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●緑のタペストリーと絨毯、その23
戒の気分と言えばよいか、昨日の朝9時過ぎ、筆者は赤い自治会の旗を両手で前に支えながら、100人ほどの行列の先頭に立って桂川沿いを40分ほど南に歩いた。厳格な軍隊の旗振り役と言いたいところだが、大半は70近い高齢者だ。



●緑のタペストリーと絨毯、その23_d0053294_095732.jpg哨戒などという勇ましい言葉は似合わず、傍目には先日見かけた華やかな斎宮行列とは見事に対照的で、よぼよぼ集団に見えたかもしれない。防災訓練というので、誰しも普段より地味な格好であるからなおさらだ。高齢者が地味な色の服装であると、なおさら高齢に見えてしまうが、どうして日本では高齢になるほど目立たない服装となるのか。目立ちたくないのだろうか。それもあるが、そう思う一方で、目立ちたいとも思っている。高齢者は複雑なのだ。それはさておき、とある小学校の校庭で西京区の総合防災訓練があったのだが、わが自治会からは7名の参加割り当てが来た。その人選を筆者が引き受け、選ぶのに往生した。筆者が先頭を歩いたのはわが自治会が14の自治会の中では最北に位置し、また旗は常にわが家にあるからだ。この旗は会長もしくは防災委員が所有すべきなのに、家にそのようなものを置く場所がないと、今年4月に筆者はそのふたりから断られた。それで隣りの空家に保管している。14の自治会全部で100名の参加で、別の地域の自治連合会からの参加もあって、昨日は五百人ほどが狭い校庭の片隅に集ったのではないか。旗をかざしながら先頭を歩くのは初めてのことではないが、後ろにたくさんの人が続くのは何となく気分がよい。ただし、正確に言えば筆者の前に若い警察官がひとりいて、筆者は二番手だ。だが、途中でその警官は後ろに回ったりしたので、筆者が先頭であったという表現は全くの嘘ではない。筆者は歩くのが早いが、昨夜は警官に合わせた。その警官もどちらかと言えば早い方で、小学校に着くと、先日の「斎宮行列、その2」で書いた仏像を彫っているOさんは文句を言った。筆者はOさんの倍近く歩くのが早いようだ。Oさんは筆者と同じ年齢だが、還暦を越えると体力に差が出て来る。体力だけではない。気力、金力、肝力など、若い頃にはさほど目立たなかった差が歴然として来る。だが、体力はあるが気力は少ないという人もあって、何もかも人並み外れているのは珍しい。それはさておき、昨日も小春日和、インディアン・サマーの言葉にぴったりの快晴で、運動場での消防署や警察の訓練の様子を眺めながら、背中がとても暑かった。テント内にたくさんの床几が設けられていて、その最後尾はテントの外にあり、そこに筆者やOさんらは並んだからだ。その代わり、筆者らのすぐ後ろにペット・ボトルの飲み放題の茶があって、それを何度も飲むには最適な場所であった。また、防災訓練であるので、これは不謹慎かもしれないが、Oさんとはずっと仏像や伝統工芸の話をして楽しかった。Oさんはわが自治会に16年ほど前から住んでいると知ったが、話をしたのは今年3月が初めてで、その後は地蔵盆などで徐々に話をよりするようになり、昨日はこれまでで最もたくさん話をした。組合などに所属して名を売ろうとすることが嫌いなOさんで、そういうところは筆者とよく似ている。Oさんとの話でいろいろと面白いことがあったが、今日はそのことは書かない。題名とはあまりにかけ離れてしまう。
●緑のタペストリーと絨毯、その23_d0053294_010461.jpg 「緑のタペストリーと絨毯」と題して、たいていは蔦の繁茂の写真を載せている。この題名で3,4日前に投稿しようと思いながら、そうしなかった。それは、その日に選んだ蔦の写真が今日の4枚とは別のもので、何となく縁起が悪いように思えたからだ。それらの写真はどれも壁にわずかな蔦が生えているもので、壁いっぱいになるには数年はかかるだろう。このシリーズ用にそのような状態の写真も撮り溜めている。それがなぜ縁起が悪いように思えたかと言えば、家内の肺に出来た腫瘍を連想させるからだ。わずかに見える蔦は放置すればやがて壁を覆い尽くす。家内は今月末に腫瘍を取り除く手術を受ける。そのことがわかっているのに、これから勢いよく繁茂する状態にある蔦の写真を使っては縁起悪い。それで、「緑のタペストリーと絨毯」の投稿をしないでおこうと思ったが、今夜はもう時間があまりない。それで半ば仕方なく、一旦思い留まった投稿をすることにした。ただし、写真は違うものに代える。そして、今日この投稿をするのは別の理由がある。実は今日も天気がよかったので、庭木の手入れに4時間ほど費やし、その際蔦をすべて取り除いた。わが家にもわずかだが蔦が何年も前からブロック塀に繁茂している。今日知ったが、それが2階の壁まで侵出している。これはまずい。早期に始末をしなければならない。そう考えてまず蔦を取り払った。手が届かない箇所は南天の長い枝を何本も持っているので、その中でも2メートル以上ある最長のものを使った。南天の枝は何となく難を避けてくれるようで捨てる気になれないのだ。そのため、2メートル程度のものが10本ほどある。あまり増えて置き場所に困るので、もう溜め込まないつもりだが、南天の枝というか、幹はなかなか感触がよく、使い道がある。そうそう、今日庭の手入れを徹底的にやる気になったのは、やはり家内が入院するという大きな出来事を前にして、何となく周囲の翳りをなくしておきたいと思ったからだ。それにはさらに理由がある。実は今朝隣家から呼び出しがあった。隣家とわが家の間に蛇がいると言うのだ。筆者は蛇はあまり怖くない。ムカデの方がまだ苦手だ。だが、世間では蛇は大変嫌われている。隣家の言葉にしたがって庭に出ると、狭い隙間にベージュ色の蛇が見えた。南天の棒ではなく、直径1センチほどの中空の鉄パイプがあったので、それでつついてみた。すると蛇はこちらを睨んだが、その両眼がかわいらしい。さらにつつくと、どさりと地面に落ち、それから姿を隠した。たぶんわが家の洗濯機やスチール製の物置の背後にいる。そしてその付近に蔦が生えている。蔦は湿ったところが好きなようで、そこは蛇も大いに好む。蛇退治には失敗したので、せめて蔦を払い、またそのほかの樹木も徹底的に枝葉を間引くことにした。その作業に熱中するあまり、4時間があっという間であった。それを言えば昨夜の投稿を思い出す。一昨日は半年ぶりに北野天満宮の25日の縁日に出かけ、そのことをブログを書きながら反芻すると、半年という月日がまるで数日程度に思え、本当にぎょっとした。高齢になるほど時の経過が早いように感じるとは筆者が20代の頃に年配者から聞いたが、全くそのとおりで、しかも何という成長のなさで、それどころか衰退ばかりを自覚する。そのことをOさんも言っていた。
●緑のタペストリーと絨毯、その23_d0053294_0103327.jpg

 わが家の蔦の写真は撮ったことがない。撮るほどに見事に生えていないからで、その雑な生え方はこれを書く3階の部屋の中と同じで、主が雑な生活をしていると、生える植物もそのような様相を呈するらしい。これはあたりまえで、飼い犬が飼い主に似るのと同じことだ。庭の手入れをすると、風がよく通るようになったと家内が喜んだ。これから晩秋、そして冬になるので、風の通りがよくなると寒くてまずいと言うと、家内はそれとこれとは違うと言い返した。庭が密閉され気味であると、空気が籠り、苔が生えやすくなって、家の内部の湿気を増やす。たぶんそうだろう。そして家の中に湿気が溜まると、人間の体内もそうなりがちで、特に肺に悪い。家内の肺の腫瘍はわが家の庭の雑然さ、空気の通りの悪さに遠因がなきにしもあらずだ。そう思うと、庭の清掃に熱が入り、まだ数日は費やして、気になっている箇所を全部徹底的にきれにするつもりになった。筆者は行動すればまことに速いが、そうなるまでがなかなかで、時には20年、30年もかかる。それは自慢出来ることではない。庭の木々は放置すれば成長するばかりで、また少しずつ大きくなるから、他人から見ればよほど不細工な格好になっていても気づかない。何でも伸び放題はよくない。それはさておき、今日の4枚の蔦の写真はどれも壁の大半を覆っている。そのことを建物の所有者は気づいているはずだが、もう除去するのがとても面倒なほどになっているので、ずるずるとそのまま放置し続けているのではないか。最初の写真は阪急岡本駅で、去年夏、各駅停車を待っている間に撮った。先日も同駅のプラットフォームに降り立って同じ繁茂状態を確認し、写真も撮ったが、去年の撮影と差がわからないほどで、それで去年のものを残して先日のものは消去した。2枚目は1枚目の右手の続きだ。5階建ての鉄筋コンクリートのマンションかアパートの北面がこれほどに蔦で覆われていても、生活には支障が出ないだろう。蔦はそのように、人の邪魔にならないようにこっそりと忍び寄り、いつの間にか全面を支配する。3枚目は阪神の岩屋駅だ。これは擁壁で、除去するとすれば阪神電鉄の役目ではないだろうか。あるいは擁壁の上の道路を管理する行政だ。見事な繁茂で、灰色のコンクリートよりかは眺めがよい。これも去年夏に写したが、いつ見ても同じような状態だ。4枚目は先日阪急の御影駅近くで見かけた。民家の塀がまるで一幅の絵のようで、なかなか味わい深い生え方だ。よく見ると、蔓の先端が哨戒の役割をしながら、縦横に成長していて、織物のようになっている。それだけ頑丈に繁茂するということで、蔦を侮ってはならない。こっそりと忍び込み、気づけば絨毯かタペストリーのように覆っている。癌細胞もそのようなものだが、蔦を癌にたとえるとかわいそうか。
●緑のタペストリーと絨毯、その23_d0053294_0111767.jpg

by uuuzen | 2014-10-27 23:59 | ●新・嵐山だより(シリーズ編)
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