●ムーンゴッタ・2015年12月
るい夜空は曇りで、月は見えない。そのうらめしいこと。22日に東京でザッパのイヴェントがあり、それに出席することになった時、満月の夜がいつであるかをまず調べた。



24日だ。ほとんどの満月は自宅付近でその写真を撮る。ごくたまに遠くに行くのであれば、出来ればその場所で満月の写真を撮りたい。そして、前回東京に行ったのは2年9か月前の3月で、その時の満月はいわき市で見た。その写真はこのブログに載せたが、今回も24日はいわきで撮影するのも面白いかと考え、いわき市のTさんに手紙を書くと、体調その他、筆者が泊まるのは難しいとの返事が来た。田舎であってもホテルくらいはあるので、それを調べると、Tさん宅からバスで3,40分のところ、つまりいわき駅前に空き室がいくつかあることがわかった。だが、24日は午前中に出版社で打ち合わせがあり、その足でいわきに行き、Tさんと会い、駅前に戻ってホテルに泊まるというスケジュールは、無理ではないにしてもTさんに対して押しつけがましい。それに、当夜が晴れるとも限らない。そこで今度は天気予報を見ると、どうも空模様は崩れて行きそうだ。結局24日はいわきに行くことを止め、当夜京都に帰ることにしたが、満月が昇る時間までは東京にいることにした。出版社で話をした後、ある画家と新宿で四半世紀ぶりに親しく顔を見ながら話をし、それから3時半に梅村さんと新宿の繁華な場所で待ち合わせをした。その後、筆者は22日の夕方に見ようかと思っていた展覧会を百貨店で見ることにし、チケットが2枚あるので梅村さんを誘った。梅村さんは声が大きいので、会場では三度係員に注意されたが、それもあって駆け足で見た。それに館内はとても暑かった。そう言えばあまりの暖冬で、クリスマスの雰囲気がない。展覧会を見た後はふたりで表参道に出た。梅村さんは奥さんが子どもを連れて出て来るが、近くで食事すると言う。その店の前を通りながら、筆者は満月が気になった。またまだ6時半頃では満月はビルの陰にあって見えないはずで、視野がもっと広がる場所がないものかと梅村さんに言うと、西の方に向かうと背の高いビルが少し途切れるところがあるのでそこまで行けばいいかもしれないとのことで、ふたりでゆっくりと登り坂を進んだ。クリスマス・イヴでもあって、若者で溢れているが、渋谷とはまた雰囲気が違う。
 残念ながら、さほど東の空はよく見えない。それに地図を確かめると、表参道の大通りは南北を貫いているのではなく、北西から南東を走る。そして東はビルだらけで、その屋上にでも立たない限り、昇ったばかりの満月は見えるはずがない。また、急に空模様がおかしくなって来て、風も強くなり始めた。朝はホテルのTVで天気予報を見たが、昼間は気温が高く好天であるのに、夕方からは昨日同様に雨が降るとのことだ。そうなる前にどうにか満月を雲の隙間からでも見られるかと思っていたのに、都心では晴れていても満月は頭上高く昇らない限り、見えないだろう。ビルの屋上は無理としても高い階の窓辺からは見えるかと、悪あがきのように思ったが、初めて歩く表参道でそんなビルを見つけることはとても無理な注文だ。せっかく24日は満月の写真を東京でと思っていたのに、何事も思いのとおりに実現するとは限らない。自然現象はなおさらだ。そのことを人間はつい忘れがちだ。何でも自分の思いどおりにしなければ気が済まない人はその傾向が強い。またそういう人はサラリーマンに向かないから、筆者のように自由業となるが、これは悪く言えば独善的で、自分の意に沿わないことがあれば立腹しがちだ。もっとも、それは自由業特有の性質とは限らない。それよりもっと大きな要素は、どういう幼年時代を過ごしたかだ。金持ちで一人息子、しかも祖父や祖母に溺愛されて育つと、何でも自由になると勘違いする大人になりがちで、陰口を叩かれることに気づかない。そういう人をたまに見かけるが、親しくしてもそれは表向きで、むしろ親しい素振りをする裏で軽蔑する。大人の社会とはそういうものだ。それでも本人は金があるなどして、生活に困ることはない。話を戻すと、表参道で7時頃に満月を見ることは晴天であっても不可能に近いだろう。また、東京で月の出を心待ちするような人が歩いているだろうか。それどころか、誰も満月の夜であることを気にしているふうもない。表参道の突き当りが明治神宮であることを今回初めて知ったが、その高台の地ならば、夕方の満月を楽しむことが出来るかもしれない。だが、夜になるとそこには立ち入れないだろう。月を楽しむのは明治天皇の魂だけか。梅村さんはすぐに筆者が満月を楽しみに東京に来たことを忘れたが、興味のないことは誰でもそうだ。それに曇天であれば諦めるしかない。諦めも時には必要で、それが自然現象であればなおさらだ。だが、筆者はまだ諦めなかった。何としても東京行きのひとつの目的である満月の写真をどこかで、そして雲の合間からの断片でもいいので、カメラに収めたかった。2年9か月前は夜に東京駅の丸の内側から満月を見た。東京駅の上に出ていた。そのことを思い出しながら、梅村さん一家と食事を済まし、ひとりで9時前に東京駅に着いたが、天気はもっと悪くなっていて、小雨が降って来た。今日の写真は25日の夜に自宅で撮った。数時間前は雲で見えなかったのが、深夜にすっかり雲が逃げ去った。1日遅れの満月の写真だ。本来なら25日の投稿にすべきだが、正しい満月の夜は24日であるので、今日の投稿とする。24日はいわきでも満月は見えなかったであろう。いわきで宿泊することを止めたのは正しかったことの理由がつく。
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by uuuzen | 2015-12-24 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編) | Comments(0)


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