●ムーンゴッタ・2014年12月
面を読んで鍵盤楽器で演奏するのが趣味というOさんであることがわかった。Oさんの名前は先週訊いて知った。最近はほぼ毎週金曜日に「風風の湯」に家内と行く。昨夜も行った。7時15分頃に行くことが多いが、昨日は30分早く行った。



d0053294_22264899.jpg寒い夜なので、少しでも早めに行って早く帰るのが湯冷めせずにいいと思うからだ。数か月前にサウナ室でふたりの年配者と親しく話すようになり、そのうちひとりは2,3回会った後、金曜日には来なくなった。あるいは時間帯を変えたのかもしれないが、会わなくなった。もうひとりは嵯峨在住の公家さんのような雰囲気の60代で、筆者より数歳上だ。いつもサウナ室で隣り合い、先週ようやく名字を訊ねた。「Oさん」とこことでは書いておくが、昨日はOさんの趣味がわかった。若い頃にフォーク・ソングが大好きで、作曲もしたそうだ。今でも楽譜集を買ってはメロディの研究のようなことをしている。昨日筆者はOさんより30分ほど早くサウナ室に入っていたので、Oさんが入って来た時にはもうほとんどサウナに充てるつもりでいた時間は残っていなかったが、話が弾んでいつもの倍、つまりOさんにすっかりつき合って話が弾んだ。それでいつもは40分と決めているのに、機能は1時間10分ほど入った計算で、風呂から上がって脱衣室では少し眩暈がし、鏡を見ると顔がますます青ざめて来た。若い頃に二度銭湯で失神したことが蘇った。どうにか服を着て玄関フロアに行くと、家内は筆者の顔を見てびっくりした。青白い顔は満月のようであったかもしれない。家内の顔は茹でた蛸のように真っ赤であるのに、筆者は血の気がない。それでも寒い外に出ると気分は元に戻った。「風風の湯」に向かうため6時45分に家を出た時、阪急嵐山駅の向こうの雲が全くない夜空にきれいな満月が浮かんでいた。「風風の湯」の玄関前に立って振り返ると、ライトアップされた玄関前の木の向こうにその月が見え、その様子を今まで撮影したことがなかったことに気づいた。明日も晴れであるはずで、その構図での写真を撮ることもないと考えた。それに、今夜が正しい満月だ。ところが今日は朝から出かけるつもりでいた。明日でもよいが、今日に決め、カメラを手提げ袋に放り込み、午前中に家内と大阪に出た。展覧会を見るためで、また3つをこなした。展覧会は年内は奈良でひとつ見る予定があるだけで、そのためだけに奈良に行くのはもったいないので、予定をいくつか立てているが、時間的にその半分しかこなせない。では奈良に二度行くかと言えば、12月は忙しい気がして一度でも精いっぱいだ。それはさておき、今日は展覧会を3つ見た後はもう月が上がっているはずで、今月の満月は珍しくも大阪で撮ることになると思うと、気分は躍った。どこで撮るか、その当てがなかったが、3つ目の展覧会は天王寺公園内の市立美術館となった。それを閉館の5時まで見た。するとその界隈で満月を撮ることになる。すぐに思い浮かんだのが、ハルカスだ。地平線に低く上っていてもハルカスなら建物に邪魔されずに見ることは出来る。最上階の展望台まで上がらずとも、ハルカス美術館が入っている階までは無料で上ることが出来るし、展望台と同じような眺めが得られる一画がある。そこから満月が見えないのであればもう諦めるか、月が高く上る夜9時以降まで待たねばならないし、そうなるといつものようにわが家の近くで撮影するしかない。都会ではビルが視界を遮り、よほど月が高く上らなければ見えないことが多い。その点、ハルカスは理想的だ。では毎月満月の夜はハルカスに行って撮るかとなると、それが可能であっても筆者はそうはしない。同じ写真が撮れるだけで面白くないからだ。となると、今日のハルカスから撮った満月の写真はもう二度とないと言ってよい。
d0053294_22264766.jpg

 薄暗くなった天王寺公園を出ようとする直前、激しい風が吹いた。その時間まで園内にいる人はごくわずかで、公園出入口の係員はハルカス側の出口の回転扉に鍵をかけていた。それで玄関に向かって左手から出たが、目の前に紫色に光る背の高い巨大なクリスマス・ツリーがあった。大阪は何年か前からイルミネーションで飾り立てる企画を続けていて、その一貫なのだろう。そう言えば園内に入ってすぐ、フェルメールの小径から美術館の玄関前までの道筋の両脇にびっしりとイルミネーションの準備がしてあった。茶臼山の真田幸村に因む六文銭の家紋模様や忍者を象ったもので、アニメーションのように姿を変える忍者は美術館前を越してまだ先に延びていたから、全部で数百個は設置されているかもしれない。だが、公園は5時で閉じられるから、そのイルミネーションが点灯しても誰も見ることが出来ない。公園の出入口前に地下街と通じるエレベーターがあり、それに乗ると大きなカメラを持った中年男性が声をかけて来た。筆者らが公園内から出て来たかどうかと訊くので、そうだと返事すると、納得したようなしないような妙な顔つきになったので、きっとイルミネーションのことだろうと考え、フェルメールの小径のそれは点灯されていないと言った。すると、同じエレベーターに乗っていた中年女性が「6時からですよ」と言った。紫のクリスマス・ツリーは点灯していたから、ひょっとすれば筆者らが公園を出てすぐにフェルメールの小径沿いの六文銭や忍者、それに提灯型のイルミネーションは一斉に点いたかもしれない。それにしても解せないのは、誰も通ることの出来ない時間帯になぜイルミネーションを灯すのだろう。あるいは夜間はそれを見せるのに特別に料金を徴収して園内を開放するのか。それはさておき、美術館を出た午後5時ちょうど、目の前にある通天閣が緑色に光っていた。家内にそれを指摘すると、クリスマスの色は緑と赤であるので、それに合わせているのかもしれないと言った。緑の通天閣は目新しい。今はLEDを使っていろんな色に瞬時に点灯出来るのかもしれない。公園の出口まで30メートルほどのところに来ると、突風に吹かれ、満月が見えるどころか雨が降るのではないかと心配した。というのは、出口の向こうのJR天王寺駅の上に広がる空には、とても厚く、暗い雲が覆っていたからだ。そう心配しながら前述したようにエレベーターで地下に潜り、ハルカスに向かった。ハルカス美術館の階まで上ると、もう空は真っ黒で、雲が垂れ込めていた東の空は晴れわたり、昨夜と同じ輝く満月が視界に入った。何度も書くように、毎月最初に満月を見ると、はっとさせられる。満月は想像以上に高く上がっていた。5時20分でそのような高さにまで上がるとは信じがたいが、遮るものがなくてよく見通せることが出来るから高いと感じるのだろう。先月も書いたと思うが、日没は山の向こうに確実に沈んで行くのをよく見かけるのに、東山から満月が少しずつ顔を出して行く様子を見たことがない。それが不思議だが、その時間帯は日中で、太陽の輝きのために見えないのだろう。それで月が充分見える暗さになった時は、すでに月はかなり上空に移動している。こう書きながらも本当のところは自信がない。というのは、真昼でも月が見えることがよくあるからだ。いったい月はいつ地平線から上って、反対の地平線に沈むのだろう。それを知るためにはハルカスの屋上で終日観察すればよい。
d0053294_22272557.jpg

 今日の1,2,3枚目はハルカス美術館の階にあるテラスから撮った。ちっとした植え込みがあって、ハルカスの東側にある。これが西側にあれば、上って来た満月を見ることは出来なかったし、また夕陽を見ることも出来ない。それを楽しむには1800円であったか、展望台に上がる料金を支払わねばならない。ハルカスの展望台は予想より人気があるらしいことを先日のTVで知った。今日も続々と人が展望台へ続くエレベーターに向かっていた。家内に言わせると、ボーナスが入って懐が温かいからだろうとのことだ。テラスに出るとかなり寒いが、ガラス1枚で外と接しているからには当然だ。1枚目は東北の角から撮ったが、どこに立ってもテラス内の様子がガラスに映り、それが写真に収まってしまう。ガラスが建物全体を覆っているので、その反射を避けることが難しく、屋上の展望台で満月を見ても同じではないだろうか。テラス内を移動しながら10枚近く撮り、意図したとおりに写ったものを選んだ。1枚目は右下に緑色に光る通天閣が写っている。通天閣は筆者の背後にあるから、これはガラスへの反射だ。この写真の建物の光は、東方面に実際に見えているものとガラスに反射する西方面とがだぶっていて、実際にはこの写真のように街灯りは見えない。そう思うと天王寺、阿倍野の街の明かりはかなり少ないように感じる。梅田に比べればそうかもしれない。満月の周囲に雲が少し散っているが、20分前に天王寺公園内から見た時はその数百倍はあった気がする。突風が吹いていたので、それが雲を一掃したのだろう。2枚目は天王寺公園前の広場で、中央に紫色に輝くクリスマス・ツリーが見える。公園への出入り口は写真左端下で、櫛の歯状の柱が見えている。その斜め右上にオレンジ色に光るイルミネーションの紫禁城の門のような口が見える。そこからフェルメールの小径につながるが、筆者らが美術館から出てその小径をたどった時、その口はロープが張られて閉ざされていた。エレベーター内で6時からですと声をかけた女性の言葉どおり、6時からそこから公園内に出入り出来るのだろう。ただし、慶沢園は来年3月まで工事中で入ることが出来ない。そこは広大な林になっているうえ、イルミネーションはないから、カップルがいちゃつくには最適の場所で、それはまずいと考えたのだろう。そのため、フェルメールの小径と美術館前辺り、そして新世界へ抜ける美術館前の道程度が往来自由となるのではないか。その小径に戻ろうかと家内に言ったが、寒い中を戻るのは嫌がった。それでどんな色にイルミネーションが光るのかはわからない。3枚目は1枚目より少し南で撮った。ほんの少し移動するだけで背後にある物の反射が変わる。上空へ向かって林立するイルミネーションはテラス内の木立に巻きつけられたものだ。これが実際に街中にあるとすれば、ハルカスのように背が高い樹木でギネスものだ。4枚目はハルカスを後にしてJR環状線で天満駅まで出て、いつものようにスーパー玉出に行った際、その店の前から撮った。時刻は6時30分で、1時間ほどで月はもっと高く上った。月の移動を楽譜にするひとがいたが、午後6時半ではこれからまだ音が高くなって行く途上にある。そんな時に、湯船に浸かっているような温かい場所でおいしいものを食べると楽しいが、筆者らが向かったのはいつもの紅茶専門店のパン食べ放題だ。
d0053294_22271958.jpg

[PR]
by uuuzen | 2014-12-06 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編) | Comments(0)


●『野口久光 シネマ・グラフィ... >> << ●『曾我蕭白 鳥獣画の探求』
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
何年も前に書いた文章に感..
by uuuzen at 16:20
はじめまして。興味を引く..
by 文学座支持会元会員 at 11:15
最近あまりに多忙で録画は..
by uuuzen at 15:31
唐突に失礼いたします。ど..
by タイタン at 14:59
暴力事件は訴えても警察が..
by uuuzen at 15:11
地下鉄の件事件になります..
by ネイル at 19:07
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
漢詩や篆書など、中国のサ..
by uuuzen at 12:57
サーチしました所、ビスタ..
by インカの道 at 11:38
最新のトラックバック
http://venus..
from http://venusha..
ファン
         ブログトップ
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  © Copyright 2017 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.