●祇園祭りの粽
を家内の妹の旦那の入院を見舞うのに持って行こうかと家内が言った。今日は四条河原町の高島屋で家内と待ち合わせをした。筆者は昼過ぎに京都府総合資料館に調べものがあって、炎天下をひとりでバスで出かけた。



d0053294_1332349.jpg

用事が済むと電話すると伝えておいたが、テレフォン・カードを持って来るのを忘れた。10円玉でかければ済むことで、また総合資料館の近くに公衆電話があることを思い出した。10円を挿入して家に電話すると、家内が出た途端、60秒の表示が1秒ずつ減る。それが気が気でないが、30秒と経たない間に電話を切った。午後4時に待ち合わせだ。筆者が着いたのは5分過ぎだが、それなら遅れたうちには入らない。ケータイ電話があれば便利なことはわかっているが、なくても待ち合わせにさほど困ることはない。午後4時はまだ昼間だ。しかも今日はとても暑かった。祇園祭りの宵々山で、去年搭乗した大船鉾にまた上ってみる気であった。先日、その大船鉾が去年はなかった装飾が増えたことをNHKのTVで知った。飾り物のほかに、ひょっとすれば天井や欄干など、色が塗られているかもしれない。そうであればその様子を撮影しようと考えた。高島屋で待ち合わせをしたのは、先月中元の贈り物を予約したことの第2回目が目的で、家内は7階のそのコーナーで手続きをしている間、筆者はその出入り口際にいた畳屋と談笑した。実は前回もその人はいて、同じようにしばし話したのだが、今日は筆者の姿を見つけて声をかけて来た。短期間の出店であるので、もう会えないかと思っていたのに、また高島屋に詰めることを上司から命じられたのか、とにかく以前と同じ場所に同じように商品見本を並べていた。しきりに畳を勧められるが、筆者にはちょっとした知り合いのふたりの畳屋がいる。どうせ張り変えるか新調するのであれば、そのふたりのどちらかにしたい。それで話は半分だけ聞くということにしたが、何となく馬が合う。名刺をもらうと、何と住所は家内の妹の家と同じ町名だ。そう言うと、なおさら畳屋は縁があるので畳を買ってほしいと言う。ところが、今日話が弾んだのは骨董品についてだ。和歌山のお客さんが親が遺した絵画や茶道具の価値がわからず、その畳屋に訊ねたそうだ。畳屋はスマホでそれらを撮影していて、筆者に見せてくれた。いい絵か悪い絵か、またいつ頃のものかはすぐにわかる。最初は大観の富士と松を描いた横長の額で、写真からは出来がよい。一気に期待したが、次に見せられた数点はどれもつまらない吉祥画題の売り絵で、また下手だ。そうなれば大観も怪しい。そう伝えると、まだまだ作品はあって、それらを撮影して来るので値打ちを見定めてほしいと言われた。それでメール・アドレスを教えたが、さて、新たな写真を送って来るか。そう言えば、ネット・オークションで知り合った京都のある女性が、多くの美術品を持っているらしく、博物館の学芸員を招いて価値を見てもらったと2,3年前に聞いた。眉唾ものだが、その人がある日、筆者に作品の画像をたくさん送って来た。価値がわかればネット・オークションに出すというのだ。文人画が多く、また有名な画家の作もあった。学芸員云々の話は本当かもしれない。さらに何度かメールをやりとりして、彼女の祖父が明治の京都ではとても有名な文人画家であることがわかった。それにその祖父の作品の写真も送って来る。だが、それらの作品は、今では言うほどの価値はない。ほしがる人が少ないからだ。古美術品は買う時は高いが、売る時はそうではない。そうでなければ古美術業者が儲からない。早い話が、買った値段の10倍や100倍以上で売ることで経営が成り立っている。それに、ネット・オークションでは同じように安価でしか売れない。いい作品だと彼女に伝えたはいいが、彼女は期待したほどの値段で落札されず、落胆したようだ。その後もたまに写真を送って来て、作者や賛の内容を教えてほしいと言われるが、中にはとてもつまらない作品が混じっていて、美術品には全くの素人であることがわかる。祖父がいかに有名な人であっても、孫はそういうものだ。孫でなくても子でも同じで、親が大切にした物に共感を覚えない。それゆえ、親が死ぬと、所有物は9割以上がゴミ同然に処分される。ましてや絵画などの美術品はさっぱり価値がわからない。それでも子孫が疫病に罹らず健康で生きて行くならばいいではないか。
d0053294_1333834.jpg 家内の中元の贈り物の申し込みが終わって、四条通りに出て西に進んだ。歩道が広くなっていて、家内はそのことを祇園祭りの賑わいに合わせての工事であったかと訊く。そういうこともあるだろう。高島屋側すなわち南側の歩道を歩いたが、西日が強いので、北側を歩こうとうるさい。大船鉾は四条通りの南にあって、なるべく歩かないで済むようにと筆者は考えていたので、家内の意見を無視した。すぐに大丸近くまで来て、長刀鉾が通りの向こうに見えた。それで拡幅された歩道の告知板と一緒にその鉾を撮った。それが今日の最初の写真だ。歩行者天国は午後6時からで、それまで小1時間ほどある。また6時になれば大船鉾には搭乗出来ない可能性が大で、ともかくまずは新町通りに行って鉾がどのように建てられているかを確認せねばならない。新町通りは大きな烏丸通りから西へ2本目の南北の道だ。烏丸通りは6時から露店がたくさん並ぶが、もうその準備が始まっていた。烏丸通りを越えてもなおも南側を進み、室町通りの角に着いた時、普段は煙草屋かちょっとした雑貨を売っている小さな店の古いウィンドウの内部に、祇園祭りの山鉾のミニチュアが勢揃いしているのを見かけた。売り物で、どれでも3000円から4000円の間の値札がついている。紙と木で作ったもので、重さは50グラムもないだろう。子どもの掌に3,4個は乗るほど小さい。手作りであるのでそのような高い値段がついているが、作られる数がごく少数ならその程度の価格になるのはやむを得ない。山鉾にはさっぱり関心はなかったが、それらの両脇に粽の土鈴があった。また左上隅には八坂神社の土人形があって、それはなかなか面白い作で、出来ればほしかったが、非売品とのことだ。それで粽の土鈴がどのような音が鳴るかに関心があり、ウィンドウの斜め前にいた売り子の若い女性に見せてほしいと頼んだ。在庫は全部売れたようで、飾ってある2点しかないと言う。それで買うことにした。1700円で、家内は本物の粽なら2個買ってもお釣りがあるとうるさい。だが、本物の粽は毎年買い替えるものだ。土鈴ならば半永久的に飾っておける。それに場所を取らないのがいい。粽は祇園祭りにつきものだが、食べられないものばかりと思っていると、1200円で食べられるものも売っていた。どの山鉾でもそうしているのではなく、また食べられない粽も山鉾によって値段はまちまちだ。当然長刀鉾が一番人気がある。それでは面白くない。たまたま見かけた粽の土鈴は、山鉾で売っているものではなく、誰かが勝手に製造販売しているもので、その点ではもぐりだが、八坂神社はうるさいことを言うだろうか。粽土鈴には「蘇民将来子孫也」の文字を記した赤紙が前面に留められている。それに上部は陶製ではなく、畳に使うイグサのようだ。その感触がいい。これなら1700円はするだろう。自分用にほしいくらいだが、癌の手術で入院している家内の妹の旦那の一時も早い退院を祈願して来週病院に持参するにはいい。「蘇民将来子孫也」は蘇民将来の子孫として疫病から逃れられるとの護符の言葉で、また本物の粽なら1年しか御利益はないが、土鈴は取り代える必要がなく、効果は持続するだろう。そのように考えれば、形は小さいが、効果はありそうだ。そうそう、土鈴を手わたしてもらう時、初めてまともに売り子の女性の顔を見た。言葉の訛りがひどく、どこか遠い地方から京都に出て来て大学生になっているのだろうが、あまりの美人ぶりに絶句した。家内も後で「久しぶりに女優のような美人を見た」と同じようなことを言った。そういう彼女から手わたされたので、なおさら御利益がありそうな気がする。さて、新町通りに着くと、あるはずの大船鉾がなかった。去年から前祭と後祭の二回に分けて山鉾が巡行するが、今年も大船鉾は前祭が終わった直後に組み立てられるようだ。前祭の巡行は17日で、その翌日には見られるのではないか。もう一度出かけることになりそうだ。それに、粽土鈴を買った店にまだ彼女がいるかもしれない。最後の1個がまだ売れずに残っているならば、また彼女から受け取りたい。もう少し書くと、新町通りから四条通り北側の歩道に出て、室町通りを南下し、鶏鉾の脇を通って綾小路通りに入って西へ進んだ。3枚目の写真は、綾傘鉾の前で氷詰めされた粽で、奉納者の得意げな顔が浮かぶようだが、粽をこのように氷結させていいものか。綾傘鉾の西は伯牙山、芦刈山が続き、それらの保存会の家の中で屏風などの飾り物を拝見しながら、やがて油小路通りを四条通りに出ると、ちょうど6時になって、四条通りは歩行者天国に変わっていた。それから四条大宮まで歩いて、1日乗車券を持っている筆者だけバスで帰ることにし、家内は阪急電車で一足先に帰宅した。
d0053294_133505.jpg

[PR]
by uuuzen | 2015-07-15 23:59 | ●新・嵐山だより | Comments(0)


●『黒の旋律』 >> << ●祇園祭りのスイカ
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
ご指摘どうもありがとうご..
by uuuzen at 12:22
Frank zappa ..
by ザッパ at 08:30
何年も前に書いた文章に感..
by uuuzen at 16:20
はじめまして。興味を引く..
by 文学座支持会元会員 at 11:15
最近あまりに多忙で録画は..
by uuuzen at 15:31
唐突に失礼いたします。ど..
by タイタン at 14:59
暴力事件は訴えても警察が..
by uuuzen at 15:11
地下鉄の件事件になります..
by ネイル at 19:07
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
最新のトラックバック
http://venus..
from http://venusha..
ファン
         ブログトップ
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  © Copyright 2017 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.