●祇園祭りのスイカ
病は伝染病のことで、日本ではもうそれはめったに発生しないようだが、癌で死ぬ人が多いから、癌は現代の疫病に加えていいかもしれない。そう言えば韓国のMERS問題はどうなったのだろう。あれも疫病と言ってよい。



d0053294_1104622.jpgこのように、医療が進化しても、新しい病気が現われ、疫病の概念はなくならない。つまり、それを封じることを願う祇園祭りは永遠に必要ということだ。話は変わる。13日の月曜日に、2か月前に奥さんを亡くしたOさんを訪れた。49日が終わるまでそっとしておいてほしいとのことで、もう2か月少し経つのでいいかと思って出かけた。Oさんは筆者と同じ年齢で、親しく話すようになったのはまだ2年経たない。お互い長年同じ自治会に暮らしながら、そういうものだ。Oさんの奥さんはOさにより7歳年長であったことがわかったが、となれば享年70だ。早いと言えるが、60にならずに死ぬ人に比べると長生きで、考え方による。鴛鴦夫婦であったらしく、Oさんは夢と現実の区別がつかず、かなり落ち込んでいた。筆者はいろいろ話題をつなぎながら、1時間半ほど話したが、Oさんはその間は気が紛れたと言ってくれた。それでまた機会を見て話しに来ると言っておいた。筆者は最近きわめて多忙で、なかなかそういう時間が見つけられないが、たまには気晴らしに誰かと話すのは気分転換にいい。Oさんを慰めるのに特別の言葉は不要と思い、世間話に興じたが、なまじっか同情すると湿っぽくなって逆効果だ。Oさんは配偶者を失うことは、話に聞いて知っていたことと、実際に自分の身に振るかかることでは雲泥の差があると言った。それは想像出来ると言えば嘘になるということだ。想像を絶する落胆が突如襲いかかり、思い出すことは何もかもあたりまえのようにそばにいた妻のことばかりとのことで、そう言われると返す言葉がないが、筆者としてはそれでも生きて行かねばならない現実があるので、それには前向きに楽しくやった方がいいと意見した。ともかく、話は弾み、この調子なら年月はかかるだろうが、次第に元気を取り戻すと思う。自治会の住民で最もよく話すFさんは最近奥さんが病に倒れた。筆者も家内が去年手術し、その後治癒せずに病は停滞している。Fさんは筆者より10歳ほど年長で、奥さんも数歳上だが、Oさんはもう7年は生きたい、つまり奥さんの年齢と同じになるまでは生きておくべきと言った。Fさんを思えば70代になっても60代とそう変わらずに元気でいられるように思うので、Oさんも新しい楽しいことがあれば7年と言わずにもっと生きたいと言うだろう。それに、60を越えると1年が一瞬のごとく過ぎ去るので、Oさんも筆者もすぐに70歳になってしまう。Oさんはどんな病で死ぬと思っているのか知らないが、奥さんを失くしたと聞いて最初に思ったことは、普段の買い物だ。ところが、月曜日の夕方6時半頃まで玄関前に座って話し込んでいると、20代半ばの女性が自転車でやって来た。娘さんだ。子どもが3人いて、娘さんもいることをその時初めて知った。女性が同居しているのであれば、食材の買い出しはやってもらえるだろう。その点、恵まれている。筆者は家内がいなければ何から何まで全部自分でやらねばならない。Oさんは話の途中で、また心ときめく女性でも現われればといった冗談を言ったが、そう思っている間は死なない。だが、60を越えた男が素敵と思える女性と親しくなるには、よほどの男としての魅力が欠かせない。それは金であり、貫禄であり、また女性に対する優しさで、9割以上の男は失格だ。そのため筆者も夢想だけで済ますが、女でも男でもいいので、気の合う人と話す楽しい時間は必要だ。
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 昨日は何となく尻切れトンボのような思いを抱いて書き終えたので、今からその続きをするが、どこに話を戻すかと言えば、祇園祭りのアルバイトをしていた女子大生ふたりだ。四条室町通りの南西の角に煙草屋がある。中に入ったことはないが、古い店だ。その四条通りに面した小さなウィンドウに、祇園祭りの期間中だけか、とても小さな山鉾の模型がずらりと陳列してあって、それに吸い込まれるようにガラスの前に立った。そして、右にいる女子大生の顔をほとんど見ずに、粽の土鈴を見せてほしいと言った。その時筆者の思いと目はすっかりその土鈴に奪われ、アルバイトの店員の姿や顔をろくに見なかった。筆者にはそういうところがある。それで取り出してもらった土鈴を手に取り、すぐさま買うことにしたが、その時に話を交わしたのは取り出してくれた女性だ。家内に支払わせた後、商品を手わたしてくれたのはもうひとりの女性で、彼女の方がずっと筆者のすぐそばに立っていたのに、顔をまともに見たのは商品を受け取った時で、昨日書いたように、ドキリとした。男は美女を見るとそういうもので、勝海舟は客の訪問に美女をまず出させたと何かで読んだことがある。相手は美女が目の前に現われると、一瞬たじろぐ。その間に海舟は危険な訪問客の手から逃げたそうだ。男は美女を見ると一種の恐怖を抱くというのが正しいようだが、女がイケメンを見ると同じような思いになるだろうか。たぶん男の場合ほどではないだろう。これは、男は単純な動物で、女のように魔性を持っていないからだ。それはともかく、大船鉾がないことを知って、新町の四条通りを今度は北側の歩道を歩いて東に向かうことにした。そうして撮ったのが今日の最初のどうでもいいような写真だ。信号が灯っているのでまだ歩行者天国にはなっていない。奥は北で、放下鉾が見えている。ともかく、この写真で言えば右手の「マンション・テナント」の看板のある不動産屋の前を通って右手に進んだ。家内が烏丸方面に戻ろうと言ったからで、筆者はどうせぶらぶら歩くのでどこをどう進んでもよかったが、室町通りに来た時、また土鈴の彼女の美人ぶりを確かめたいために、南側の歩道にわたった。ところが大変な人出で、土鈴を買った店には近づきにくい。それに、家内に悟られるのもいやで、彼女を間近に見ることはすぐに諦め、室町通りを南下した。そうして綾小路通りの四辻で立ち止まって写真を撮った。それが今日の2枚目の写真で、右に見えるのが鶏鉾、左端の奥に小さく見えるのが綾傘鉾だ。去年も綾小路を歩いたことを思い出したが、それは去年の祇園祭りの際に撮った膏薬辻子の細い道の写真が4枚ヤフー・ボックスに保存したままで、今年はその何枚かを使うか、あるいは新たにまた同じ角度で撮影するかと思っていたからでもある。今年は四条通り側から膏薬辻子の奥を見ずに、綾傘鉾を見た後すぐ、綾小路通りからちらりと覗き込んだだけで、写真は撮らなかった。それはともかく、前述のように、1年は瞬く間に過ぎ去ることを実感する。そして、ニール・ヤングが歌い続けるように、ゴールドの心を掘り当てようとしながら老いて行くが、ゴールドでなうてもちょっとした楽しさが毎日あればいいではなか。話を戻して、惰性のような形で西に向かって伯牙山は芦刈山を見たのは、西に向かって下り坂であったからでもある。芦刈は有名な謡曲で、夫婦和合の物語だが、家内は芦刈山の立て看板でそのことを初めて知ったようで、えらく感じ入り、帰宅後の会話で、来年は芦刈山の粽を買うと言った。油小路通りに出たところ、もう南の油天神山を見に行く元気がなく、四条通りに向かい、そして四条堀川の交差点に来た。そこを少し過ぎると、元気屋という、300円未満で長年弁当を販売している店があるが、その前で野菜や果物が売られていた。それを見るのは初めてだ。多角経営をいつの間にか始めたのだ。足元に大きなスイカが5,6個あって、1個590円で売られていた。これは買わねばならない。味はわからないが大和産であるのでまあ大丈夫だろう。一番大きなものを選ぶと、7,8キロはありそうだ。片手で持つとしんどい。ビニール袋の手がちぎれそうで、家内はバッグから厚手のビニール袋を取り出し、それで二重にした。50メートルほどで四条大宮の広場前で、そこでは放送関係の催しが行なわれていたようで、大勢の人が一画に長い行列を作っていた。それに目を奪われた途端、右手に提げたスイカに何かが衝突した。自転車に乗った女性がよろよろと走り去る。家内はそれを見て「あーあ」と言いながら筆者を叱り、また自転車の女性を小声で罵った。よそ見をした筆者も悪いが、自転車の運転も危なっかしい。スイカの袋を見ると、破れていて、汁が滲み出ていた。落としていれば袋の中で割れているが、そうでなくても衝撃で中身はひどく揺さぶられたであろう。そこで家内と別れ、筆者は10分ほどバスを待ってそれで帰った。帰宅後にスイカを見ると、さほど傷はない。そして傷の箇所で真っ二つにした。3枚目の写真のスイカの円形の頂点から少し左にその傷が見える。まさかその傷の衝撃で内部にひびが入ったのではないだろう。丸ごとでは冷蔵庫に入り切らず、半分に切って生温かいまま食べると、これが白皮部分まで甘い。スーパーで切ったスイカを見ては買おうかどうか悩むが、スイカは丸ごとがいい。今年初めてのスイカが税込650円ほどで買えた。粽土鈴を買ったことが、厄病除けではなく、御利益になったかのようだ。まずいスイカと決めてかかっていた家内も笑顔になった。疫病の感染はごめんだが、笑顔は増やしたい。
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by uuuzen | 2015-07-16 23:59 | ●新・嵐山だより | Comments(0)


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