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●京都DDDギャラリー
子を家内も受付嬢から手わたされたが、筆者はそれをすぐに返した。家内は無料であるのでもらっておけばいいのにという顔をしたが、2冊手元にあっても見るのは1冊だ。



●京都DDDギャラリー_d0053294_0352634.jpg

余分なものを持っていては邪魔になるし、会期中に冊子がなくなることを少しでも防ぐ意味では2冊持って帰ることは慎まねばならない。その冊子をつい先ほどようやく斜め読みした。今日は一昨日書いた「DNP京都太秦文化遺産ギャラリー」と同じ建物にある別のギャラリーについて書く。最初の写真はその建物の玄関扉を入ってすぐ左手の情報コーナーで、チラシ類が置かれている。右奥に少し見えているのが「京都DDDギャラリー」で、写真右端の右奥に「DNP京都太秦文化遺産ギャラリー」がある。ビルの1階で、前者は後者の5,6倍の面積がある。受付カウンターには受付嬢が3人待機し、笑顔で迎えてくれる。このギャラリーは東京銀座のGGGギャラリーの京都版で、これももらって来たリーフレットによると、大日本印刷の本拠地は東京銀座で、関東大震災の後、昭和2年(1927)に活字販売を目的に銀座7丁目に4階建てのビルを建てた。戦時中の空襲から逃れた、半世紀使用され続けたが、その最後にギンザ・グラフィック・ギャラリーとして使われ、それが1991年に新築されてGGGギャラリーとなった。そこでは企画展が開催されて来て、それを京都でも巡回するためもあってDDDギャラリーが出来た。去年10月の開廊で、18日に筆者が見たのは2回目の企画展『ラース・ミュラー 本 アナログリアリティー』で、GGGギャラリーでは202回目の企画展で、8月4日から26日まで開催される予定だ。企業がこうした展覧会を開催することは、今は名前が変わったが、INAXが有名だ。大阪のグラン・フロント内に場所を移してからはまだ訪れていないが、グラン・フロントに用がないので足が向かない。それだけ筆者も老けたということか。DDDギャラリーは右京中央図書館のすぐ近くにあって、自転車が使える距離であるので今後企画展の内容によっては訪れようと思う。チラシ裏面には「グラフィックデザインの潮流の発信」と副題があるが、グラフィックデザインは印刷を前提としたものであるから、大日本印刷ならではの企画展となる。チラシの文章には、「国内外の優れたグラフィックデザインとアートにまつわる企画展を開催するギャラリーです。時代の流行や風俗を反映する優れた作品の展示とあわせて、デザイナーやアーティストによる講演会やワークショップなどを行なっていなす。今後も国際的な芸術文化の地「京都」を拠点に、アーティスト、伝統工芸継承者の方々、そして、芸術系大学とも連携しながら、さまざまな活動を進めていきます」とあって、「伝統工芸継承者の方々」に思わず吸い寄せられるが、これは簡単に言えば作家ではなく、職人の意味だろう。伝統工芸作家、美術工芸家は「アーティスト」に含まれるが、いずれにしても京都を意識した文章だ。それほどに京都が東京に並ぶ、また東京にはない原石のようなものがたくさんあると期待されているとすれば面映ゆくなるが、ま、筆者にはほとんど関係がない。このギャラリーの誰が誰にそういう作家の選定を任せるのかわからず、また文中の「芸術系大学とも連携」との文字を見ると、結局はそういう大学につながりのある作家にしか光が当たらないだろう。また大日本印刷であるからには、多少なりとも会社の益につながることを優先するはずで、またそうでなければギャラリーとしての個性を発揮することも出来ない。となると、「伝統●京都DDDギャラリー_d0053294_0354498.jpg 工芸継承者の方々」とどう連携して何をするのかがわかりにくい。
京都の伝統工芸の豊富さはみやこメッセでの展示を見ればよいが、それら多くの伝統工芸に、印刷という技法を持ち込む考えなのかもしれない。そういうことは自分でパソコンを使って印刷出来るようになって、個々の作家が行なっていることで、それを深化させる手助けがギャラリーとして出来ないかとの思いもあるのだろう。そういう未知のことを開拓するのに京都は理想的であるとのもくろみだ。それは筆者のような古い世代とはほとんど関係がなく、2,30代の若い人たちの発想を重視することになろうが、そういう若手で伝統工芸の技術を継承し切っているとは言い難い。熟練を要するのに長い年月を費やさねばならず、そしてそういう人たちが作る品物を展示するには、ほかの施設がすでにあるから、このギャラリーがどのような個性を発揮するかはこれから注視しなければならない。GGGギャラリーと同じ企画展をする、つまり東京向きの内容をそのまま京都に持って来るだけでは意味が小さいから、京都発の京都ならではの企画展が期待されるが、企画展は年に4,5回のはずで、そのうちの1回は「伝統工芸継承者の方々」と連携した内容を望む。今日の2枚目の写真は、チラシ表の左側縦半分で、右半分は「DNP京都太秦文化遺産ギャラリー」の投稿に載せた。内部は撮影可能であったのに、真っ白な新しい空間で、しかも受付嬢がみなこちらを向いているので、何となく憚られた。そして扉の外に出てガラス越しに1枚撮ったが、写っていなかった。そんなこともあるかと思って、玄関扉の外に出て、つまり青空の下でまた撮影したのに、それも駄目であった。そこでチラシの写真を使うことにしたが、2枚目の上の写真がギャラリー内部だが、展示作品は違う。開催中の『ラース・ミュラー 本 アナログリアリティー』展の印象については今日は長くなるので後日改める。またそれほどに充実した内容であった。5月30日までなので、もう一度出かけてもいいかと思う。それは最初に書いたように、受付でもらったB6サイズの糸綴じの冊子を読んで見所がわかったからだ。筆者は本好きであるのに、それを入手してもすぐには繙かない。そのことで損していることが多いはずだが、本を開くことは大変なエネルギーを要する。それほど大きな出会いなのだ。未知なることはみなそうで、また未知なることはほんの一瞥で本質がわかる、つまり値踏みし、好悪を決める。本やCDを入手するのはその好悪の「好」に思いが傾くからだが、そこからさらに深く知ろうとすることがよほどのことだ。人生の残り時間が少なくなって行くというのに、筆者が相変わらず多くの本を買うのは、深く知りたいという思いを忘れていないためとしても、ほとんどの本は一瞥で消費される。そして、邪魔になるばかり。
by uuuzen | 2015-04-29 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON
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