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●嵐山中ノ島復旧、その19(渡月橋)
介する楳」と書くと、誰も何のことやらわからない。梅は染色の媒染剤としては有名で、煤で真っ黒に燻した烏梅は漢方薬にもなって京都北野天満宮では毎年これを作る。梅の枝や実が媒染に役立つことから、「媒介する楳」を今朝はぼんやり思い浮かべていた。



●嵐山中ノ島復旧、その19(渡月橋)_d0053294_0384759.jpgさて、昨日は右京区役所に行く用事があって自転車で渡月橋をわたっていると、日曜日のために渡月橋付近の工事は行なわれておらず、今日改めて見に行った。工事用の車両は昨日と同じく一か所に集められて動いておらず、作業員ものんびりと河川敷に座り込んでいた。工事看板によると、工事は今月28日までだ。どうも予定よりはかどったのか、工事する場所は見当たらないようだ。今日の最初の写真からわかるように、中ノ島公園の下流ではまだ蛇籠と呼ぶべき大きな石を詰め込んだ網の包みが河川敷の法面に並べられ、その区域が立ち入り禁止になっている。この箇所も28日までにすっきりと元通りの状態に戻してほしいが、どうもその気配が感じられない。管轄違いということで別の業者が工事するのだろうか。渡月橋からは大分離れているので、工事は急がなくてよいという考えなのだろう。観光客の目により曝される場所は手厚い保護を受け、同じ嵐山でも裏手といった部分は無視されても仕方がないということだ。何にでも表と裏がある。その裏の部分がうらぶれた状態であることを確認するのはあまりいい気分ではないものの、筆者は嫌いではない。むしろ自分の生い立ちや境遇に近いものを見るようで落ち着く場合もある。そういう裏の部分を極力排除しようとするのが、何年か前に書いたが、ニュータウンだろう。筆者はそういうところには住みたいとは思わない。裏の存在をなくすことが犯罪の抑止にもつながると思っている人がたくさん住んでいる地域は暮らしにくい気がする。街から裏の部分が消えても人は心の中に裏を抱える。光があれば影があるように、街も表と裏の同居が好ましい。だが、どんな街でもそれはある。ニュータウンで言えば表はピカピカに清掃され、磨き上げられて汚れがない部分を言い、裏は人目につきにくいところとなる。人目につきにくい陰の場所では恋人たちがこっそり抱き合ったり、気弱な子がいじめられたりする。それは欲望がむき出しの場所で、裏こそが人間味があるとも言える。筆者は割合裏道を歩くのが好きで、それは車の衝突されないためと、裏道の方が面白いからだ。そう言いながら、わが家の裏庭はがらくたの山で人には見てほしくない。自分は興味があるのにこれではよくない。だが、わが家は裏庭だけではなく、家中が裏みたいなもので、どの部屋もがらくたが山積している。はははは、裏ばかりの人間とは面白いではないか。少なくても表ばかりの人間の退屈さはない。表ばかりのように見える人は時々いる。そういう人にこっちの裏を見せる軽蔑されるのでこっちも表で対応するが、その疲れること。
●嵐山中ノ島復旧、その19(渡月橋)_d0053294_20302908.jpg
 「媒介する楳」の話であった。今日中ノ島公園で満開の紅梅を見かけた。よほどきれいなのか、若い女性が2,3人盛んにその木にスマホを向けていた。その様子と、その向こうに工事の車両などが写り込む場所に立って撮った。彼女らは気づかなかったようだ。また気づいてもなるべく顔が写らないような場所に立った。それはこの紅梅で言えば裏手で、彼女たちは筆者を日陰者のおっさんと思って無視したのだろう。それはさておき、「媒介する楳」はこの紅梅と工事現場が同居した写真を今日は載せるからだ。昨日は大阪天満宮の盆梅について書いた。今日はその続きを書いてもよかったが、28日で中ノ島の工事が終わるのであれば、今日撮影し、次回は28か29日にすれば最後は「その20」となって区切りがよい。それで天気もよかったので渡月橋まで歩き、満開の紅梅の木を見かけた。それで昨日の投稿と多少はつながりが出来るし、それを「媒介する楳」と語呂合わせ的に呼ぶのは面白いと考えた。それはそうと、今日満開の紅梅を見てほっとした。昨日書いたように桜が咲き始めようとしている頃で、今頃梅の話題をするのは気の抜けたサイダーみたいで、面白くないのではという思いがある。それがまだどうにか大丈夫であることがわかった。この紅梅は大きな枝垂れ桜の横にあって、今まで気づかなかった。あるいはしげしげと見たことがなかった。桜と楓ばかりと思っていたのに、梅もあったとは気分がよい。ついでに書いておくと、藤は大きな藤棚があって、これは昔から知っている。その藤棚にしても紅梅の木にしても、中ノ島あってのもので、100年に一度の大雨に大丈夫な川の断面積を確保するとなると、中ノ島は南側の店の連なりだけを残して全部削ってしまわねばならない。そういう工事がいつ行なわれるのか定かではないが、去年9月の台風18号以降、筆者は嵐山が直面しているそういう問題を知った。それまでは渡月橋下の堆積土砂を浚ってほしいと嘆願書を出そうと計画し、またほとんど実行に移りかけた。その堆積土砂は今日の写真からわかるようにすっかり水面の下になって見えなくなった。だが、水深がどれだけあるかが問題だ。水面すれすれに浚っただけではものの1年でまた中洲が出来る。そしてそこには草が生える。そうなれば川の断面積が狭まり、豪雨の時にはより洪水を来しやすい。中洲があった状態に観光客はあまり気づかなかったろう。郵便局で去年発売された地方切手シートに嵐山と嵯峨を取り上げたものがあった。名所を撮影した切手が数枚と、渡月橋と嵐山を臨む写真が組み合わされている。以前にも書いたが、その渡月橋の写真は下に川の流れがほとんど見えず、雑草が生い茂った高さ数十センチの中洲が大きく写っている。なぜそんな写真を使ったのだろう。そういう状態の写真しかなかったのが実情だろうが、今なら中洲は姿を消したから、もっとましな風景に見える。
●嵐山中ノ島復旧、その19(渡月橋)_d0053294_0394424.jpg 台風18号で損害を受けた渡月橋は新しい木材で補修され、元の姿になった。古い材とは色合いが揃っていないが、1年ほどすれば遠目にはわからなくなる。筆者が嵐山に転居して来てこの30年の間に同様の補修工事は5,6回は行なわれたような気がする。今回の修復は最も大規模なものであったが、10年ほど前か、車が激突して10数メートルが破損したこともある。人だけが通るのであればそんな事故は起きないが、現在の鉄筋コンクリート製になる前はもっと素朴な木造で、それが嵐山には似合っていたと想像する。今さらそのような橋には戻せないのは観光客の多さからも誰しも同意するだろう。慣れもあって、現在の渡月橋が江戸時代やもっと前の姿と思い込んでいる人の方が多いはずで、時代に応じて橋が頑丈で大型化しても人はそれを不自然とは感じない。それは世代が交代し、過去を知る人が少なって行くからだ。それに過去は古臭いと考えられ、新しいものが格好いいと歓迎される。また21日の「花筏」での年度末総会での話を少し書くが、筆者の右に坐った男性はかつて児島湾の埋め立てに際して地元の漁民と農民、それに半農半漁の人たちの利益を求めての行動を目の当りにし、また水島コンビナートのひどい排水の垂れ流しを目撃し、行政もそうだが、個人の醜い姿に接したこともあって故郷を後にしたそうだ。だが、どこへ行っても人はさほど変わらない。北海道はそうではなかったらしいが、そうした地域による気質の差はあるだろう。その人に訊いたのは、京都はどうかということだ。答えは予想どおりで、ここに書くまでもない。それはいいとして、筆者が先日書き終え、回覧した文書の全3枚をその人は読んだらしく、国や府政との関わり合いは最初から希望を抱いていないと言う。抵抗は無駄で、どのように一市民があがいても結局は国は計画したとおりに事を運ぶという考えだ。それは筆者も同じと言ってよいが、問題を知るのと知らないのとでは違う。ま、知って無力を感じるのは精神によくないので、耳を塞いでおく方が気分よく生活出来るかもしれない。「見ざる、言わざる、聞かざる」の例の三猿の人形は一市民が世間の喧噪から距離を置いて生きて行くべしとの思いから生まれて来たものかどうか、筆者の右に坐った男性は政治には無関心という態度を決め込んでいるようであった。それは理解出来るが、わが自治会に所属すると言ってよい中ノ島や渡月橋が大部分の地元住民が何ら知らないままに造り変えられて行くことに意見するのは政治的とは言えないだろう。筆者は地元住民へ今後嵐山で始まるかもしれない工事について逐一伝える媒介者になろうと考えているのではないが、乗りかかった舟であるので、どこへ行き着くかは見届けたい。今日の写真は1年前ではなく、今日撮った。
●嵐山中ノ島復旧、その19(渡月橋)_d0053294_040585.jpg

by uuuzen | 2014-03-24 23:59 | ●駅前の変化
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