●ムーンゴッタ・2014年3月
り込んで尻に地面の冷たさを感じながら満月を眺め続けるのが今日なら気分がよいだろう。一気に春めいてコートや厚手の上着が必要のない1日であった。ブログへの投稿が2日空いたのは四国の松山に行って来たからで、その土産話はこれから追々して行く。



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去年3月の満月の日にはいわき市に行った。今年は同じ3月でも4日満月の日が早い。本当は満月の日に松山に行きたかったが、それでは旅の目的を果たすことが出来なかった。それで今月の満月の写真はいつものごとく、わが家のすぐ近くで撮った写真となる。最初の写真がそうだ。同じような写真を3,4枚使うのは面白くないので、今日は月と太陽の写真を2枚ずつ使う。これは初めての試みだ。今後同じことをするつもりはないが、何事も出会いで、また太陽の写真を使いたくなるかもしれない。太陽の写真を使う気になったのは、先週の木曜日だったか、午後4時頃に青空に満月に近い月が昇っていて、その写真を撮ろうと思いながらカメラを持っておらず、諦めたことがきっかけになっている。青空に浮かぶ満月ならいいが、その日はまだ欠けが目立った。また、青空に浮かぶ太陽はいくらでも目にすることは出来るので、わざわざその写真を撮るまでもないようなものだが、筆者のカメラならそんな太陽を撮影しても円形として映らない。つまり、太陽は満月のようにきれには撮影出来ないというのが筆者の考えで、撮影出来る太陽はとても珍しい。今日3枚目と4枚目に載せる2枚の太陽の写真は14日と16日に撮影した。今月の満月の日である今日に接近した日であるから、今日の投稿にはつごうがよいと判断した。今日の2枚目の月の写真は15日の夕方で、満月に2日早い。写真右下に小さく写っていて、どれほど欠けているのかよく見えない。それで厳密には「ムーンゴッタ」ではないが、せっかく松山の道後温泉本館の背後に昇る「ほぼ満月」であるので、今日の投稿に使う。さて、2日投稿しなかったが、松山に行く前からその2日に何を書くかは決めていた。近日中に書いて穴埋めするとして、今日は満月の日であるので、撮ったばかりの「ムーンゴッタ」の写真を早速載せ、気の向くまま書く。
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 最初に「坐り込んで」と書いた。松山にはアーケードのある商店街としておそらく日本で最も道幅の大きいものがある。「大街道(おおかいどう)」と呼ぶ。昔からそのような呼び名かどうかは知らない。というのは、そのような幅広になったのは30年ほど前のことのようだ。それまでは車が走る道の両側に店舗が並んでいた。その車道を「歩行者天国」のように開放し、しかも永久化したのが「大街道商店街」で、道幅が広過ぎることもあって、たくさんの人が歩いていても閑散として見える。そこが欠点とも言えるが、広々した商店街は人とぶつかる心配がなく、早足で歩くことが出来て筆者は歓迎だ。それはともかく、その「大街道商店街」にたくさんの荷物を携えた女性のホームレスを見かけた。頬かむりをしているが、たぶん70代後半ではないだろうか。これが大阪の天神橋筋商店街であれば店の人から邪魔者扱いされてとても商店街の地面に直に腰を下ろすことは出来ない。ところが「大街道商店街」は道幅が普通の商店街の3倍はあるから、ホームレスが坐り込んでいても目立たず、またそのすぐそばを人が歩かずに済む。この商店街ではほかにもホームレスかそれすれすれの男をふたり見かけた。老いるとファッションの流行に関心がなくなり、それで身なりを気にしない人が増えると思うが、そうなると次には体を洗わず、体臭も気にかけなくなる。そうでなくても老人臭が漂うのに、それに悪臭がプラスされる。そうなると、ますます人はそばに近寄らず、当の老人はさらに身なりに気を配らない。ホームレスはその悪循環が最大に達した存在と言ってよいだろう。そんなホームレスが松山の最も人が集まるところ、しかもアーケードの下にいるのは理解出来る。雨と寒さを凌ぐには持って来いで、店の前であっても、道幅が広いので店主から罵られない程度には出入り口から距離を置くことが出来る。だが、ホームレスは寒さから逃れるために、また人の目が全く気にならないのでアーケードの下に坐り込んでいるのだろうか。もうひとつの理由は悪臭を発していることを自覚しながらも人恋しいからではないか。憐れな眼差しで見つめられようとも人の姿を確認出来る場所でなければとても生きている気がしない。そうでなければ山奥に入ってさっさと飢え死にするような気がする。そうそう、都会にいると残飯にありつけるから飢え死にする割合が減少する。ホームレスであってもさっさとは死にたくはないものだろう。
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 ホームレスはだいたい地面に目を落としている。空を見上げている姿を見かけたことがない。そこで最初に書いたように想像した。地面に坐り込んで満月を眺め続けるホームレスがいていいのではないか。となると「大街道商店街」のアーケードの下は駄目だ。だが、わざわざ満月を愛でるために都会の暗い場所に坐り込み、人目を避けるホームレスがいるだろうか。そう思うとホームレスはつまらない。こう書くとホームレスを侮っていることになるので、ホームレスの心境に分け入ってみると、ホームレスは満月を見なくても、毎日心の中を凝視し、満月を見ている気分であるかもしれない。となればいつも心は平静、丸い心で楽しい思い出を反芻している。そうであれば家のあるなしはどうでもいいことかもしれない。高齢になってどうしてホームレスになるのかと思う人があろうが、人生はわからない。いろんな人生があって、いろんなホームレスがいる。はははは、先日見た『ビリディアナ』がよほど強烈であったのか、またホームレスについて書いてしまった。さて今日の写真を説明しておくと、最初のは阪急嵐山駅の横から撮った。街灯が透視図法的にきれいに奥へと並んでいて、その延長線上に満月を配した。満月は街灯代わりになる。現在のように街灯が多くない時代、あるいは全くない時代はどれほど満月が眺められたかと思う。もちろんホームレスもで、満月を見ている間は少しは空腹を忘れたのではないか。2枚目は左に道後温泉本館が少し見える。V字型の窪んだところに満月に2日早い月が浮かんでいるのを見てはっとさせられた。数時間後にこの月は写真の右上に上がって行った。それが少し残念な気がした。V字谷の中央を真っ直ぐ、写真で言えば垂直線上に昇って行くと思っていたからだ。それが間違いであることは毎月の撮影によって充分知っているにもかかわらず、初めて訪れる場所では別の方向に移動すると思ってしまう。3枚目はMIHO MUSEUMの内覧会の帰り、送迎バスの中から撮った。バスを待っている間、空を見上げると雲が厚く、太陽が見えなかった。それがみるみるうちに雲の切れ目から満月が透けて見えた。不思議なことに太陽らしき強くて丸い明かりはその場所より少しずれたとこにあった。それで雲の隙間から透け覗く太陽は雲に反射した虚像かもしれないと思い、ともかく撮影しておこうとカメラをかまえると、雲の移動が早く、すぐにまた厚い雲に覆われる。バスがやって来たので乗り込まねばならないのに、シャッター・チャンスが訪れない。バスの中に入ってから窓越しに振り返って空を見上げ続けると、5分ほどしてまた先ほどと同じように見え始めた。そうして4枚撮ったところ、まともに映っていたのは1枚だけであった。太陽であるのに満月のように輪郭が見えるように撮れたのが面白い。写真ではよくわからないが、太陽の下の方に明るい箇所がある。その辺りに本当の太陽が浮かんでいたのではないか。筆者の考えが正しいのかどうか、実像と虚像の太陽が接近して見えるというのは面白い。真実と思っていることにも虚像があるし、虚にも実があるということだ。4枚目は昨日撮った。予讃線の車中から沈み行く太陽が異様に大きく、また赤く見えた。写真ではその赤さがかなり減っている。実際はもっと赤かった。これぞ日の丸といった感じだ。だが、国旗の日の丸は旭日であって落日ではない。とはいえ、ホームレスなら旭日より夕日にほっとするだろう。『今日も1日が終わった。きれいな太陽が山の向こうに沈んで行く。自分の現在もきれいだと思うことにしよう』
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by uuuzen | 2014-03-17 23:36 | ●新・嵐山だより(特別編) | Comments(0)


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