●嵐山中ノ島復旧、その23(桂川左岸)
狗肉を売るような調子になっているこの「嵐山中ノ島復旧」の題名の投稿で、肝心の羊の頭としての「嵐山中ノ島」の復旧についてはまだ工事が始まらない。それで今日は苦肉の策として題名とはそぐわないが、中ノ島からずっと下流の工事の様子に写真を載せる。



今日撮ったものだ。松尾橋から見えるはずの河川敷にトラックが下りる坂道もまだどこに設けられるかわからないが、少しずつ桂川の復旧工事は始まっていて、下流から上流へと進めるようだ。その最も顕著な現場がおそらく今日載せる写真で、桂川左岸すなわち右京区にある嵯峨芸術大学前から少し下流のラブ・ホテル前付近までの土手を整地している。今日はその様子がその後どうなったかが気になって、「風風の湯」の前から始まる自転車道路を走って護岸工事の様子を確認しに行った。その工事の全体を撮影するには対岸である西京区から臨む方がよい。ただし、工事の様子が小さく写るのが難点だ。洪水で崩れた土手の整地なので、別段変わったことをやっていないようで、写真はその意味での羊ではなく、狗の肉のようだ。とはいえ、せっかく撮って来たので使うことにする。右京区側の土手がこのように大きく工事をしているのに、筆者が住む西京区側は何もしないのかと言えばそうではない。何度も書くように、右京区の現在工事をしている区間は水の流れが激しくぶつかって土手がえぐられた。それは土手が脆くなったことであり、同じような洪水があれば今度は決壊するだろう。そこで元どおりにしようということだ。それと対になるのが西京区側の現状だ。水流が衝突してえぐられた堤防の土砂は下流に運ばれ、堆積した。それが松尾橋周辺に高さ3メートルほどの台地を築いている。その土砂を運んでえぐり取られた堤防に埋めればいいと思うが、右京区と西京区との区別があるためか、あるいは堆積土砂をそのまま堤防の補強には使えないのか、堆積土砂はそのままで右京区の土手の工事が進んでいる。また、堆積土砂は渡月橋のうんと上流から運ばれて来たものもかなり混じる。そのため、洪水で削り取られた量より多いはずで、いわば松尾橋周辺はそれより上流で削られた土砂の大規模な溜まり場になっている。このまま放置すると、千年後には桂川の流れはもっと蛇行がきつくなる。嵯峨芸術大学辺りは川となり、その対岸の西京区は面積が増え、新たに家がたくさん建ち、人口が増える。1万年ほど経てば中京区も消滅し、桂川と鴨川が合流する。そして京都の中心は西京区ということになるはずで、それもまた面白いのではないか。そんなことを想像するのは、西京区は東西は幅がとても狭く、南北に長いからで、山と桂川が接近し過ぎるからだ。そのため、大雨が降ると、崖崩れと浸水の心配がある。さらには樫原断層が走っていて、地震にも弱い。これは人が住むところではないという意味で、それで江戸時代では西京区の地域は人口がとても少なかった。今でも西京区は地の果てというイメージがあって、また山が迫っているので日が沈むのが早く、陰気さが漂っている。何だかいいところなしのようだが、その洛中らしさが皆無なところがいいとも言える。それは京都らしくないという意味で、どこにでもある田舎風ということだ。そんな田舎の北の端に嵐山があり、その陰になる小さな地域がわが自治会だ。嵐山という景勝地がなければ、すなわち嵐山が現状を保たなければ、観光客はやって来ず、さらに陰気な地域となる。1万年先にはそうなっているかもしれない。嵐山周辺は変化がないと思っていても、それもわからない。上流に日吉ダムが出来てからは、渡月橋より1キロほど上流では川底の濁りが早くなり、生態が変わって来ているそうだ。川はつながっているから、上流にダムを造れば下流が変化するのはあたりまえだ。ダムを造るといいことばかりのように思うが、そんなはずがない。どんなことでも利点と欠点がある。そして欠点は必ず隠される。その隠されたことが長年の間に少しずつ大きくなって人々を脅かす。ダムはいつか湖が埋まるし、そうなれば砂防ダムと同じようになって、土砂が溢れ始める。そうなった時はダムの下流は想像を絶する被害を受けかねない。堰き止めていたものが機能しないのであるから、誰でも大雨の時にどんなことが起こるかは想像出来る。だが、そんな遠い将来を人間は考えていない。政治家はせいぜい自分が生きている間だけ、自分の成果を吹聴したがる。無責任の代表だ。
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 自転車道路を走りながら、対岸に青いビニールシートが見えて来た。そこで撮ったのが最初の写真で、ズームを最大にした。この写真に見える土手は罧原堤と呼ばれ、アスファルト舗装となったのは戦後もかなり経ってからだろう。今は四条通りを嵐山に向けて走って来るバスや車がここを通る。写真ではそういう観光バスが2台写っている。下流の松尾橋に向かっているのは、もう観光を終えたからだ。撮ったのは午後3時過ぎで、もうその時間になると帰り客がほとんどだ。また、少しでも早く嵐山を出発しなければ渋滞に巻き込まれる。罧原堤は紅葉のシーズンは渋滞でとんでもないことになる。なぜ松尾橋を西にわたって、物集女街道を北進しないかだが、そこは観光客が溢れる頃は南下のみの一方通行となる。だが、裏道がある。旧街道だ。それは松尾橋をわたって松尾大社の大鳥居をくぐって直進すると見えて来る二番目の鳥居前を右折する。そして山裾をくねくねと走ると、渡月橋南詰めに出て来る。道が細く、また直線の物集女街道より倍近い距離があるが、車の往来がほとんどなく、走りやすい。それはさておき、罧原堤が舗装されない頃、映画のロケがよく行なわれ、東海道の街道になぞらえられた。松も多かったようだ。渡月橋に近づくと、土手には桜並木もあった。それが今では護岸保護の観点から植樹されず、松どころか桜もない。全く殺風景とはこういうことかというような景色で、筆者はこの堤を渡月橋に向かって歩くことはない。自転車でもめったに走らない。たまに走るのは、嵯峨芸術大学と隣り合う西郵便局に行く時で、嵯峨芸術大学前から南の松尾橋に至る区間は自転車で走ったことがここ30年はない。映画のロケで頻繁に使われた道が、今は観光バスと車が走る道となっている。朝や夕方には散歩やジョギングする人が目立つが、右京区ではその堤しか景色がいいところがないからだ。最初の写真の話に戻ると、2台のバスを挟む形で、大きな2棟のマンションが建っている。手前の方は10数年前に出来たはずで、それがない頃は空地か畑であった。もちろん奥に見えるマンションもそうで、罧原堤から見下ろす一帯はこの半世紀で家が密集した。まだ空地はあるが、年々家が建ち、たまに筆者は自転車で走ると、袋小路に入るなどして面食らう。西京区側が前述のようにもともと土地が狭く、わが自治連合会の区域ではもはや田畑はごくわずかで、住居地域は飽和状態にあると言ってよい。つまり、人口増加がもはや見込めない。それに引き替え、対岸の右京区の罧原堤下は今後はもっと家が建つから、重要度で言えば西京区の比ではない。それで、最初の写真のような護岸工事が行なわれている。よほど強固に施工しなければ、堤防が崩れた場合の被害は西京区側の何倍にもなる。そして、堤防の強度を小さくする桜の木はとんでもない邪魔者で、今後も植えられるはずがない。これは前にも書いたが、何年か前、罧原堤下の自治会が殺風景な堤防を昔のように桜で覆おうと決め、勝手に苗木をたくさん植えた。国交省は激怒し、それらを全部引き抜かせたそうだ。「命の次に大事なのは財産でしょう」ということで、その言葉の裏には、「きれいな景色は犠牲にしても仕方がない」との考えがある。桜は河川の土手に植えるものではないという意識が今後は常識化するはずで、西京区側の土手にあった桜も枯れかけるとすぐに伐採される。さて、2枚目の写真はクリックすると拡大するが、左岸の護岸工事の全景が見える。現在はこの写真以外では工事はしていない。10トン・トラックが罧原堤を往復し、松尾橋東詰めを左折して東に走っている様子を先日目撃した。紅葉狩り客を乗せた観光バスが大挙する直前までそれは続くはずだ。そうそう、これらの写真を撮っていると、前方すなわち松尾橋方面から作業服姿の男性が小さな黒板とカメラを持って自転車道路をゆっくりと歩いて来た。ところどころで立ち止まっては撮影していたが、右岸に堆積する土砂を浚渫する前に現状の様子を記録しておくのだろう。ということは、いよいよ右岸側の工事も始まりそうだ。まずはその前に伸びた羊の毛を刈り取るように、葛などの雑草をなくすはずで、それはすでにわずかな一部が済んでいる。

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by uuuzen | 2014-11-06 23:59 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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