●あべの・天王寺イルミナージュ、その3
を臨めるのが庭の理想と思うが、天王寺公園には広々とした水辺がある。市立美術館だけを訪れる人は案外それがあることを知らない。もったいない話だ。宣伝が足りないのだろう。



d0053294_1503626.jpgそう言いながら筆者もめったに慶沢園や茶臼山の方面には足を向けない。その双方に池があって、前者から美術館を見るとなかなか雄大で、西洋の風景に思える。カップルのデート・コースとしては一度は役立つと思う。今日は去年11月1日から今年2月1日まで開催されていたあべの・天王寺イルミナージュの最終回で、写真は2枚にしようか3枚にするか、まだ迷っている。それはさておいて、今日の最初の2枚の写真は池の畔に立って写したが、その池の名前は何と言うのだろう。美術館北側に広がる大きな貯水池で、慶沢園の池のように形に趣があるのでもなく、ただ小高い茶臼山の南に接し、その山へ向かう橋や山からこの池を見下ろせるのが慶沢園の池とは違って現代的でそれはそれでよい。だが、イルミナージュではその池の南西の一画までしか立ち入ることは出来なかった。茶臼山までイルミネーションで飾ることは無理があったのだろう。また橋をわたるのに危険で、事故があれば今後夜間の催しは出来なくなる。それで今日の写真はその池の南西に立って撮ったが、そこには写真に見るように電飾の船が浮かんでいた。これは何かを思うと、戦国時代にあった安宅船とのことで、軍艦だ。軍艦となればどうしても近代以降のそれを思うが、海に囲まれた日本であるから、軍用の船があったのは当然で、これが朝鮮の亀甲船とどのように性能が違ったのか、現在の韓国の造船業の盛んなことを思うと、船の性能の戦いは何百年も前からあったことに気づく。それはさておいて、天王寺公園にせっかく広い水辺があるからには、それもイルミネーションに一役買ってもらおうという発想は正しい。中之島でもイルミネーションのお祭りがあったが、大阪は水都であることを宣伝に努めていて、夜間は真っ暗で水か土かわからないところを、あべの・天王寺イルミナージュも水辺に反射する電飾は倍の効果をもたらしている。しばしうっとりと水辺に佇んだと言いたいところだが、何しろ真冬の寒い頃で、写真だけ撮って早足に順路を急いだ。最初の写真は池の南西角から東を向いている。ちょうど満月に近い月が昇っていたので、それを船と一緒に収めた。相変わらず青い忍者の電飾があるが、奥に赤い炎の電飾の並びが見えるのがよい。それは池から茶臼山へと至る橋に設置されていて、その橋の南端までは電飾の道が続いていて、そこから折り返して同じ道を戻るようになっていた。2枚はその折り返しで、1枚目とは反対に西を向いている。左手に順路が見え、奥にこちらを向いて仁王立ちしているのが家内だ。筆者が撮影場所を探しながらもたもたと歩いているのを、痺れを切らしていた。写真からわかるように、ほとんど人がおらず、池の畔は筆者らの貸し切り状態であった。多くの電飾を設置する費用と電気代の元が取れるのかどうか、それを心配しながら歩いた。やはり入場料1000円は大阪人は支払わないか。京都では今東山で花灯路が開催中と思うが、それは無料で、それなりに若者がたくさんやって来る。それも10年要してのことで、あべの・天王寺イルミナージュはまだ3年目であり、これからだろう。ただし、入場料は下がることはないはずで、お金を出しても見たいと思わせる豪華さが求められる。その代表は何と言っても神戸のルミナリエで、今なお電飾の祭りとしては関西では最も有名だが、阪神大震災の鎮魂の意味と、無料であるために人が集まりやすい。その点、あべの・天王寺イルミナージュはどういう説得力のある題目が掲げられているかだが、ま、なきに等しい。そこで南海トラフ大地震でも生じて大阪が大被害を受けたのであれば、同じ天王寺公園で同じような電飾がルミナリエのように有名になる可能性がある。だが、それを期待するのは不謹慎であり、また本末転倒だ。
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 そこでほかの宣伝文句を考えなければならない。それは「その1」の最初に写真を載せたように、出入り口のすぐ近くの聳えるラヴ・ホテルで、せいぜいそこで愛を育んでほしいという思いがあるのではないか。それと、これも「その1」に書いたが、公園内からよく見えるハルカスと通天閣だ。そのどちらを訪れてもらうのもよしで、せいぜいお金を使ってほしいとの考えだ。そう考えると、この電飾のお祭りは目算がよく見え透いていて、それはそれでいかにも大阪的で面白い。それにしては宣伝が少なく、大阪以外の人にもっと知ってもらうべきではないか。また、真冬だけではなく、真夏もどうか。夏なら涼みがてらに水辺ももっと楽しいだろう。そして最低10年は続けるべきだ。そのうちもっと人が訪れるようになるだろう。ただイルミネーションを見せるだけであれば、ほかにも同様の催しは多いから、あべの・天王寺イルミナージュでは大道芸人がひとり客を寄せていた。20代半ばの男性で、前にも書いたようにバスケット・ボールを使ってのはなれ技が、筆者らはほとんど最後の5分ほどを見ただけだが、客は40人はいたであろうか。何人かで交代で毎晩ひとりがやっていたようで、彼らは主催者に金を支払っているのか、逆に援助金をもらっているのか、それが気になった。たぶん無料出演だろう。そして収入は客から集める布施で、それはどれだけ客を喜ばせるかにかかっている。何年か前に八幡の背割り桜を見に行った時、その最終地点の堤の下で、同じように若い大道芸人が人を集めていた。今回もその時と全く同じ口上を最後に述べたが、それはいわば泣き落としで、みなさんからいただくことだけが生活の糧であるので、どうぞよろしくというものだ。また、金属ではなく紙が嬉しいとつけ加えることも忘れない。そして、その口上の1分前に全員を釘づけにする言葉と最後の見せ場を用意し、しかも客がひとりでも離れるとそれが伝染するので、最後まで見てほしいと釘を刺す。その一連の事の運びは、肝心の芸と同じかそれ以上に真剣なもので、また重要だ。最後まで演じた結果、必ず集金の器にお札を入れる人が何人かいる。筆者が目撃したのは、芸人の母親の年齢の女性が笑顔で伸ばしたお札を入れていた様子だ。それに釣られて何人かが同じようにたぶん1000円を小箱に投入していた。それはかわいい男性が懸命に仕事をしていることへの同情が大部分を占める思いによるが、そこには自分の息子も同じように苦労しているのではないかとの連想が混じっている。芸はまだまだ未熟だが、練習を重ねてこれから全国的、世界的に有名になりたいとも言っていたが、それは正直な思いで、誰しも嘘を感じないが、その希望がかなえられる確率はきわめて少ない。それで大道芸をいつやめてしまうのか、またその決定的は理由は何かを筆者はぼんやりと思った。若さに夢はつきもので、またそれはかなう可能性が大きい。それだけ努力出来るからで、齢を重ねるごとに失意を繰り返し、夢は萎んで行く。萎んで行きながら、そうとは思いたくなく、現在の自己を肯定したがるが、それはなるようにしかならないということがわかっているからで、結局何者にもならない場合が大多数だ。だが、そういう辛辣なことを若者に言ってはならない。しかも懸命に芸を磨いている芸人にはなおさらで、真剣な態度は夜のイルミネーション以上に眩しいではないか。さて、最後に迷っていた写真を載せる。先日「長屋門のそばで」と題して投稿した。その前日に「その2」を投稿したためで、その時点で今日の3枚目が念頭にあった。この写真は長屋門のそばで撮影した家内の最新のものだ。いつもは気づかれないように撮影しているのに、この写真に限り、門のそばに立たせた。マスクをしているので顔が半分見えず、背後で青く光る忍者みたいだ。この写真の載せようかと迷ったのは、家内がきっと嫌がるからだが、家内の目を忍んで載せる。どうせ顔がよくわからない。畔ではなくほとぼりが冷めた頃に見れば家内もいつどこで撮られたかわからないだろうし、また自分ではないと思うかもしれない。
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by uuuzen | 2015-03-21 23:59 | ●新・嵐山だより | Comments(0)


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