●おむろ桜 落花さかん、その2
点を京都市内とする割りには京都の見所をよく知っているとは言い難い。御室仁和寺の遅咲きの桜を知ったのは10代であった。



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それを初めて見たのは去年であるから、この調子では300歳まで生きなければ見るべき寺社を全部訪れるのは無理だ。それでも関心を抱く縁がなければやみくもに訪れても感動は少ないのではないか。そして、その縁はさほど多くない気がする。そのため、見ることのない場所は存在しないものとして諦めればよい。晩年のザッパは音楽以外のたとえばスポーツに自分がのめり込まなかったことに悔いはないと言った。縁があったものに深い関心を抱けばそれで充分ということで、その出会いは人さまざまであるから、あまり他者のことは考えないのがよい。それで今日も自己流でどうでもいいことを書くが、先ほど見たTV番組が頭から去らず、その話を少し書く。海外の日本贔屓の人に日本に来てもらって関心事を深めてほしいという企画で、ポーランドやフランス、タイなどから15人が選ばれ、その中からフランスの49歳であったか、豆腐作りに関心のある男性が選ばれた。ほかにもぜひとも日本に招きたいという人がいたが、TV局としては日本の受け入れ側を探す手間、また日本に滞在して関心事を学ぶに要する日数や費用を考えると、結局は最も安くつく豆腐作りがよいと判断したのだろう。豆腐作りもいいが、筆者が注目したのは、ポーランドの21歳の女性で、キモノ・ファンだ。ネットを使って日本舞踊まで学んでいる。キモノは手縫いで、襦袢は自分で文様をつけるくらいに「飾る」ということに強い関心があり、日本のキモノ文化の真髄をよく把握している。だが、彼女を招いたとして、どこで何をどのように学べばいいか。筆者は祇園の舞妓さんになれば青い目であるから人気が出るのではないかと家内に言ったが、彼女を受け入れる人があったとして、舞妓仲間が意地悪をしてのけ者にする気がする。どんなことでも内部に入ればどろどろとしたところがある。外で見るのとは大違いで、美しいものを生産する側は、先日取り上げた記録『西陣』にあったように、わずかな賃金でその日暮らし同然だ。そういうことに耐えてなおキモノが好き、舞妓さんが好きというのであれば本物になれるかもしれないが、ポーランドから招いていきなりそのような現実を説明すると落胆するかもしれず、せいぜいお客さん扱いで適当にあしらうというのがまず京都のそういう業界だろう。それでもなお、筆者はその女性が舞妓さんになれば京都の伝統文化を国際的に発信することに大いに役立つと思うので、そういう人のために自治体や国が拠出金を確保することは出来ないかと思う。それで今日の冒頭の一字は「拠」にしたが、ま、それはいいとして、今日は昨夜の続きで、まずは100年ほど前の絵はがきを紹介する。半年ほど前にネット・オークションで入手したもので、この絵はがきを見つけたこともあって、2年前に見た御室桜の写真を今年投稿する思いがなお固まった。宛名面は中央に線が引かれているので、これは大正7年(1918)の郵政法の改正以降のはがきであることがわかる。昭和初期かもしれないが、写真中央のキモノ姿の女性は明治の雰囲気で、大正7年以前に同じ写真を使って製造されていた可能性が大きい。写真下の文章をわかりやすく書くと、「真言宗の名刹にして光孝天皇の創建にかかる。宇多天皇御落飾の後当寺に入り宮殿を造営し玉う。境内桜樹多し」とあって、モノクロであるのが惜しいが、どういう色合いかは想像出来る。背後に見える建物は現在修理工事中で平成30年3月に完成予定の観音堂で、この写真がどこから撮ったかは容易にわかる。去年の「おむろ桜満開、その2」の3枚目の写真はこの絵はがきより20メートルほど南からほとんど同じ方角、つまり北西を向いて撮ったが、100年ほど経っているので木の背丈がかなり大きくなっている。なので、絵はがきと同じ位置に立って撮ると、観音堂は見えないかもしれない。
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 それはさておき、日本髪のキモノ姿の女性を配したのは、海外で喜ばれるようにとの配慮だろう。「Omuro Ninaji、Kyoto」と書いてあるところからもそう思える。そして、この典型的な日本のイメージはこの100年間、あまり変わっていない。ということは、先に書いたポーランドの女性は日本ではもう廃れた文化に憧れているだけで、来日すれば幻滅するかもしれないと言えば、しっかりネットで現在の日本の姿もよく知っていて、古さと新しさが同居するところが謎めいて面白いと思っているのではないか。日本髪のキモノ姿の女性はすっかり特殊になったが、御室の桜は健在で、100年前よりも訪れる人が何倍も多くなっているだろう。今日は昨日と同様、2年前の4月14日の撮影で、またほとんど同じ場所で撮った写真を2,3枚目に載せるが、看板に大書された「おむろ桜 落花さかん」の文字はなかなかよい。「落花さかん」は紙で、その下に何と書いてあるのかが気になる。去年の「その1」の最初の写真に見える看板とは「おむろ桜」の文字が少し違い、またその看板でも「満開」の文字は紙を貼っているので、無地かと思いたいところだが、剥がしてみないことにはわからない。看板は二王門とそして有料区域に入る門の手前の2か所にあり、わかりやすい。外国人観光客のために他国籍表記になることがあるかどうかだが、今のままが日本的な雰囲気でよい。去年御室桜を見に行ったのは、この看板の文字が「満開」と書かれているところを撮影したかったからでもあるが、その望みは達した。ほかにどういう表記があるのか知りたいところで、「つぼみ固し」「三分咲き」「満開近し」といった具合にいくつかあるかもしれない。今日の2枚目の写真は看板と奥の桜を一緒に撮りたかったもので、まだ新しい石碑があって、そこには現在の天皇かもしくは皇太子が植樹した旨が刻まれていた。3枚目は落ちていたチケットで、500円支払えばもらえる。このチケットは見覚えがあった。御室桜を見たのは去年が初めてだが、京都市内にはこうしたチケットがよく落ちていて、20年ほど前にも拾ったことがある。チケットのデザインを変えるくらい、さして費用はかからないが、長年変えないところがよい。またそれほどに仁和寺のチケットのデザインはよい。桜の季節以外はふさわしくないと言えるので、季節によって変えているかもしれないが、この全体に桃色がかった色合いが上品だ。話は脱線する。先ほど急にこのブログ画面の背景の原稿用紙を作り変えようと思い立って2,3種試した。最初は同じベージュ地にピンク色の線にしたが、格子が目立ち過ぎる。今度はベージュを淡い桃色にし、線を白抜きにした。桜を連想させる画面にはなったが、年中用いるのはふさわしくない。桃色の地色をいろいろと変えて見たがどれも気に入らない。それで元のままにした。もっと大胆に全く違うデザインにすることも考えるが、気に入っているものをわざわざ変える必要もないかと思い直す。新しいものには力があるが、使い続けたものにもそれはある。そう言いながら、まだ10年ほどで、御室桜にはとうてい及ばない。昨日は福島県の滝桜が満開になっている写真をネット・ニュースで見た。いつか見に行きたいと思いながら、300歳まで生きるのでなければ見に行こうと決める機会がないか。
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by uuuzen | 2015-04-19 23:59 | ●新・嵐山だより | Comments(0)


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