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●庭の露店風呂とたくさん並ぶ縦長の古い木戸
近頃もよく夢を見るが、ほとんど知り合いや身内ばかりが登場するので書くのを自粛している。今朝も半ばはそうなのだが、まずい箇所は伏せて、書いてもかまわない部分だけにする。



本当はそうすれば意味がなくなるが、どうせ夢はたいした内容ではないし、このような編集もいいかと思う。内容そのものには変更は加えないから、書く内容のすべては夢として見たものだ。長い夢を見たのでほとんど前半は記憶にない。どうにか思い出せる、昔知り合ったある女性が出て来たところから書き始めよう。

夢の中でその女性は結婚している。だが、姿は昔のままで若い。結婚相手の男性の顔はよく見えないが、痩せ型で背は高い。ふたりには子どもはいない。ごく普通の木造の平屋の家に所帯を持っている。そこにどういう経緯か知らないが筆者がひとりで訪問する。ようやく探し当てたというのではなく、たまたまその田舎地方に用事か何かがあって出かけ、そのついでに偶然出会ったのだ。天気のよい昼下がりだ。女性は家の中をひととおり見せて、奥の畳を敷いた居間へと招き、裏庭が見える場所まで連れて行く。庭には露店風呂がある。地面を四角く掘って黒い玄武岩を巻いた湯船がある。もうもうと湯気が上がり、湯は並々と入って縁からこぼれている。女性はそれが自慢のようだ。筆者はこんなところに風呂があるとはどういう趣味なのかと不思議に思うが、女性は笑顔で入って行けばと言う。あまり風呂は好きではないので渋っていると、どこからともなく現われた旦那、あるいはそうではないかもしれないが、とにかく年齢が釣り合った前述の風貌の男性と一緒に女性は風呂に入ると言い、次の瞬間ふたりはもう裸になって湯気の上がる湯船に浸っている。そして女性は艶っぽい声を発し合いながら湯船の中で男にじゃれつく。まるで他人に見てもらいたがっているような素振りだ。それがとてもいやらしい。そのうち、女性はまだ何人も男が待っているからと忙しいのと言いながら、物陰に待機している別の男を手招きしようとし始める。どうやら何人もの男性と一緒に混浴しようというらしい。その行為に嫉妬と幻滅を覚えてそこから去る。
 ひとりで見知らぬ商店街を歩いている。夜だ。人通りは少ない。通りの幅はかなり広い。通常の商店街の3倍ほどだ。すると古本屋を見つけた。中には入らない。若者が2、3人背を向けて本棚を見つめているが、そこがエロ本コーナーであるのがわかる。するとまたもう1軒あった。そこも同じようにエロ本が本屋の半分ほどを占めていて、全く中に入る気が起こらない。つまらない古本屋ばかりだなと思っていると今度は通りの斜め向かい同士に2軒があった。何と古本屋の多い商店街かと喜ぶが、それもつかの間、2軒とも先ほどの古本屋とは大同小異だ。店先に古ぼけた本を平積みにし、店内は老人が店番をしているが、半分ほどはどうでもよいようなエロ本で、中に入るまでもなくいい本があるとは思えない。それでそのままどんどん商店街の奥へと進む。向こうから何人もの中年の男女がやって来るが、みな筆者に近づくとニヤリと笑みを浮かべて敵意を剥き出しにする。それをやり過ごしてまた奥に進むとさらに別の人が同じような険悪な態度に出て、今度は何人も筆者目がけて寄り集まって来る。これは危ないと思い、そしてどうせ知らない商店街で、先にどんどん進んでも目的の場所があるわけではないので、くるりとUターンしてまた来た方向を戻ろう決める。そして急いで商店街を抜け出ようとする。
 商店街を出ると1軒の大きなさびれた家がある。相変わらず夜だ。その家の中の部屋を通り抜けて先へ進まなければならないことがわかっているので、戸を開けて最初の部屋に入る。大きな部屋だ。あまり明るくはない。それに人は全くいないようだ。家の中を物色する気持ちはないから、とにかく次々に現われる部屋を襖や扉を急いでどんどん開けては先に進む。そしてついに外に出た。正確に言えば、そこはまだ家の敷地の中で、裏庭だ。その庭に20枚ほどの木の戸が隙間なく並んでいる。高さは1メートル80、幅は3、40センチほど、古い木のため、もうかなり白っぽくて軽く、脆弱な感じがする。長い間、風雪に洗われた雰囲気だ。幅が狭いので中に入ることは出来ない。体を横向きにすればどうにか入れるだろうが、そんな勇気がない。20ほどもびっしりと並んだ戸は木造家屋の離れにある便所の戸と同じたたずまいで、中に入るとすぐ下は糞溜めになっているかもしれないし、もっと変なものが待ち受けているかもしれず、何かただならぬ気配がする。20ほどの扉のどれをくぐればむこうに行けるのかわからないので焦り始める。そうでなくても見知らぬ家に入ってようやくここまで出て来たのだ。それなのにまだこのような不気味な木戸が立ちはだかっている。一体いつになればこの試練が終わるのだろうと途方に暮れている。それで今しがた出て来た部屋の襖をさっと1枚抜き取って、左端の木戸の幅3、40センチの中央に投げつける。すると襖の黒い塗りの桟が木戸を簡単に突き破って中が覗けるようになった。驚いたことに、縦に裂けた隙間の向こう2メートルほどに、また同じような木戸の列が見えている。それを見てぞっとし、今度はもっと力任せに左から順に4、5枚を同じように襖の角をぶつけて叩き割る。みるとドサリと音がして1個白い中啓が目の前に落ちて来た。紙製かと思って手に取ると、それは見る見るうちに銀色の金属に変化し、しかも表面に刺々しい針の集合の花の形がいくつも出現したものに変化する。中啓の形はそのままなのだが、金属工芸品に変化したのだ。そしてドサリと落ちた時の衝撃だろうか、少し向こうにもその破片らしき金属の花の形の部分がいくつか転がっている。そのあたりはぼんやりと暗いが、それが同じ金属である事がわかる。
 壊した扉のどれかの中からそれが飛び出たのだが、手に持って金属に変化した途端、それが実は触れてはならない何か死の世界のものであることを直観する。と同時に天井あたりから女性の声が聞こえる。幽霊の声と言ってよい。「それをお前が知ったからにはもうこのまま帰しはしない…」といったような文句を耳にし、すぐに後ろを振り返って、今出
て来たばかりの部屋を見ると、襖はみな外されて8畳ばかりの畳部屋の中央に小さな見知らぬ女の子、そして部屋の奥の端には筆者の妹がいる。ふたりとも白くてうすいキモノ姿だ。寝巻きと言ってよいか、死装束と言ってよいか、あるいは巫女さんが着るような、そんな白いキモノだ。妹はごく若い頃のようでもあるし、もうかなり老婆にも見える。その妹が淡々とした顔をしており、次のきりりと瞬間腹をくくったような表情になって、部屋の中央ににじり寄り、小さな女の子を背後から抱き締める。その途端、部屋に猛烈な風が吹きまくる。風は見えないが、風に乗った黄色や赤に紅葉した葉が無数にまるで蛇のような軌跡を描いてぐるぐるとあちこち回るので、風の勢いが見えるのだ。音もすざましいし、部屋の中はほとんど台風のさ中にいるような状態になっている。この大きな風はさきほど天井あたりから響いた霊が巻き起こしているものだが、妹が女の子を抱き締めたと同時にその霊が姿を見せた。何と妹と同じような背丈で、妹を背後から抱いて首を締めかかっている。それを見ながら筆者は近づくことも出来ず、大きな声を出すばかり。よく見ると、霊は赤茶色の光沢ある木の仮面を顔につけているため本当の顔は見えない。仮面は漆でテカテカとしていて、天狗の鼻のように鼻が長い。しかも顔は上下逆さまになっていて、額に口が開いていて、口元は別のもょと小さな穴がひとつ開いている。ハート型土偶の顔に近い単純な仮面だが、絵に描けるほどに鮮烈に記憶出来た。暴風の中、妹は苦しみながら右手を上げてその仮面の鼻をつかみ、そしてぎりぎりと回転させる。鼻はネジ式になっていて、その鼻が取れると霊の力も弱まると妹は見抜いているのだ。ところがもう少しで鼻をもぎ取るというのに、何と霊は片手で別のもっと大きくて赤くて太い鼻を持っていて、もぎ取られた後はそれを代わりに嵌め込もうとしているのだ。そして霊は不敵に笑いながら、もう少しで自分の勝ちだということを確信している。筆者はただただ大声を上げるばかりで、なすすべを知らない。何度も絶叫しているところを家内に叩き起こされて目が覚めた。


起きてしばらくして思ったのは上田秋成の『雨月物語』の世界だ。どこか似た雰囲気がある。見知らぬ部屋を次々と抜ける夢はよく見る。古本屋の夢もしかり。古本屋はよく立ち寄るのでこれは珍しくはない。だが、見知らぬ家やその部屋を通るとはどういうことか。これは以前夢判断の本を呼んだところ、女性の体の象徴とあった。つまり、勝手に考えると、部屋を次々と抜け出るというのは、女性遍歴、あるいは女性の着衣を1枚ずつ剥がそうという欲求の現われかもしれない。これに少し思い当たるのは、部屋の襖は時として金ぴかのレース風の模様があったりして、女性のセクシー下着に似ていないでもない。だが、いつも部屋を次々と抜けて行っても、その果てに何か期待のものがあったということはない。あるのは常に失望に似た思いや、あるいは途中で場面ががらりと変わって別のところに立っている。つまり、襖を開けて何かを期待するのてはなく、開けること自体が目的なのかもしれない。一方、風呂の夢は風邪引きの前兆と聞いたことがある。これは正しいかもしれない。秋になるとよく風呂に夢を見るからだ。今までに風呂の夢は何度も見ていて、もう10年もっと前に見たのによく記憶しているものもある。今朝はこの夢の後にまた眠って別の夢を見た。それも奇妙な内容でここに書けば面白いが、前述した内容とは全然つながりがなく、話がややこしくなるのでやめておく。それはそうと最初に書いた淫らな女性は様子を変えてたまに夢に登場する。今後も登場するだろう。
by uuuzen | 2005-11-29 21:08 | ●【夢千夜(むちや)日記】
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