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●嵐山駅前の変化、その311(桜の林、温泉)
が降った地域もあるそうだ。京都ではそれはなかったが、雨が降り続け、ひどい風が吹き荒れ、昼下がりには地震もあった。満開になった桜は早速散り始め、明日、明後日はどうにか持つとして来週はもう駄目だろう。



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今日は金曜日で、「風風の湯」はシルバー・デイで還暦過ぎた人は半額の500円。それで家内と出かけた。8時10分頃で、小雨が降っていた。ガラ空きだろうと予想すると、そのとおりで筆者を含めて7,8名だ。それが少しずつ増え、9時過ぎには10数名になった。筆者はこれで三度目で、毎回見かける人として80代半ばと思しき人がいる。サウナによく入り、筆者と隣り合う。入れ歯をしきりにクシャクシャ、ズルズルと音を立たせ、それが気持ちよくない。今日は初めてわが自治会住民に出会い、話を少しした。毎週金曜日の半額を目当てに来ているとのことで、誰しも平日1000円、土日1200円は高いと思っている。「地元住民だけ毎日半額にならないものですかね」と言うとふたりとも同感と言った。だが、温泉の建設者や経営者は思惑がかなり外れたはずで、逆に値上げしたいだろう。そうなればまた客が離れる。商売は難しい。桜が満開の季節では長蛇の列が出来るとの予想が一部にはあったのに、満開の夜桜を間近に見ながら露天風呂に入ることが出来るというここ数日でも、夜の2時間で男女ともで50名ほどではないだろうか。これでは人件費どころか、運営費も出ないように思う。だが、地元住民とすれば空いているのが何よりで、ひとり占めした気分を満喫出来る。温泉に着いた頃に小雨は上がり、三日月が見え隠れしていた。露天風呂に早速入って浸かると、満開の桜の間からちょうど三日月がすっぽりはまって見えた。それが数秒で消えては現われるを繰り返す。天上は雲が多く、風が強いようだ。それにしても露天の岩風呂に入ると、見える空すべてを桜の花が覆い尽くし、そのわずかな隙間から月が見えるとは、こんな贅沢はそうはない。天下に聞こえる嵐山に出来た温泉の最初の桜の季節で、しかも満開の夜桜だ。それを湯に入って見つめる。もちろん湯船には花びらが浮かんでいるし、岩場やサウナの中にも落ちている。「雪月花」ではなく、「風月花」ではあるが、こんな贅沢な夜はない。ゆっくりと浸かっていると、三日月はついに明るく照ったままとなり、それがバナナに見えた。はははは、「花より団子」で、「風バナナ花」か。これでは風流でないので、せめて「風芭蕉花」と言い代えようか。いやいや、それにしてもバナナそっくりの形と色合いで、猿なら手を伸ばしたかもしれない。
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 さて、今日も「駅前の変化」シリーズで、写真はちょうど1年前に撮ったものを使う。そう言えば今年は桜の写真を撮っておらず、来年のこのカテゴリーでは今日のように1年前の桜が見える写真を載せることがないだろう。そう思えば、ここ数日続いている去年の桜が見える写真を使うこともいいではないか。たくさんあって少しもありがたみのない事や物が、案外きれいさっぱりに消えてしまう。若さがそうかもしれない。だが若者にはそれがわからない。ところで若いとはいったいいつまでも言うのだろう。筆者は62だが、70代後半に人から見ればまだ若いと羨ましがられる。そして70代後半になれば90近い人からまた若いと言われるのだろうか。60を越えるとシルバー世代と呼ばれて「風風の湯」の料金が半額になるということは、もう若くないと世間からみなされているはずで、70代後半の人から筆者が若いと言われることはお世辞と考えるべきだ。額面どおりに受け取ること自体、もう老人だ。ところで、先ほど露天風呂に浸りながら小さく口笛を吹き続けた。先日取り上げたレオン・ラッセルの「タイト・ロープ」だ。まだその曲が頭から離れず、毎日聴いている。今日はYOUTUBEで彼の「A SONG FOR YOU」の1971年と2011年の映像を家内に見せた。そのほかにも同じ曲をカヴァーしている別のミュージシャンの演奏をいくつか聴かせたが、最も見せたかったのは曲を書いたレオン・ラッセルのヴァージョンだ。1971年はレオン29歳で、2011年はそれに40歳を足さねばならない。このふたつのヴァージョンを即座に聴き比べられるのであるから、便利な時代になった。2011年ヴァージョンはもうヨレヨレの歌いぶりで、それがなおさら悲しく、また感動させる。そこで思い出すにはレオンと同じ年齢のポール・マッカートニーだ。先ごろ来日して演奏したが、昔と同じキーで歌うことが出来るという。この差はどういうことか。レオンは大病したのか。あるいはそうでなければ人前で歌うことをあまりして来なかったのだろう。訓練の仕方で同じ70歳になっても大きな差が出て来る。つまり、70代半ばの人が筆者のような62歳を見ても、必ずしも「若くて羨ましい」とは言わないということだ。このことで1週間ほど前に、ある出来事があった。家内と一緒に渡月橋付近を散策し、その足で梅津のムーギョに行った。そしてもう10数年か20年ほど会っていない女性がムーギョの近くに住んでいることを家内は思い出した。いつも年賀状を交わすだけで、お互いいつかは会って話したいと思っていたので、筆者は家内に訪問することを薦めた。家内は数年前にも同じように訪問すると不在で、またそうだろうと言ったが、行ってみないことにはわからないからと筆者は後押しした。筆者ひとりでムーギョで買い物をしているので、その間に話をすればいい。その女性の家から30メートルほど離れたところで待っていると、家内は挨拶の声を交わし、家の中に消えた。それから3、40分ほど話をして家内は出て来たが、開口一番、「扉を開けるととても太った女性が出て来たので、てっきり○○さんではないと思って、「○○さんはおられますか」と言ってしまったわ。すると「わたくしです」と返事があってびっくりした」と言う。20年近く会っていないので、その間の変化がわからない。「あのスマートな○○さんがあのようになるとは」と家内は言ったが、足を悪くしてここ数年は出歩くことが出来ないらしい。それで一気に太ってしまった。またそれだけではなく、顔の相も昔とは全然違っているそうだ。本当に久しぶりに会ったのであるから、お互い嬉しいには違いない。だが、家内は複雑な気分になった。歳月は人を変える。外見が変われば内面も変わる場合があるだろう。
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 70歳のレオン・ラッセルが歌う様子を見て家内は驚かなかった。老人とはそういうものと思っているからだろうか。確かに30そこそこの頃に比べて著しく力は減退しているが、老いた状態でそれなりの味を醸しているからだろう。若い頃にあったものを失っていると見ればもはや見る影はないと否定的になるが、老いることがなければ出せない味わいがあると見れば、積極的な評価だ。家内はジョージ・ハリスンの最晩年の「マイ・スイート・ロード」の歌いぶりを例に挙げた。筆者のそのヴァージョンは好きだ。若い頃とは違う深みがある。力強くないかもしれないが、老いると弱さばかりと考えるのは間違いだろう。今日「風風の湯」のサウナで見知らぬ人と5分ほど話した。おそらく70代半ばで、地元の人だ。その人は「風風の湯」がいいのはとにかく空いているからだと言ったが、それに対して筆者はこう返事した。「人が多いとあちこち傷むのも早いですしね」。それは筆者がまだ新しいこの温泉がいいと思っているからだが、その気持ちの裏には、あちこち予算を削ったような安普請が見え、数年のうちにそれらが綻びを見せるだろうとの予想だ。そうなった時、すぐに手を入れて元どおりにするだろうか。露天風呂の空を大きな傘のように覆い尽くす桜の木は、まさに絶好の形で枝が伸びている。だが、それは年々成長し、数年でとんでもない方向に枝が張り出すかもしれない。そうならないように、毎年植木屋を入れてあまり徒長しないように整えるだろうか。客が少なければとてもメンテナンスに金をかけられまい。そうなると、綻びはそのままになり、加速度的にボロさ加減が増す。それはそれで時代を経た味わいと思えるならいいが、時代を経た風格はもう少し別の意味だろう。建物も人間も齢を重ねることを隠し切れない。それを前提としながら得難い風格を感じさせるようになるには何が必要なのだろう。そのことを意識し過ぎるのは駄目で、意識しないことには具わらないのではないか。ともかく、まだ完成して7か月ほどの温泉で、桜は満開、三日月は黄色いバナナのようにくっきり、サウナは98度が保たれ、12分間時計と5分の砂時計も新品同様、嵐山に来た時には入ってみるとよいが、夜桜を味わうにはどこかに泊まらねばならない。わが家はガラクタが産卵し、散乱状態は錯乱状態になっている。もっとすっきりさせれば、客が来ても泊まってもらえるのだが。
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by uuuzen | 2014-04-04 23:59 | ●駅前の変化
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