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●神社の造形―綱敷天神社
滅という言葉がふさわしいのかどうか、WIKIPEDIAによれば昭和20年の大空襲で綱敷天神社は社殿を失ったという。



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社殿がいつ頃のものであったかだが、再建が1461年というから、500年前のものが焼けてしまった。いかに戦争が愚かであるかがわかる。現在の社殿は最初の写真の奥に少し正面が見えているが、鉄筋コンクリート造りだ。味気ないが仕方ない。梅田茶屋町の御旅所、そして歯神社を見た後は、その大本の綱敷天神社に回るべきだ。今日は写真を3枚だけ載せるが、「その2」をいつか投稿するかどうかはわからない。どうでもいいことだが、筆者のデジカメのスマート・メディアは、1年ほど前か、一部が破損して今は20枚ほどしか撮影出来ない。それでカメラ持参で梅田に出ても、目についたものを全部撮ることは出来ない。写したいものを厳選し、失敗のないように撮る。いい写真ではないと思ったものはその場で消去すればいいが、その方法がよくわからない。つまり、ほとんどフィルム・カメラのような一発勝負の気持ちで撮っている。それが却ってよい。際限なく撮影出来るとなれば、同じような写真を何枚も撮ってしまう。先日満月の写真を載せたが、それは最後に撮ろうと思って残り2枚分だけ残しておいた。つまり、20枚として2枚を満月、残りを神社を撮影することにした。その計画どおりに事を運び、最後の1枚で満月を撮ったことは先日書いた。それはともかく、歯神社は2枚撮ったが、昨日は1枚だけ載せた。もう1枚もほとんど同じ角度で、シャッターを押す瞬間、通行人が横切って多少姿が入り込んでしまった。それでその1枚は没にした。歯神社の後に今日取り上げる綱敷天神に向かったが、たぶんたくさん撮るものがあると思い、歯神社では2回だけシャッターを押した。綱敷天神では8枚ほど撮ったが、神社の造形という観点から面白いものを今日は3枚選ぶ。さて、この神社は阪急東商店街の東端にある。この商店街は20代から知っているが、筆者の目当ては本かレコードであった。当時中古レコード屋は3軒あり、古書店は確か80年代に1軒出来たが、去年閉店した。中古レコード店は10数年前には全部なくなって、筆者は古書店目当てに大阪に出た際はその商店街を歩いた。そこは梅田でも最も客引きが激しい、つまり物騒な感じのするところであったが、客引きが禁止されて、多少雰囲気はましになっている。夜に賑わう場所で、そんなところに大きな神社があるのは不思議な気がするが、もちろん先に神社が出来た。また、この神社の辺りは淀川が流れていたのだろう。それは明治に外国から技術者を呼んで来て改修工事をさせ、流れは大きく変わった。現在の東海道線の橋や新御堂筋の大きな橋から下流は直線になっているが、大きな河川が自然にそのように流れることはない。それは人間が真っ直ぐ流れるように改修したもので、江戸時代は蛇行していた。綱敷天神社はその名前からわかるように、天神さんを祀っている。京都の北野天満宮と同じく、この梅田の天神さんも北野天神社とも呼ぶらしい。この神社のある一帯が北野地区であるからで、すぐ近くに北野病院がある。京都と同じ北野であるから天神社があるのかと言えば、そうではなく、綱敷とは菅原道真が大宰府に左遷される際にこの地域に立ち寄り、船の綱を解いて敷き、そこに座って休憩したとの謂れがあるからだ。それなら瀬戸内海のあちこちでも休んだはずで、同じ名前の神社が各地にあると思うが、実際そのとおりのようだ。それはともかく、船を泊めたとなると、淀川の畔にこの神社があったことになるが、現在の淀川はこの神社から北へ2キロはあるから、かなり蛇行していたことになるが、あるいは淀川ではなく、その支流であったかもしれない。何しろ大阪は水の都で現在の道路のように縦横に川があった。そうそう、江戸時代の『摂津都図会』でも調べると、この神社の鳥瞰図が載っているはずで、そこに水の流れが描かれているかどうかだ。そういうことを調べるのも面白いが、今日は先に進む。この神社の少し南に太融寺がある。筆者は阪急東商店通りは梅田に出ればたいてい歩くが、前述のように本やレコードが目的で、それらを売る店がない地域はまず足を向けない。それで太融寺のある場所はもちろん知ってはいるが、用がない。それでその境内に入ったことがないが、それを言えば綱敷天神社も今回初めて訪れた。阪急東商店通りを東に抜けて天神橋筋商店街まで歩くことはごくたまにあるが、その時はいつも阪急東商店街より1本南の大通りの歩道を行く。そのため阪急東商店街の東端に出て、すぐ北に少し歩まない限り、綱敷天神社の存在はわからない。つまり、今までその存在を知らなかった。
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 北野というからには、昔は野原であったろう。それが今はビルだらけ、しかも飲食店ばかりが目立つ。綱敷天神社の東は道路を挟んで天満中学校があるが、その東が扇町公園であるからまだいいようなものの、西は阪急東商店街という歓楽街だ。微妙な場所に学校がありそうだが、阪急東商店街の賑やかさの本番は夜で、その頃には中学生は帰宅している。それはさておき、この神社は平安時代創建の太融寺の一画にあった。今はそれが分かれ、その間に大通りやビルが建つが、神社と寺の距離は100メートルほどで、昔はその間の地帯が全部太融寺のものであったのだろう。そのように、梅田は野原や森が大半を占めていたはずで、それが淀川の流れを変えて埋め立てるなどし、家が建て込んで行ったのだろう。筆者の想像だが、扇町公園は昔の野原を残したのではないか。天満中学校やその北に接する扇町小学校もそうであったように思う。梅田も元は田畑であったのだろう。それが今は大阪の中心地となって大都会だ。大阪大空襲で殲滅されたことがそのことに拍車をかけたように思う。それでも何度も殲滅状態になっても、街区の跡はわかるし、またそれにしたがって復興するし、そのことは神社や寺でも同じだ。寺社周辺の建物は数十年単位で建て変わって行くが、寺社の位置はほとんど変わらない。綱敷天神社の御旅所は西天満にあったそうだが、茶屋町のある人から土地の提供の申し出があり、そこに遷座したというから、大空襲があっても場所が変わらない寺社でも、何かの拍子に移転することがある。話を戻して、太融寺の創建は嵯峨天皇の行幸があったからで、同天皇を祀る社を境内に設け、後に菅原道真が立ち寄ったことで道真の死後に祠を建て、やがて嵯峨天皇を祀る社と一緒にして社殿を建てたというが、それは綱敷天神社だ。こうした由来を事細かに調べると面白いと思うが、そこまで筆者の関心はない。ぶらりと立ち寄って何か目につくものがあればよいといった物見遊山の気分だ。それで今日は3枚の写真を選んだ。最初は正門の鳥居で、これは西を向いている。鳥居前の道を20メートル南に行くと阪急東商店通りで、繁華街に接していると言ってよい。そのため、夜は酔っぱらいが鳥居前を歩くことが多いだろう。それで他の神社には見かけないものを2枚目の写真に写し込んだ。菰樽が5つ積まれているその奥に小さな赤い鳥居が見える。これは石の大鳥居から見て右手だが、左手つまり門の左側にももう少し大きな朱塗りの鳥居が壁面に立てかけてあった。当然これは小便禁止の目印だが、阪急東商店通りにほとんど接していることもあって、酔っ払いの行為から自衛している。そのほかにも写真には駐輪禁止、犬の糞禁止、駐車禁止の小さな立て看板があり、いかにこの神社が被害を受けているかがわかる。さて、門を入るとまた目につくものがいろいろあったが、もう1枚だけ写真を載せる。3枚目は鳥居をくぐってすぐ右手で、写真の右端に祠の屋根がほんのわずかに写っている。これは方除、災難除けの白龍社で、今日は紹介しないが稲荷社もあって、たとえばサントリーなどの企業が寄附をしている。3枚目の写真で見せたかったのは、天神社であるから当然牛の像の設置と、そしてこの神社では特徴的な「奉納国旗掲揚塔」だ。これは昭和39年10月10日、つまり東京オリンピックの開催日に建てられた。オリンピックの開催を記念するもので、大阪でもそれは世紀の祭典と思われていたことがわかる。では2020年の東京オリンピックの開催を記念して何か目立つものが建てられるだろうか。この御影石のてっぺんに国旗を立てるための丸い装置がついているが、祝日にはポールを底に嵌め込んで国旗を掲揚するのだろう。だが、この場所は境内の隅で、また写真からわかるようにすぐそばに大きな木がある。そのため、国旗を揚げても目立たないのではないか。3枚目の写真であえて写し込んだのは、左端の掃除道具だ。境内を常に掃き清めておくことが神社の使命で、もちろんこの神社も境内はきれいにされていた。一歩外に出ると、夜は大勢の人が酒を求めて歩く場所だが、この神社はいつまでも同じ場所にあって、大阪の変遷を見続ける。
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by uuuzen | 2015-09-03 23:59 | ●神社の造形
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