●嵐山駅前の変化、その322(桜の林、温泉)
木に分類されはするがそれにしても背丈が低いツツジが駅前ホテルの塀の際に植えられている。それと同じものが「風風の湯」の玄関周りにもあるが、同じ設計業者、建設業者が建てたのでそういうことになったのだろう。



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別の花にするのが面倒であったか、あるいは同じ時期に同じ色と形の花が咲いた方が、「風風の湯」が駅前ホテルの外湯であることがわかりやすいとの考えだ。ちょうど今その高さ50センチに満たないツツジの植え込みは満開になっている。「風風の湯」では今年初めての開花で、また水やりを適宜行なっているようで、玄関前の芝生の中にホースがとぐろを巻いている。図で説明すればわかりやすいが、面倒なので文字で書くと、「風風の湯」の玄関は今日の写真で言えば3枚目の写真の中央に見える桜の大きな木と写真右端のちょうど半ば辺りにある。もちろん写真に見える工事中の塀の向こうだ。ツツジの植え込みはこの塀と同様に「風風の湯」の北端から南端まで並んでいる。北橋は写真右で、その右手に中ノ島橋があって、それを越えると中ノ島公園で、渡月橋が西すなわち写真の奥方向に見える。「風風の湯」に入る人は駅前ホテルに泊まる人がかなり多いが、そのホテルは写真の左手にある。そのため、温泉を訪れる人は筆者も含めて大半は写真の左手からやって来る。玄関前には庭があって、芝生が植えられているが、その歩道との境界にツツジが植えられていて、3枚目の写真と同じ角度で今日撮影すると、地面に濃い桃色の帯が水平線となって現われる。そういう光景を狙ってツツジを植えたはずで、桜の林の中に立って温泉を見ると、その花の色がとても目立って楽しい。ところが、その見事さは玄関から南側のみで、中ノ島橋側は破線状態だ。つまり、点々と花が咲いていて、花が咲かない箇所は葉もなく、すっかり木は枯れて褐色になっている。根づいていないのだ。あるいは養分が足りない。それに灌水も行なわれていないのだろう。というのは、そのための青い色のホースは南側の芝生の中にあって、どうも北側は無視されている。従業員が水をやっているのを見かけたのは一度だけで、しかも南側のみだ。北側は嵯峨方面に帰るサラリーマンが毎日通るが、温泉に入りにやって来る人は少ないし、いても夜がもっぱらで、その頃は玄関前の庭に誰も注目しない。つまり、北側は南側より人目に触れない。その理由はもうひとつある。3枚目の写真に少し写っているが、北端には桜の木が中ノ島橋のたもとに1本ある。その根元まで、すなわち桂川の支流の擁壁ぎりぎりまでツツジの木は隙間なく植えられているのはいいが、桜の木によってツツジに光が当たらない。枯れてしまったのはそれも理由であろう。だが筆者が思うに、最大の理由は雑草だ。先日筆者はこの温泉の玄関周りの庭の雑草を抜いたことを書いた。それはまず玄関から南側であった。前述のようにそこは最も人目につきやすいからだ。抜いた雑草は北端の桜の木の根元、川岸ぎりぎりに積んだ。昨日それを確認すると、体積が10分の1ほどに減って、土となるのは早いようだ。
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 昨日は数日ぶりに温泉の北端から桜の林の北辺を走ることになる自転車道路の工事中の写真を撮った。工事業者は5時半に仕事を終えるから筆者はいつも6時前に行く。今は昼が長いので、それでも充分に明るい。工事は6月22日まで実施される予定で、それまでもう5,6回は撮影するつもりでいるが、工事が終わる夏至頃に向かってますます日が長くなって撮影はしやすい。それはさておき、まだ日が明るいこともあって、温泉前の庭の雑草が気になった。南側はもうほとんど雑草は目立たないが、高さ5センチほどのものがまたあちこち育っていて、まずそれらを全部引き抜いた。昨日書いたように、他人の庭の奥に薔薇の花が咲いていると、勝手に中に踏み込めないので惜しいと思いながら写真を撮らないが、この温泉では従業員が少ないようで、庭の世話をしている人は午前のオープン前くらいしか見かけない。それも毎日ではないはずで、庭はほとんど放置されている。水をやる時にいくら何でも高さ1メートル以上に育っている雑草に目が行くはずで、その雑草にまで水をやって育てようとは思わないだろう。だがそれもわからない。今の若者なら何が雑草でそうでないかは区別がつかないかもしれない。もちろんきれいな花が咲くのに雑草扱いされているものもあるが、この温泉で言えば玄関前の庭木は計画して植えられたもので、それ以外の植物は雑草ということになる。ともかく、小さな雑草も目につけば早く抜いておくに限る。手間があまりかからないし、大きく育ってしまうと種子を飛散させ、後日悲惨なことになるからだ。雑草を一旦抜き始めると次々に目に留まる。薔薇の花の写真を撮り始めた時もそうであった。筆者はすぐに夢中になり、徹底的にやる。温泉前の雑草は北側の芝生内はそのままにしておいたが、ここ1週間かどこらでそれらは倍に成長し、ほとんど雑草の庭と呼ぶにふさわしい状態になった。ここで説明しておくと、南側は芝生内にほとんど入らずに雑草を抜くことが出来る。これも図示すればわかりやすいのだが、自転車置き場が南側の奥に設けられていて、自転車でやって来た人、それに徒歩客もだが、建物の軒下の通路と呼ぶべき場所を通って扉に至り、内部に入る。その軒下の通路は玄関から南にしかない。その通路か桜の林に面した石畳の歩道に立てば、芝生内のどの雑草にもほぼ手が届く。一方の北側は通路はないから、建物に近い芝生には手が届かず、石畳側からツツジの木を乗り越えて5,6歩は歩かねばならない。温泉の従業員は誰も見ていないが、まだ明るい午後6時は嵐山駅を降りた通勤客などがひっきりなしにそのツツジの前を行き来する。そういう時に筆者が芝生に入り込んで力を込めて雑草を抜いている姿を見ればどう思うだろう。別にどうも思われず、清掃員が作業しているくらいにしか思わないだろう。そう考えて芝生内に入って雑草を引き抜いた。オニタビラコは根元の茎が直径5センチほどに成長し、とても根こそぎすることは出来ず、地面から見える部分をどうにかむしり取るだけだ。根は残っているのでまた生えて来るだろう。抜いた雑草はまた北端の川岸近く、すなわち桜の根元付近に積んだ。書き忘れていたが、北側の石畳と庭との境界に植えられているツツジは半分が褐色であるのは雑草に養分を吸い取られたからに違いない。雑草が最も多いのは芝生内部ではなく、ツツジの木の根元だ。そこはツツジに養分を与えるために特別の肥料が詰め込まれていたはずで、それを横取りして雑草はツツジの倍以上の高さに育った。雑草を抜くと、枯れたツツジの灌木も一緒に上がって来る。つまり、根づいていない。植木屋がしっかりと植え直さない限り、来年はさらにツツジは半減するだろう。そうなっても誰も困らないが、せっかくの花の季節に玄関から北側だけが花がまばらでは見栄えが悪い。前にも書いたように、花に興味のない人でもそれは感じるし、そうなれば無意識のうちに温泉がさびれていると思ってしまう。そしてその心理は悪循環し、客足は遠のく。するとさらに雑草が増える。
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 筆者が汗みどろになって雑草を抜いていると、自転車に乗った老人が声をかけた。やはり筆者を温泉の従業員と思ったようだ。「あの、出入り口はどこでっか?」「あ!」「あ! まいど! 今日初めて来るんやけどなあ」 その老人は筆者が自治会の会長を務めていた時に知り合った平安神宮の講社係で、毎年同神宮で燃やす護摩木を配布したり、時代祭に参加するための窓口を昔からしている。地元では古くから知られ、夫婦で暮らしている。筆者は個人的にそこそこ話をしたことがあるので、名前を憶えていて、「○○さん」と声をかけると、「わたしの名前を憶えてもらってありがたいなあ」と返って来た。その人は筆者の名前はおそらく知らないが、顔とどこに住んでいるかはよく知っている。雑草除去作業を中断し、芝生から出て温泉の玄関まで一緒に行き、そして自転車置き場を説明した。その途中で意外なことを聞いた。「わたしの家内が死んでなあ」「えっ! いつですか」「1週間前や。それで1週間風呂に入ってへんねんや」 奥さんとは毎年1回顔を合わせ、つごう4回ごくわずかに話をしたが、御主人よりむしろ逞しく元気であったのに、人の命はわからない。別れ際に毎週金曜日は60歳以上は半額になることを伝えたが、筆者はいつも午後8時過ぎに行くのでその人が今後通うようになっても出会わないだろう。また芝生内に戻りながら、その夫婦のことを思った。あの物がたくさんある小さな家の中で御主人はこの1週間多忙をきわめたが、これからはひとりで暮らして行く。そのような老人が今はたくさんいる。みんな順番で、筆者もいずれそうなるか、あるいは筆者が家内より先に逝く。そうなりたいものだが、それには持ち物を全部自分処分しておかねばならない。あるいはそれは些細なことで、専門業者の手にかかればすぐにきれいさっぱり持って行ってくれる。そんな荷物のことより大事なのは人間だ。配偶者が欠けると残された方は味わったことのないさびしさを噛み締めるだろう。案外そうでもないような人もたまに見かけるが、それはまだ60を少し超えた程度で比較的若いからだ。先の老人はたぶん80歳くらいだ。その年齢になると人生や配偶者のことをどう思っているだろう。充分長生きしてももう充分生きたと思えるだろうか。そういう人もあればそうでない人もあるが、いつ死んでも悔いはないと思えるほどに1歳でも若い時に描いた夢は実現させておくべきだ。それがわかっていながら、若い頃は自由になる時間が乏しく、また経済的に不如意であると自分を納得させてやるべきことを先送りする。よその雑草を抜いている暇があれば、裏庭の植物に水をやって、もっと自分の周りを整理すべし。これは家内の口癖で、まことにそのとおり。最後に断っておくと、今日の4枚の写真は去年5月28日の撮影。
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by uuuzen | 2014-05-28 23:59 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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