●大阪都構想頓挫
抗する獲得票の差をTVで見ながら久しぶりにスリルを味わった。競馬ファンの気持ちをふと想像したが、結果は筆者の予想どおり、僅差で反対票が多かった。



それも1万少々多いだけで、TVに映し出される赤と青の円グラフが、視力がよくない筆者にはちょうど半々に見えた。橋下市長の政界引退宣言を満足気に見ている反対者の顔が浮かぶが、戦になぞらえてきっぱりと辞めると答えたところ、戦国時代の武将を気取っていたのだろうか。その時代であれば、負ければ首を切り落とされるか切腹で、命はない。それが民主主義ではまた新たな人生を歩むことが出来るのであるから、民主主義はありがたいと発言していて、その潔さと公平感に政治家としては稀な人柄を見た人が多いかもしれない。一方、自民、民主、公明、共産の各党が一致団結して反対したことは、今後大阪を4党で協議して意見の一致を見るようにして行くことの決心を踏まえてのことのはずだが、それがうまく機能しなければ、反対票を投じた人は騙されたことになるが、後の祭りだ。先日ブログに書いたが、最近家内と西成区に行った。老人が目立つ地域を歩いていると、目の前に80歳近い小柄な男性が同じような年齢の女性に話しているところに出くわした。橋下市長へのこき下ろしだ。その理由が、地下鉄や市バスの無料パス券の廃止や水道料金に対する恨みであった。日の住民投票に反対票を入れることを言っているなと思ったが、西成では反対票が多いとの予想は、先ほどの投票結果で明らかであった。また、70代が反対に多く回ったが、10年後、20年後の大阪よりも、明日の生活が大事で、無料でもらえるものは何でもありがたいという思いだ。老人になるとだいたいそうだろう。それは仕方がない。誰でも自分の得になることは歓迎で、そうしてくれる政治家を選ぶ。だが、数兆円の借金財政という現実を見れば、政治家が無能としか言いようがない。役人もそうだ。国がなくなるまで自分たちは給料が保証されていると思っているし、またそれが事実であるから、自分以外の借金がどう膨らんでも少しも痛みを感じない。政治家はたっぷりと収入があって、偉そうに人前で話すことが心地よく、選挙で選ばれることだけを日夜心配している。どんなことがあっても橋下市長のようにきっぱりと政界から身を引きますとは口が裂けても言わない。それも仕方がない。いろんな仕方のないところで住民投票に持ち込み、破れたのであるから、それは本人が言うように政治家として見通しが間違っていた。絶対に勝つと睨んでいたことがそうではなかったからには、負けで、約束していたようにきっぱりと身を引くのは筋が通っているし、そうでなければ反対派の嘲笑を浴び、同じ穴のむじなと思われる。それだけでも胸糞悪く、市民に自分はそういう政治家とは違うことを見せつけたいのだ。
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 反対派には橋下市長のように勇ましいのは誰ひとりとしていないのであるから、それを見越しての背水の陣で、負けて惜しまれる方が格好いいという計算もあったろう。「武士に二言はない」が、今の政治家はみなさもしく、二言どころか、舌が何枚あるかわからない。だが、政治家とはそのようなものと思っていると腹も立たない。その意味で橋下市長は政治家ではなかった。反対した4党の議員たちは内心ほくそえんで今日は嬉しくて寝つけないだろう。それに後のことはどうにでもなる。僅差であっても勝ったのであるし、またどうせ大阪人はぼんくらばかりで、どうにでも催眠術をかけられる。その思いが今日の投票で証明された。反対派の撒いたビラで最も大きな活字で印刷された部分の画像を今日は載せるが、『「棄権」は「賛成」することと同じです。わからなかったり、迷ったら、迷わず「反対」をしましょう!』というスローガンの前半は特にひどく、これは詐欺だ。選挙違反にならないのだろうか。同じことを電話しまくったらしいが、よほど大阪人の頭が悪いと高をくくった表現で、1万少々の反対票はこのビラにまんまと乗せられたかもしれない。橋下市長は、市民のレベルが自分と同じほどではないが理解してくれる能力があると思っていたのだろう。それが大きな間違いであった。先に書いた西成の老人のような人たちに向かって、真っ先に熱心に説得すべきであった。大阪都構想は20年ほどかけてじっくり考えればいいと反対した議員が話していたが、20年後は今日反対票を投じた70代はみな死んでいて、住民投票をすれば絶対に賛成が多いだろう。そして、20年後に自民党が大阪都構想を実現させる。その時、橋下市長がどのように評価されているかだが、先見の明があったなどと持ち上げられることはまずない。手柄はすべて自分たちのものとばかりに自画自賛だ。ま、団塊の世代が消えるまで現状維持となることは確実で、今回の投票は大阪、そして日本の置かれている実情をいろいろと示してくれた。大胆な改革より、明日の無料乗車券がほしい。それほどに大阪の老人は貧しいということだ。長寿社会は老人と若者との戦いでもある。先ほど家内にスウィフトの『ガリヴァー旅行記』の中の100歳を超えても死ねない病気で苦しむ老人の話をしたが、個人は長生きを望むが、社会はそうではないということが改めてわかったような投票であった。そこで思うのは自分の年齢で、若者の荷物にならないことを望むが、そんな思いは20年後は頓挫も何も、最晩年のスウィフトのように精神に異常をきたしてわからなくなっているかもしれない。
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by uuuzen | 2015-05-17 23:59 | ●新・嵐山だより | Comments(0)


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