●嵐山駅前の変化、その323(マンション)
々する」か「湧々する」のどちらがふさわしいのだろう。大阪の29歳の女性が殺害されて八王子で見つかったが、彼女が最後にネットに書き込んだ文章に「ワクワク」とあった。「胸がワクワクする」といったように普通は使うから「湧々」の漢字がふさわしいだろう。



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心地よさが湧き出るという意味だ。だが、「ワクワクする」にはどことなく不安も混じっていて、その部分は「惑々」が当てはまりそうだ。筆者のこのブログの副題は「六味感想戀態思惑」とあって、ちゃんと「惑」は入っているが、「六味」とは「無味乾燥」に通じながら、「心」が下につく漢字が6つ、すなわち「感想戀態思惑」を指している。その思惑どおりに事が運んでいるかとなれば、最初から無味乾燥を自覚したので、人気の程度はさほど期待しておらず、こんなものだろうとの感想を抱いている。それで「戀態」は何かに恋している態度のつもりで、気になったことを書くようにしているのは言うまでもない。それが他人にとって無味乾燥であるのは自覚している。それはさておき、「戀態」というのは普通は恋愛のただ中にある状態を指すが、人間ではそれは若者に顕著で、筆者のような年齢になるともうすっかり卒業したと自他ともに思うのが世間体というもので、筆者が言う「戀態」は異性への愛ではなく、自分が好きで思いを寄せて惑溺することになる。毎日こうしてブログに投稿していることは、それは文章を綴るのが好きであり、つまりは「戀態」であろう。それはいいとして、昨日郵便局の前でツバメが筆者に向かって前方から飛来し、頭上数十センチかと思われるところを飛んで行った。するとすぐに回転し、また筆者の前方に現われ、今度は頭上の電線に留まった。そこにはすでにもう一羽がいたが、30センチほど離れて同じ向きに並んだ。どちらか知らないが、初めて聴くような鋭い声で長く鳴いた。そしてそれが終わってすぐに筆者に向けて飛んで来た方がすでにいた方の背中に飛び乗って交尾した。1秒の数分の1程度の間だ。乗ったのは当然雄で、交尾後に一旦離れて元の場所に留まり、そしてまた鋭く鳴いたかと思うと、ふたたび雌の上に乗った。事が終わると、雌は方向を転換して雄とは反対向きになり、また数秒後に同じ方向に直って今度は嘴で体毛をつくろい始めた。繁殖期であるから、その二羽は番となってどこかに営巣するだろう。そう言えば数日前は畑の際を通りかかった時、二羽のツバメが驚いたように飛び立った。地面に舞い降りているツバメを間近で目撃したのは初めてだ。巣を作るために泥を集めていたのであろう。あるいは地中の虫を食べるためか。ツバメが「戀態」状態にあるのは見ていて楽しい。人間も同じだろうか。何年も前のTVで、アメリカの中年女性が若い男女が裸で交わっている光景がこの世で最も美しいといった意味のことを言っていた。その女性はもうとっくに自分がそう思われるような年齢を越えていることを自覚しながら、若者を眩しく見つめ、また讃えていたが、それは昨日筆者がツバメの交尾を見た時と同じ気持ちと言えるかもしれない。それにしても鋭いツバメの声で驚いた。最初、雌が雄を呼び寄せているのかと思ったが、雄が発する。雌はその声の大きさや美しさに惑わせられながら、交尾するにはふさわしい相手かどうか判断する。平安時代では和歌を交わすことで相手を判断したが、今の若い男女は何を誇示するのだろう。すぐに離婚する夫婦が多くなったことは、相手を過大評価したまま結婚に至るからで、お互い真実の姿を知らず、「惑々」の気持ちの部分を「湧々」に置き換えていたからと言える。そしてやがて「湧々」が「惑々」の不信感に変わる。いつまで経っても相手を謎めいていると思える夫婦がたまにある。それはいい意味での「惑々」を保っていることであって、それをお互いに保つことは難しいかもしれない。
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 さて今日も昨日同様、去年5月28日に撮影した写真で、駅前ホテルの数十メートル南西に位置するマンション建設予定地だ。去年の桜が開花する直前に長年営業していた料亭が土地を売却した。誰もいない中、桜が咲いて散り、今日の写真のように葉ばかりの状態になった。今日は40日ぶりの様子を投稿するが、無人になった庭は植物が伸び放題になり、森の様相を呈している。ここの庭は駅前ホテルの部屋からはちょうどいい借景となって、ホテルは無料で客にとって和む風景を得られていた。そのことに対し料亭側は文句を言ってなにがしかの料金を請求することは出来ない。それどころか、以前とは違って、ホテルの部屋から見下ろされることになって、あまりいい気分ではなかったろう。そのためもあって営業を辞めてしまったのかもしれない。土地は阪急が買ったそうで、マンションが出来ると聞いているが、どういうわけか1年経った今、更地のままだ。本来ならば今春には地元説明会を済まし、着工していたと思う。というのは、発掘調査が終了し、大した物が出て来なかったからで、工事に取りかかる障害はないのではないか。この料亭近くの自治会住民から多少事情を聞いていないでもないが、それによれば何か問題が持ち上がっている。それはいいとして、森のようになった庭は野鳥にとっては歓迎であったはずで、更地になった途端、野鳥は棲家が減少して別の場所に移動せねばならなくなり、ちょっとした縄張り争いが始まったと想像する。だが人間はそんなことは全くおかまいなしだ。今日は駅前ホテルの玄関近くで鶯の大きな鳴き声を耳にした。山から下りて来てホテル内の樹木やそのすぐ近くのわずかな林の中を転々としているのだろう。以前のように料亭内の大きな庭がなくなったことでどれほどの野鳥の数が減ったかわからないが、嵐山ではもうあまり緑を減らして建物を建ててほしくない。とはいえ、今は駅前マンションが大流行で、どの駅でも徒歩1分以内のところに大きなマンションが建てられる。阪急沿線で言えば桂がそうで、それは駅の改札からすぐではないが、駅前と言ってもおかしくない距離だ。それが大きな壁のように街中に出現しつつあって、まだまだ駅前マンションは増えて行くと思える。その点筆者は先見の明があった。わが家は駅の改札から徒歩60歩ほどで、これは駅前と呼ぶにふさわしい。同じくらいの距離にあったのが、今日の写真に見える料亭で、そこを阪急が買ったことは、桂と同じように駅前マンションという名目で売りたいからだ。嵐山は全国的に知られても、観光地であって、住宅は少ないと思っている人が多いだろう。何を基準に多いか少ないかが言えるかとなれば言葉に詰まるが、嵐山を訪れる人たちは地元住民の生活道路にはほとんど踏み込まないし、興味もない。それで後で嵐山を回想した時、人が暮らしていたのかどうかわからない。その意味で嵐山は住民が少ないと言える。それに実際少ないと言ってよい。少ないことは静かであり、閑静なところに住みたい人はよい。だが閑静は買い物の不便と馴染む。そこは車で10分かそこら入ってスーパーに出かけ、1週間分の食糧を買い込むということになるだろう。そしてそういう生活者が住むことになるのが嵐山の駅前マンションだ。目下わが自治会ではどのようなマンションが建つのか、噂が飛び交っている。それは半分は自治会住民が増えることの期待だ。30代が手が出ない高額なマンションであればおそらくほとんど誰も自治会には入らない。入ることが期待されるのは幼ない子がいる家庭だ。そういう家庭が自治会に参加すると、先日の子ども神輿やまた8月下旬の地蔵盆が賑やかになり、そしていずれその両親に自治会の役員をしてもらう。この若い夫婦に住んでほしいと思っているのはどの自治体も同じで、特に田舎は深刻で、いろいろと補助金を出す制度を作ったりもしている。それにしても不思議なことだ。料亭がなくなってマンションが建つことは、緑が消えて野鳥が減り、代わりに人間が増えることではないか。それなのに全国的に人間が減って来ている。家はあまっているのになぜか。日本にやって来るツバメは増えているのか減っているのか知らないが、その番は自分たちの小さな家を手作りし、4,5羽の子を育てて日本を離れて行く。人間はツバメと違って持ち物が多過ぎる。段ボール箱を囲んで寝床を作るホームレスの方が自然に即しているかもしれない。スズメにパンを与える貧しい身なりの男は、「湧々」と「惑々」の思いを持ってきっと満足した時間を過ごしている。聖フランチェスコが持たざる者になったのは、真のワクワク感がほしかったからではないか。
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by uuuzen | 2014-05-29 23:23 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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