●嵐山駅前の変化、その361(自転車道路)
害をなくしたいと思うのは誰しもだが、まさか自分が他者から弊害と思われているとはほとんどの人は考えない。だが、知らない間に怨まれていることはあるだろう。



d0053294_2351963.jpg電話がかかって来なくなって8,9年か、数か月に一度、電話をかけて来る同年齢のKがいた。いつも酒に酔ってかけて来したが、筆者が不在の時は家内が出た。そんな時は長話はしないが、筆者のことを「目の上のたんこぶなんじゃ」と言ったことがある。家内は気分が悪いと怒っていたが、筆者はまたかと苦笑するだけで相手にする気がしなかった。そんなKは離婚して下鴨から西陣に住んだが、当初は新しい場所で再起すると明るかったが、住民に馴染まなかったのか、たまの電話の声がますます暗くなって行き、ついに「あんたしか友人はおらんのじゃ」と言って来るようになった。それから二、三度は電話があったが、最後の電話は大阪に行くというもので、それからはかかって来なくなった。酒癖が悪く、その点を除けば面白いところがあったKだが、なにせその酒癖があまりにひどかった。酔わずにはいられない弱さがあったと言ってよい。あるいは才能のなさと言ってもよい。才能がなくても人柄がよければどうにかなるのが世の中でもあるが、自尊心が強く、他人にへりくだることが出来なかった。それはいいのだが、他者に対して誇れる何かを持つための努力をしなかった。あるいはそのための能力の欠如を自覚していたので酒で紛らわせたのだろう。思い出した。電話がかかって来なくなる1年ほど前か、60歳の花屋の未亡人に誘われてセックスしたと電話があった。Kは50数歳で、どういう経緯で出会ったのか知らないが、Kは年上の女性の母性本能をくすぐるようで、その話には驚かなかった。Kは気持ちよくもなかったようだが、何年ぶりかのセックスにそれなりに感動したのだろう。だが、その一度切りであったようで、女にすれば後腐れなく遊びたかったのだ。60の女がかなり年下の男とセックスしたいというのはごく普通のことかどうか知らないが、何となくKが憐れに思えた。筆者のことを目の上のたんこぶと言う割りにはKは筆者の仕事その他、ほとんど実情を知らなかったと言ってよいが、お互いの家を訪れたのは一度限り、また他者の家で同席したのは数回で、そのほかは電話だけのつき合いであったから、それも仕方がなかったであろう。筆者のことを「目の上のたんこぶ」と言ったことの裏には、怨みではなく、羨みがあったのかもしれない。そう筆者が思うことで、Kのことを悪く言うことにはならないだろう。そして、羨んでいたとすれば、それは勘違いであったと言いたいし、また他者を羨んだところで自分が惨めになるだけで、自分は自分と思っていればよかったのだ。筆者は他者を羨むことがない。前に書いたが、設計者に禁句していた頃、数歳下の別の部署の男が車のキーを見せびらかしながら、新車を持っていることが羨ましいだろうと言った。筆者は車に全く関心がなく、免許も持っていないが、車を手に入れて優越感を覚える平凡な男など相手にしたくなく、男の言葉を無視すると、今度は食ってかかって来て、大勢の人が周囲にいるのに喧嘩になりそうになった。その後きっと筆者を怨んだはずだが、筆者を目の上のたんこぶと思うほどに社内でめったに顔を合わさなかった。Kは芸術家に憧れていて、車に無関心であったから、その点は筆者とは話がまだ出来たが、残念なことにあまりにも知識の底が浅く、また他者に対して辛辣過ぎた。それでは誰も近寄らない。大阪の釜ヶ崎にでも向かい、そこで野垂れ死にしたのではないかと想像するが、いかにも破滅型を感じさせるところが、母性本能を刺激したのだろう。年上の女のヒモにでもなってどうにか生きてくれていればいいが、50半ばを過ぎて無一文ではそれは難しいだろう。そういう筆者は今年64になるが、世間で見る同世代はすっかり初老で、金はないのに贅肉だけが増し、いよいよ崩れて来たかと鏡の中の顔を見る。
d0053294_2353824.jpg 話は変わるが、今日は家内と奈良に出かけ、どこでであったか忘れたが、残りの人生で屏風の大作を何点か作って個展したいと語った。それが最後の個展になるかどうかわからないが、数年後には開きたい。60代はまだ元気であると思うし、その間に代表作と言えるものを作っておきたい。それを言うと家内は古い作品がたくさん手元にあるし、また六曲一双の屏風が何点かとなると、表具代その他で200万ほどは必要であろうし、またそれほどの製作費をかけて作っても売れないはずで、その資金をどうするかという心配をする。それはどうにかなると高をくくっていて、筆者が心配なことはまずは体力や技術力だ。久しぶりに作品製作のことを思ったのは、ここ10年以上も取りかかっている仕事の出口がようやくのことはっきりと見えるようになったからだ。自治会のことも本年度で足を洗い、来春からは作品のことだけに没頭したいと、今日はおぼろげに決心した。それに対しての弊害は金や体力、技術力以外に、時間を取られる自治会の副会長の職務があるだろう。それにこのブログも加えてよい。これまでのことを全部やめて作品の創作だけに没頭出来るのは理想だが、そのことは死に方を真剣に考えることでもある。やり残した仕事がないように生きたいと考える時、筆者にとってはまだ手がけたことのない大作をものにすることで、それを売って金にするといったことは考えていない。それはこのブログと同じで、読者が増えてほしいといったことを考えずに書いていて、形となることを積み上げればそれでよいと思っている。それは自己満足と言われるが、他人がどう思おうとかまわない。他人の考えを変えることは出来ないし、また変えさせたいとも思わない。新車を自慢する平凡な男はいつの時代にも大勢いるし、そういう連中とは接しないことだ。相手もそう思っているから、お互い存在しないも同然で、どうでもいい他者のことに書かずり合っている暇はない。前述のKがどうだと言えるかもしれない。それなりに話をした間柄だが、Kは筆者のことを誤解はしても理解出来なかった。目の上のたんこぶと思わせたことは申し訳ないが、他者がどう考えるかは筆者の問題ではない。弊害となるつもりは毛頭なくても、誰かからそう思われる。このようなブログでも目障りと思う人はあるだろう。そのように思いながら書いているので、罵りのコメントを書きたい人は一歩思い留まってほしいが、罵りの快感を与える程度の役目を果たしているとすれば、それはその人にとっての益であって、筆者は他者の役に立っていると思えるではないか。人が生きて行くことは摩擦を起こすことで、それが心地よくある場合と、そうでない場合がある。前者の快感を求めて動けばよく、人生が残り少ない年齢になればますますそうだ。御幣がありそうなので断っておくと、心地よくない快感とは、虫の好かない相手と話して時間を無駄に過ごすとの意味だ。
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 去年5月に始まった自転車道路の延長工事は好天続きではかどったようで、今日もちょうど1年前に撮影した定点撮影の4枚を載せる。毎日撮影してもよかったかもしれないが、そうすれば1年後の今、毎日同じカテゴリーに投稿せねばならない。それは面白くないと思ったが、2,3日に一度でもやはり面白くない。それで先のふたつの段落は何の関係もないことを書いたが、本当はそうではない。どんなことでも包み隠さずに書いてしまえるようで、そうではなく、以前書いたことでもまずいかと思うことがポツポツとある。それをわかりにくくするためにも毎日こうしてたくさん書いている。その行為は言の葉の堆積で、下になった言の葉が少しでも探しにくくなるようにするためでもある。それに、筆者がまずいかと思う箇所を探すには、今までの投稿を全部読む必要がある。そんな暇や根気のある人はいないから、まずいことを書いたかと思うこともそれほど気にしていない。それはさておき、先のふたつの段落は、その表面の下に本当は書いてしまいたいことを隠している。その見えない低音が文章のあちこちに表われていると自分では思っていても、それは他者にはわからない。ま、そのような思わせぶりなことを書くのは、現在の筆者に弊害と思えることがあるからで、そのために先に書いたように早く創作三昧の日々に突入したいと今日は思ったのだろう。それは逃避と言えるか。そういう面もわずかにあるが、人生の切りがいよいよよくなって来ていると実感するからだ。それに、弊害は誰でも嫌なものだ。なくすことが無理ならば、遠ざけたい。四半世紀前にある女性に言われたことがある。筆者はものすごく嫌われるかものすごく好かれるかのどちらかだそうだ。もっとも、その女性の思いであって、しかもその女性はものすごく好きなのだが、そう思いながら、筆者は敵を作りやすいと思ったのだろう。ものすごく嫌われるかものすごく好かれることは、どっちにしても気になる存在ということだ。つまり、目立っているということで、これは喜んでいい。新車のキーを見せびらかすような凡人ではないということで、それは望むところだ。そうでなければ売れることを考えずに大金と膨大な時間を費やして創作などしようとしない。はははは、深夜も午前3時前になって力がみなぎって来るのは健康によくない。昼間に書けばどういう色合いの文章になるかと最近よく思う。短調が長調に変わるように雰囲気ががらりと違うものになるのかどうか、試してみようと思いながら、就寝が3時であれば翌日目が冴えるのはまた深夜で、何の弊害が筆者には根深くあるのだろう。目の上のたんこぶ的存在はないのだが。
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by uuuzen | 2015-05-13 23:59 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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