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●梅田スカイビル、その1
判的なことばかり書いている気がするが恨みがあってのことではない。地価が高い都会で緑の確保が困難であるのは承知している。それにしても昨日取り上げた梅田スカイビルでもらって来たチラシは最初に「都市緑化で関西を元気に!」と副題がまずあって、その下に「花と緑のカフェ」と本題が印刷されている。



●梅田スカイビル、その1_d0053294_0345121.jpg

都市緑化で関西が元気になるのかどうか。また今は関西が元気でないのかどうか筆者にはわからない。この場合の「元気」とはだいたい意味していることはわかる。つまり経済が活発で儲かっていることを指す。そのことと緑化は相反すると思うが、新しく緑化地帯を造って人の動きを活性化させようという考えだ。つまり、人に来てもらわねばならない。そして来てもらうからには工夫が必要だ。どこにでもあるような緑地では駄目で、デザインが重視される。田舎に行けば無料でいくらでも見られるような自然では面白くない。それにそんな自然を切り取って再生することは無理だ。底で建物に付随するような形で区画も明確化し、施工会社が建物を造るのとさほど変わらないような工事を必要とさせる。完全に人工的な緑地であって、その疑似自然を楽しむのが格好いいという雰囲気を作り上げる。ま、庭園にも2種あって、フランスのように植生の区画を幾何学的に整備したものと、イギリスのようになるべく自然そのままを感じさせるものとがあるが、スカイビルは前者だ。そうは言いながら、歴代の王が膨大な手間と費用をかけて作ったようなものではないから、昨日書いたように仮設の雰囲気が漂っている。これと同じことは別のカテゴリーに先日書いた。わが自治会内に出来た温泉の玄関周りには庭があってツツジその他の木が植えられているが、芝生の箇所も含めて、抜いても抜いても雑草が生え出て、日に5センチほども伸びる。まだ植えられて1年経っていないからでもあろうが、高さ50センチほどのツツジの列はせっかくの満開の時期にあちこちがすっかり枯れて茶色の枝ばかりになっている。水やりを欠かさず、また雑草をこまめに抜けばそんなことはなかったはずだ。ツツジが植わっている根元に雑草が繁茂し、それにすっかり栄養を取られてしまった。雑草を引き抜くと、ツツジの根までごっそりついて来る。そのツツジは縦横30センチほどの土ばかりではない何か繊維のような塊に苗木が植えつけられている。その繊維状のものはやがて周囲の土と同化するはずで、もうその頃にはツツジは雑草に負けないと思える。ところがツツジの苗木よりも勢力旺盛な雑草がいくつもあって、それらがその繊維状の塊の中に根を張る。それで雑草を抜くとその塊が一緒に持ち上がる。ツツジはすっかり茶色になっているので枯れているのだろう。それをどう再生出来るのか出来ないのか筆者にはわからない。この繊維状のブロックはスカイビルの東面に出来た「希望の壁」「蝶の壁」と呼ばれる緑の壁の構造単位でもあるはずで、それで昨日書いたように筆者はそこに雑草が混じるのではないかと心配する。庭は金がかかる。むしろ作ってからがそうで、維持管理が問題なのだ。放置するとすぐに荒れて、ない方がましと思われかねない。なので、半年経った「希望の壁」を喜ぶのはまだ早い。これからが肝心で、維持管理をしっかり続ける覚悟が積水ハウスにあるのかどうかだ。
●梅田スカイビル、その1_d0053294_035637.jpg スカイビルは当初も今も「空中庭園」と呼ばれている。その意味が最初筆者は理解出来なかった。庭園と呼べる緑がなかったからだ。あったかもしれないが、目につくほどではなかった。その反省から少しずつ周囲に緑地を増やして来たのかもしれない。となると、「希望の壁」は最初の計画に入っていなかったとしても、理念に沿ったものであるだろう。だが、「空中庭園」と呼ぶからには、緑は空中にほしい。ビルの屋上で今は蜜蜂の箱を置いて蜜を得ようとする時代であるから、ビルと緑はかなり馴染むものになっている。まさか高層ビルの屋上に高さ10メートルにもなる樹木を生やすことは無理でも、数十センチ程度の深さの土ならばどうにかなるだろうし、そこにちょっとした花を育てることは出来る。そういう時代になっているのに、スカイビルの本体には緑のかけらもない。ではなぜ「空中庭園」と呼んだかだが、庭園は必ずしも花は必要ないとの考えだろう。枯山水の庭も庭園であり、植物は庭には二次的なものとの主張だ。それにガラス張りのふたつの搭をつなぐ形のビルのどこに土を持って来て花を咲かせるかとなると、外観はまず無理で、内部にどうにか観葉植物程度というのが現実だ。また、植物も空中にわずかばかりに用意された土の中で育つのはいやだろう。風も強く、蝶や鳥が飛来出来ない。それで「空中庭園」とは言うものの、庭らしきものはどこにもないというのが、四半世紀前に筆者が訪れた時の印象だ。それからこっち、時代は多少変わり、やはり緑がほしいということになったのだろう。「空中庭園」は「空中から見下ろす庭園」の意味であると言い訳めいたことも唱え得るし、スカイビルがまた新たな名所となったとの宣伝にもなる。これは東方にグランフロントが建ち、それにある程度は対抗する意味合いもあったのだろう。緑の壁を提案した安藤忠雄にすれば、グランフロントより一歩進んだ姿がスカイビルにはあると言いたいのかもしれない。さて、今日も何について書こうかさんざん迷った。それで先ほど撮って来た写真を整理しながら、昨日の続きがいいと考え、スカイビルの地上の様子について触れることにした。グランフロント西の地下歩道をくぐって地上に出るとすぐ目の前にスカイビルがある。まず目に飛び込むのがいろんな花を植えた花壇だ。その写真を今日はまず載せる。この植え込みは先日投稿した天王寺公園内の植え込みを思い出させた。ビルの高さは人間の寸法をはるかに超えているから、高低にはあまり関心が持てない。人は基本的には地表を歩き、目線の高さより下のものに目が行く。そしてきれいなものであれば心が和む。花壇はそういう役目を負う。この植え込みがスカイビルが建った当初からあるのかどうか知らないが、あったとすれば四半世紀前に筆者は気づかなかったことになる。そしてこの年齢になって花により関心が湧いたということだ。スカイビルはイギリスの雑誌で世界の有名建築ベスト20のひとつに選ばれたというが、確かに筆者が先月訪れた時は中国人らしき若いアジア人の姿がたくさん目についた。彼らはみな展望台に上るのが目的で、最初に迎えてくれる花壇に気づくかどうかだ。花壇は普通なので気づかないにしても、緑の壁は目に留まるはずで、そのために「関西を元気に」というキャッチコピーをチラシに印刷したのだろう。それに緑の搭の近くに並ぶ換気機能を持つ直方体の搭もまるで苔が生えたように緑まみれで、目に楽しい。これは高層ビルであっても、肝心なのはせいぜい目の高さまでで、そこを緑豊かにすると、建物全体の印象が変わることを意味しているだろう。となると、蔦をビルの壁全面に這わせる必要もないか。
●梅田スカイビル、その1_d0053294_037247.jpg
 スカイビルに行ってみようという気になった理由のひとつにガラス張りの搭的な棟をつなぐ屋上部分に円形の穴が開いていることで、その様子を真下から撮影したかった。それは半ばシリーズ化している「○は○か」に投稿したかったからで、それにスカイビルは昨日の「緑のタペストリーと絨毯」のシリーズにも関連していて、このブログにとっては収穫が大きかったと言わねばならない。スカイビルの外観の最大の特徴になっているこの屋上の丸い穴の中心は地面に印らしきものがあって、すぐにわかった。何か催しの準備をしていたが、幸いその地点は筆者が立っても邪魔にはならなかった。屋上の円形に合わせて地上に同じサイズの円を記せばよいのに、四角い石が全面に貼り詰められているだけで、屋上の円と呼応する工夫はない。たぶんここだろうと思える円の中心地に立って見上げて撮ったのが今日の3枚目だ。斜線が2本入っているのはエスカレーターで、四半世紀前にこれに乗った時、とても長いと感じた。今回もそうではあったが、同様の長さのものは大阪駅ビルにも設けられ、珍しくなくなっている。写真を見てわかるように、この2本のエスカレーターは平行でない。平行ならば退屈なデザインになったからか。筆者は今もこの2本のエスカレーターはもっとどうにかならなかったのかと批判的に思う。せっかくの大きな円形の穴が2本の斜線で遮られて台無しになっていると感じるからだが、円形をすっきりと見せることにさして意味はないと設計者は考えたのかもしれない。構造的には円形の周囲を歩いて双方の棟に行き来出来るはずで、エスカレーターは必ずしも必要ではなかったと思う。だが、それを利用することによって空高くを歩いている気分になれるから、展望台に大勢の人が来てもらうには役立つ。世界の建築20に選ばれたのもこのエスカレーターから見下ろす景色がいくらかは効果があったのだろう。筆者ならこの2本を円の中央に並べる。写真にはその中央線が写っているが、これは屋上ではなく、建物の中間の高さに設置されている連絡橋だ。それと重なって見えてもよいし、また垂直になってもいい。垂直ならば丸に十字のシルエットになって島津の宣伝になって具合が悪かったか。丸に縦線であれば天気予報の晴れの記号で、スカイビルを訪れて真下に立つ人はポジティヴな思いになれるのではないか。現在は丸にNかZを連想させ、美しくない。また、天気や時間帯によってどれほど違うのか知らないが、想像したようにはこの見上げる円の写真はきれいには写らなかった。展望台にどうして上るのか少し戸惑ったが、1階にそれを示す文字があった。また、円の中に173と書いたマークが足元にあって、これは高さ173メートルであることはすぐに想像がつく。円はもちろん屋上の丸い穴だ。スカイビルに行ってみようという気になったもうひとつの理由はあべのハルカスに上ったからでもある。大阪の北を代表するスカイビルからハルカスを眺めたかったのだ。その話は次回にする。昨日の2枚目の写真との比較と次回の予告を兼ねて、屋上庭園から撮ったグランフロントの写真を載せておく。最下段に見える剣山らしき列は鳥避けだ。170メートルの高さに飛んで来る鳥がどれほどいるのか知らない。また、そんな鳥がたくさん飛んで来られるほどにスカイビルやその周辺が自然が豊かで餌に困らないだろうか。この針山は筆者にはスカイビルの自己批判に見える。
●梅田スカイビル、その1_d0053294_035465.jpg

by uuuzen | 2014-06-09 23:59 | ●新・嵐山だより
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