●嵐山駅前の変化、その381(マンション)
然気づかなかった。今日の写真は去年10月18日の撮影だ。そのため、ちょうど1年ぶりの今月18日に投稿すべきであったのに、それを忘れていた。



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慌てて今日、つまり1年と1週間遅れで投稿する。この1年で今日の4枚に写る景色は随分変わった。現在駅前マンションの建設は高い塀の向こうにオレンジ色の大きなクレーン塔が建ち、それが資材をしかるべき場所に運び、また時にはコンクリートを打つための太いチューブを宙吊りにする。最も顕著なことは、朝9時には金槌の音がまだ眠っている筆者の耳にまで届くことだ。鉄筋コンクリートの建物であるから、金槌で釘を打つことはないが、そういう音ではなく、鉄骨をカンカンと叩いている音だ。リベットの頭を潰しているのだろうか。高いところの作業でご苦労さんなことだ。建物の骨組みが高くなって行くに連れて覆いも嵩が増し、その覆いの裏で作業員がどういう動きをしているかは見えない。この覆いのために工事のはかどり具合はさっぱりわからず、最近筆者は1か月も工事中の様子を撮影しないことがある。同じような写真になるからとの理由と、出かけることが少ないので、ごく近いとはいえ、撮影する時間がない。それにたまに撮影しても覆いの高さが増しただけで、表向きの変化は乏しい。それはさておき、今日の最初の写真は現在と比べると大きく違う点がある。建設中のマンションを除いての話だ。写真の右手に幟旗が数本立っているのが見えるが、そこの土地が売れて3階建ての家が建った。その土地は盛り土した崖の端で、撮影位置から眺めても危なっかしい気がするが、周囲に遮るものがないので、3階の窓を開ければ風がかなり強いだろう。その建物の3階は、建設中のマンションの4階より少し高いはずで、せっかく高級マンションを購入した人は、すぐ目の前の一軒家から見下ろされる。それはあまり面白くないことだろう。狭い日本、しかも嵐山という地名の密集具合の見本のような建込み具合だ。
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 マンションが建つと言っていた時はその一軒家が建つ気配は全くなかった。ところが、そこに住んでいた人が老齢になったので、廃業し、近くのもっと小さな家がいいとばかりに引っ越した。更地になったところは元のように家が一軒建つとすればそれはきわめて高価になるので、業者は3区画に分けた。そのうち2区画を買った地元住民が2世帯住宅を建てたのだが、木造でも3階が奨励されている時代であるから、高台に3階を建てた。しかも現在の家は1か月で建つ。マンションの建設現場が更地で放置されている間にさっさと建ってしまい、早々とマンションを購入することに決めた人は、マンションからの眺め、またマンション付近の住環境の変化に渋い顔をしているだろう。マンションはパースで完成時の様子をわかりやすく伝えるが、それはマンションのみの完成図であって、そのすぐ隣りにどういう建物があるかまでは描かない。当然だ。具合の悪いことを業者は隠す。あるいはそれは見て見ぬふりが得意な日本独特の精神構造で、具合の悪いことはあえて言わず、またみんなも黙認する。それほどに密集して暮らす日本だ。多少のことは目をつぶりましょうということだ。そう言えば筆者が京都に出て来て数年経った頃、染色工房の人手が足らず、近所の40代後半のおばさんをパートで雇ったことがある。彼女は2、3年働いて亀岡に転居した。その時の言葉をよく覚えている。せっかく家を新しくしたのに、隣り近所がみな古い住宅で、しかも住民の質もよくないと言うのだ。いくら豪邸であったとしても、それが建つ町が重要であって、豪邸な豪邸が並ぶ地域にあって初めてその価値が出るとの考えだ。もっともらしい意見で、実際ほとんど人はそう考えている。で、そのおばさんは亀岡にまた家を建てて引っ越したが、数年のうちに元の地域に舞い戻った。その理由を聞いていないが、よそ者として生きにくかったのだろう。それはともかく、今日の最初の写真は右端に3階建ての白い家がにょきりと聳え、背後の嵐山を遮っている。それは当の住民も嵐山も知ったことではないが、せっかく山の緑が多く見えて気持ちいいと思っていた大勢の人の眉をしかめさせることになっているのは事実で、そういう場所には本当はせいぜい2階建てでしかも目立たない色がいいのではないか。
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 そのことからわかることは、嵐山地区はもう今後はどんどん開発すなわち破壊されて行くことだ。すでにそうなっているが、少しずつ変わるのでみんな精神が麻痺している。水から茹でられる蛙と全く一緒で、「ああ、これくらいの変化なら大丈夫」と思っていることが何十年か続く間に、激変しているという寸法だ。それが文明の進歩ということで、誰も困らないから問題などない。それにしても1年前の写真を見ると、記録として価値があると思える。マンションが絶てばもう二度と同じ写真を撮ることは出来ない。半世紀以上経てばまたマンションは壊されるかもしれないが、どうせ新たな建物がすぐに建つ。土建国家日本は一旦何かを建てればそこを更地にし、そして原野に戻すことはまずしない。そのようにしていつか全土を家で覆うが、日本中にゴースト家屋が密集し、どういう深刻な問題が生じていることだろう。すでにそういうことはぽつぽつと日本中で起こり始めていて、空家は全く珍しくない。だが、同じ嵐山地区でも観光客が絶対に踏み込まない地域はあるし、そういうところは家屋が一斉に老朽化してもどこかのデベロッパーが土地を確保して高級マンションを建設することはない。それでいて、半世紀ほど前のように田畑に戻るかと言えばそれも絶対になく、住民が半減し、多くの家屋が空家となってゴースト・タウンのようになるだろう。建設中の駅前マンションから徒歩2,3分のところにそういう地域が増えて行く。筆者は大金があったとしても豪邸が連なる地域に住みたいとは思わないし、また建設中の駅前マンションにも住みたくはない。広い庭のある平屋が理想だが、もうそんなことを思ってもどうしようもない年齢になっている。
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by uuuzen | 2015-10-25 23:59 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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