日にはムーンの文章が公にされた。抽象的な書き方をしている部分があってわかりにくいが、前半は母とのやり取りの思い出で、それはなかり母に対して辛辣な雰囲気がある。ゲイルは子どもたちに遺産分けとして文書で示していたようだが、それは4人平等ではなかったかのようだ。またムーンは兄弟のいざこざを聞かなかったことにし、一方でザッパがそうであったように、シチリア人は怒りが原動力であることを言い、今回の兄弟の件が前向きに何かをいいものを生み出すことを願っているようだ。そして何より大切なことは家族であり、愛であることを言い添える。ドゥイージルもアーメットも家族があるが、この家族とは他人が入り込むことであり、兄弟が結婚する以前とは同じ状態を保ちにくい。それでも仲がよいとすれば、誰かが我慢する必要がある。話が戻るが、アレックスの今回のメールでは興味深い映像を次々と発見し、新たなデータに移し変えている。あまりに多忙で、メールも滞っているという印象だが、一方ではドキュメンタリーのためのインタビューを始めていて、その中にエドリアン・ブリューがいて、ザッパとデイヴィッド・ボウイとの間で枯れがどのように行動したかを本人から聞き出すようだ。
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by uuuzen | 2016-05-23 16:34 | ●新・嵐山だより(特別編)


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