●北野天満宮梅苑五分咲き、その1
配が多少はある木の根に上がって背伸びすると、どうにか幔幕の向こうの茶会の様子が見えるが、筆者のカメラではズームしてもさほど大きく写らない。先日の25日、家内と北野天満宮に出かけた。



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梅が五分咲きであるとのニュースを前日の夜のニュースで知ったが、25日は恒例の縁日が開かれ、また天気がとてもよい。それで出かけることにした。毎年2月25日は天神さんに出かけているように思うが、家内は初めてではないにしても久しぶりとのことだ。去年まで勤務していたからだ。それから解放されれば毎日のように好きな場所に出かけてもよさそうなのに、家内は定期券を買う必要がなくなり、出かけることは却って激減した。定年退職した人はみなそのようになるのだろうか。収入が途絶え、心細くなり、外出の費用も考えることになるから、家に籠るのは普通のことかもしれない。25日は天満宮に行った後は伏見の息子のアパートに行くつもりもあったが、久しぶりに外出すると、バスに長く乗る気力が失せる。それでその日は帰りにトモイチに立ち寄って買い物をしただけにとどまった。さて、その日は写真を撮るためにカメラを持参したのはいいが、撮影しながら毎年同じような写真を撮っている気になった。参道左手の梅苑は昔何度か入った切りで、ここ10年は入っていないので、先日は入って写真を撮るつもりでいたが、ひとり600円の入苑料を見て家内はやめておこうと言った。ちょうどその時そばを通りがかった同じ世代の女性ふたりがこう言った。「大阪城の梅苑はもっと大きいと思うけど、あそこは無料だしね」。つまり、なかなか600円は払う気になれないということだ。その女性たちのそばを歩いていた高齢の男性は、「その上に立てば中は見えるで」と言いながら、門の石段を上がり、その際に進んだ。筆者もそれに倣ったが、やはり600円が惜しいのか、一眼レフのカメラをかまえた人が2,3人いて、梅苑を外から撮っていた。筆者もそうしたが、その写真は今日は載せない。梅苑内は梅の香りが漂い、また梅昆布茶の接待が確か無料であったはずで、風情がある。それを思うと600円の価値はあるのだが、ま、その日はすぐに昼をどこかで食べ、息子のアパートに行くつもりもあったので、梅苑内で時間を過ごす余裕はなかった。梅苑の出入り口に行くまでに、縁日の植木屋コーナーで時間を潰し過ぎたためでもあるが、そこで紅梅と白梅の苗木を買ったのはいつかと家内と話しながら歩いた。家内は5年ほど経つのではないかと言うが、先ほど調べると3年前の2月25日だ。筆者ひとりで出かけたのか、家内が一緒だったのか記憶にない。それはともかく、その苗木は今年はたくさん花を咲かせている。先日その写真を撮ったが、それも今日は載せない。なぜ植木コーナーに真っ先に向かったかと言えば、柿の苗木でも買おうかと思ったからだ。それに石灯籠を売っているかもしれないとも思ったが、これについては後述する。柿の苗木は見つからなかったが、いろんな椿がたくさん売られていた。ほしいのがひとつふたつあったが、わが家には大きな椿があって困っている。それで別のものがいいと思ったところ、レモンの実を4,5個つけた高さ1.5メートルほどの苗木が1本あった。値段を訊くと1万円で、家まで運んでくれると言う。京都でレモンが育つだろうか。あまり温暖でなくても、陽射しがよくなくてはならないはずだ。それにかなり大きくなるかもしれない。ほしかったが、衝動買いはよくない。どの程度大きくなるかもわからない。家に帰ってネットで調べると、高さ2メートルほどに抑えることは出来そうだが、幅もそれくらい必要だ。隣家の裏庭に植えられないこともないが、楓の隣りに植えて調和するかなと思う。ネット・オークションを見ると、同じ大きさの苗木が3000円で買える。やはり衝動買いしなくてよかった。レモンが駄目ならやはり柿かと思うが、これもネット・オークションでは2000円ほどで買える。高さ15メートルほどに育つそうで、わが家の狭い庭では無理だ。
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 かなり整理した庭なので、石灯籠のほかに新しい木を何か植えたいが、実のなる木が楽しいかと思う。柿は8年かかるので、実が収穫出来る頃に70歳になってしまうが、同じようなことを思いつつ、3年前に買った紅梅と白梅はすくすくと成長し、今年はたくさんの花をつけて楽しい。その梅の木に鶯が飛んで来るから、贅沢な話だ。話を戻して、筆者がレモンの木を珍しそうに眺めていると、売り手のおばさんは次々に珍しい苗木を奨める。筆者のことを「お兄さん、お兄さん」と何度も呼んでいたが、まさか「おじさん、おじさん」とは声をかけにくいからか。お兄さんと呼ばれる年齢をとっくに越しているのに、その女性は50代のようで、筆者がお兄さんの年齢に見えたのだろう。珍しい花をいくつか教えてもらいながら、庭木の奥深さを思った。筆者はあまりにも植木に無知で、育てやすいのがよい。柿なら放ったらかしにしても成長する気がするし、あの鮮やかな柿色が自分の庭で見られるのは気持ちがよい。それに鳥が実を食べに来るだろうから、それも面白い。やはり柿にしようと思いながら、どのような品種がいいかわからず、まだ買っていない。また話を戻すと、植木屋のおばさんはレモンの次に金柑を奨めた。その次も柑橘類で、御所に植えられているものと同じと言った。そこで筆者は棘だらけの枳殻を思い出し、それがあるかと訊くと、持って来なかったと言われた。枳殻は垣根にいい。金柑のような小さな実は出来るが、それならば金柑がよい。だが、その小さな実を思うと、貫禄のあるレモンがなおよい。レモンがいいと思ったのは、毎朝飲む紅茶に実が使えるからだ。自宅の庭で収穫したレモンで紅茶を飲むのはとても夢のあることだ。天神さんの縁日で馴染みの業者がいくつかあって、松山の道後温泉から徒歩15分ほどの山手に住む筆者と同世代の夫婦がいる。先日はその夫婦に挨拶だけしたが、筆者らは午後に訪れたこともあって、いつもたくさん運んで来る花や果物が全部売り切れていた。みかんやレモン、その他あらゆるものを栽培していて、それらを骨董品販売のついでに200円から300円程度の袋詰めにしてたくさん売るのだが、去年の3月だったか、レモンを買った。収穫が遅れて最後のレモンとのことで、5,6個で200円、しかも1個がかなり大きかった。育ち過ぎたとのことで、実際輪切りにしてみると、皮の厚さが1センチほどもあった。だが無農薬は信用出来るし、またおいしかった。その記憶があるので、植木コーナーでレモンの苗木を見つけた時に心が躍った。だが、松山の温暖と比べて京都は寒い。今年の正月のように雪が積もることもある。調べるとレモンは零下2,3度で枯れ死するそうで、たぶん嵐山では育てるのは無理に近いだろう。無理ではなくても、筆者には無理に近い。栽培の知識も愛情も乏しい。縁日の露店を一巡するのはいつものことだが、その夫婦の定まった場所から50メートルほど離れたところにいつも陣取るSさんの姿を見かけなかった。そこだけ空いた形になっている。その隣りが息子さんの場所で、早速彼に訊ねると、体調を壊したとのことだ。高齢であるからそういうこともあるだろう。Sさんの顔を見るのが半ば目的で出かける縁日であるから、休みと聞いてさびしい。Sさんの場所から北へ80メートルほどのところに、去年古い伏見人形を安く売ってくれた人がいるが、もう露店を辞めたのか、その後一度見かけただけで、違う人がその場所で骨董品を売っている。昔筆者は伏見人形を弘法さんと天神さんの縁日で買い集めた。その時の思い出はとても楽しいものとなっている。ネット・オークションを利用すればもっと安価で大量に買えるが、それはなぜかつまらない。なぜか。筆者は買った伏見人形はどれも売り手の顔を覚えている。それが懐かしいのだ。ネット・オークションではそれがない。コレクションは数を増やす楽しみと言う人があるが、筆者はそうとは限らないと思う。出会いなのだ。それは「物」だけではなく、それと不即不離の関係にある「人」も意味する。そのように思うので、金だけ出して大量に蒐集する人の気持ちがわからない。数を競っても意味がない。物は無数にあっても、本当に気に入るものはごくわずかだ。郷土玩具にしても無数にあるが、真に芸術性の高いものはほんのわずかだ。そしてそういうものからまたほんのわずかを、筆者に手わたしてくれる人との出会いが楽しいので、筆者は恋人と会うような気持ちになって弘法さんや天神さんに出かけた。それから10数年経ち、馴染みの顔が次々に消えて行ったが、Sさんは健在で、そのことがとても嬉しい。早く快復して元気な姿を見せてほしいものだ。
 さて、最初に書いたように、何枚か写真を撮ったが、以前のものと変わり映えしない。そして思い出すのは去年撮った写真だ。去年2月25日に梅苑に入ろうとしてその出入り口だけを撮影し、また本殿西の幔幕を張った内部の茶会内部を、幔幕の外に立つ大きな木の盛り上がった太い根の上に立って撮影した写真もブログに載せないままにヤフー・ボックスに保存したままだ。そこで今日は1年ぶりにそれらの写真を載せる。筆者にも1年前と思えないほど雰囲気がそっくりに見えるが、それを言えばもっと以前の写真も同じで、紅梅白梅の苗木を買った3年前に2月25日に撮影した同じ幔幕内部の写真を「紅梅の紅の濃度」に載せていることに先ほど気づいた。今日の、つまり去年撮影の写真は少し角度が違うが、大きなふたつの石灯籠で同じ場所だとわかる。この石灯籠は昔から気づいていて、切り絵の題材にしたことがある。最近筆者が石灯籠をほしいと思い始めたのは、紅梅白梅を植えて3年経ち、その切り絵にあるように、次は石灯籠と無意識に思ったからかもしれない。それはともかく、今日の写真を説明しておくと、最初は梅苑の出入り口で、今年はもう少し人が多かった。もっともそれは時間帯による。梅苑の全景がこの出入り口から見えることはない。ずっと奥は川沿いにたくさん咲いている区域があり、600円の価値はある。一度も入ったことのない人は経験するのがよい。2枚目は境内のあちこちにある牛の像で、説明は不要だが、白梅が五分咲きといったところか。3枚目は横3枚つなぎのパノラマで、これのみクリックで拡大画像が別画面で開く。左手に幔幕を張った区画がある。筆者はその内部に入ったことがないが、上七軒のきれいな芸妓が数人お茶の接待をしてくれる。入り口に西洋人を含めて長蛇の列が出来ていて、ひとり確か3000円であった。かなり高い気がするが、上七軒のきれいどころを目の当たりにするからには当然かもしれない。それにめったに2月25日に北野天神にやって来ない人は逃せない機会だろう。幔幕の外には望遠レンズをつけたカメラマンが何人もシャッター・チャンスをうかがっている。もちろん芸妓を写すためだ。筆者は最初に書いたように、名前は知らないが、樹齢100年以上の極太の木の根の上に立って、それらのカメラマンの背後を遠巻きに撮影する。その根は勾配はついているので、バランスを崩しそうになるが、去年も今年もどうにか芸妓の顔を収めることに成功した。それが4枚目だが、中央下に薄暗く写っている。不鮮明ながら、美女であることはわかる。同じ女性かどうか、今年はもう少し鮮明に撮影出来た。梅はこれからも咲くが、25日の縁日の賑わいが好きなので、また来年だ。それに、大阪城の梅苑は無料であるから、近いうちにそれを見に行くのもいいか。
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by uuuzen | 2015-03-01 23:59 | ●新・嵐山だより | Comments(2)
Commented by オミヤ at 2015-03-06 02:12 x
宇治に抹茶を買いに行くと石臼で体験させていただくことがあります。
石臼だと磨り潰す時に熱を持たないそうで、香りが飛ばないことや酸化しないそうです。
すり合わせた時の石が体に入るのは確かだと思います。
しかし「石」=「炭酸カルシウム」ですから、普段から食品に入ってますし、薬の錠剤などは七八分が炭酸カルシウムですし、
歯磨き粉にもはいってますよね。
機械じゃなくて石臼の方が練りも加わり口あたりもいいものですよ。
Commented by uuuzen at 2015-03-06 23:17
石臼が磨滅するのはやはりという感じですね。擦り合わせる断面は臼歯のように噛み合わせがうまく行くようになっているのでしょう。それが擦り減るとまた分解して溝を彫り直すのだと思いますが、茶臼は大陸からわたって来たのでしょうかね。西洋の風車は粉引きのためのようですが、それも臼を使っていると想像しますが、臼の発明と伝播には面白い歴史があるかもしれません。


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