●嵐山駅前の変化、その293(桜の林、温泉、マンション)
えては膨らむを繰り返しながら、誰しも盛りの頃を過ぎれば萎縮一辺倒になるが、これを国家に宛て嵌めることも出来る。だが、国境は永遠不滅ではないし、民族も他の民族と混じり合いを続けて行くから、国も民族も委縮し切ることはないと言える。



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ブラジルでは多くの血が混じっている人の方が美しいとされると以前TVで見たことがある。それで思い出すのは薔薇だ。その原種がよくわからないのは示唆的だ。その原種を探し当てたとして、それはほとんど薔薇ではない形をしているはずで、交雑を繰り返しながら、より美しい色や形の薔薇が生まれて来ていると考えた方がよい。そのことの中にも「萎えては膨らむ」ことが繰り返されて来たし、これからもそうだが、人間で言えば萎えて行く衰退期をどううまく受け留めながら最期を迎えるかが大きな問題で、なかなか達観することは出来ないだろう。それで実際は萎える一方なのに、まだまだ膨らみ続けると思い込んだりするが、どう頑張っても成長期の膨らみ具合が取り戻せることはない。ま、そんなことより、日本が全体として見た時、萎えて行っているのか、まだ成長し続けているのかとなると、人口の減少や老齢化は誰でも知っていることで、もう萎える一方と考える向きが多いかもしれない。とはいえ、諦めムードになってはなおさら萎えてしまうので、虚勢でもいいので張っておこうというのが実情だろう。来月はあの大震災から丸3年経つが、それが国全体が萎え始める象徴的な出来事であったと100年後に確信されないためには、よほど国のあり方を再考する必要があると思うが、オリンピックを開いて60年代の高度成長の夢ふたたびと考えるところはまさに萎縮思考で、能がないように感じるのは筆者だけではないだろう。土建国家の日本はとにかく絶えずコンクリート建造物を作っては壊しを続けなければ国が萎えてしまうと信じている。作るのは簡単でも、建築物を安全に維持するために経費がかかる。高度成長期の建造物を修理するための費用がこれから大きな負担になるが、それでもまだ新しい建設を続け、工事に従事する人間が足りないと昨日のNHK-TVが報じていた。外国人労働者を入れる気はないから、これからどうするのかと思うが、新しい建設をやめればいいではないか。土建国家から脱出して行けばよいだけの話だ。ところがこれがそう簡単ではないだろう。政党とゼネコンがつながっていて、双方が潤い続けねばならない。
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 先日、ある自治会住民と話していると、大地震のたびに大きな津波がやって来てたくさんの人が死ぬということを繰り返しているが、巨大津波が乗り越えられない防波堤を巡らせば済む問題ではないかという意見が出た。その防潮堤は高さが20メートルほどになり、海底も同じほどの深さにまでコンクリートの基礎を築造する必要があり、最も深い部分の幅は100メートルほどは必要だろう。つまり、ピラミッドほどのものをキロメートル単位で湾内に建造する。そのための費用は兆円単位になるだろう。それがしかも数十年しか持たない。巨大防潮堤は建造される方向にあるが、数十年に一度大きな津波が来て被害を受ける方が安く済むかもしれない。また、湾を囲む高い堤は景観上もよくないし、漁業にも影響する。まさにバベルの塔で、人間は思い上がり過ぎる。巨大防潮堤をどんどん造ればよいと意見した人は土木建築に関しては素人だが、自分の意見は絶対的と思っているふしがある。無知の恐さを感じてしまうと同時に、そうした人が案外国民の7,8割かそれ以上はいることを思う。自然災害を防ぐための建造物はある程度は必要だが、限度というものがある。その限度が世界に冠たる日本ではかなり麻痺していて、どんな災害でも大丈夫なものを造り得るとする意見が幅を利かせているのではないか。国が膨らんで行こうとしているのにそれを水を差すのは何事かと言われそうだが、最近TVに出て1960年代終わりから70年代初頭までの日本が一番よかったと意見した山田洋次監督はリニア新幹線に否定的で、大阪東京を1時間で、しかも景色も見られない状態で走ることに楽しさがあるだろうかと言っていた。それは萎み切った古い世代のたわごととして退けられるに違いないが、技術は進歩し続ける運命にあり、その技術を使った何かは永遠に作り続けられ、そのことでまた技術が進歩して行く。そのことと人間の幸福感が比例すればいいが、そんな簡単なことではない。それで山田監督は60年代終わりから70年代初頭までが一番楽しかったと言うのだが、その頃を知らない世代が増えるにしたがって監督の考えは無邪気なものと排除される。リニア新幹線の次の次の次の世代では大阪東京間をたぶん1分で移動出来る何かを発明しているが、それを想像しても筆者は面白くも何ともない。かえって鈍行列車で一駅ずつ見ながら行く方が楽しいと思う。幸福感は技術の進歩があって増えるものではない。だが、日本は土建屋を食べさせる定めにあるので、幸福感よりも技術の進歩を言いながら、まだまだ建造物だらけにして行く。たぶん1000年先は東京はどのビルも300メートルを超えているか、それとも経済も萎む一方で現在の10分の1くらいの面積になっているかもしれない。他は芝生か畑、森林で、ようやく自然いっぱいになっているか。
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 さて、今までに何度も書いた皮肉なので、読んでも面白くない。萎む一方の存在が面白くないのはあたりまえで、虚勢を張って膨らみを見せようとする方が歓迎される。それで筆者もそうしてみようかと思わないでもないが、確かに自分が萎みつつあることを感じるこの頃で、年齢は正直だ。その年齢だが、筆者より一回り上の人は筆者を若くてうらやましいと言うから、おかしなものだ。つまり、いくら年齢を食っても、自分より上の人から見れば若いので、膨らむ余地はあると思えばよい。膨らむことに役立つのは他者と関わって何かに携わることだ。それは小さなことでよい。たとえば、わが自治連合会では小学生の学校への送り迎えのための人材を必要としている。朝は8時、午後は3時に学校へ行き、自分の自治会の児童を引率して各人を家まで送り届ける。この要員が自治連合会全体で5名ほどしかおらず、慢性的に少ない。自治会が14あるので、最低14人はいる。朝と午後を同じ人が担当するのは大変で、出来れば一自治会から2名ほしい。ということは28名で、それを5名程度でやっているのであるから、あまりに住民のボランティア意識が低い。それはさておき、わが自治会からは本年度は2名出ている。どちらも70代で、ひとりは足が悪く、あまり長時間歩けない。それでも往復1時間ほど、授業のある時は毎日引き受けてもらっている。その人は去年まではあまり自治会の行事に熱心でなかった。それが組長に当たり、筆者ともよく話をするようになった。その流れの中でもうひとりの要員が声をかけ、引き受けてもらえるようになった。その人が児童の先頭に立ってわが自治会目指して帰って来る様子に遭遇することがよくある。すると、その人の表情はかなり明るい。家に閉じこもっている方が気楽でいいかもしれないが、地域に貢献している気分を味わうのはもっと気分がよいだろう。金にもならないことなので、体を動かすのは真っ平と考える人の方が多いことは知っている。だがそんな人でも説得の仕方にかかっている。筆者はそうした説得によく当たる。それでたいていの人は引き受けてくれる。筆者が自治会長を担当し始めた時、それ以前にある委員を10年近く引き受けていた人がいた。筆者より4,5歳上だろうか。地元で生まれ育った男性で、寡黙で優しい人だ。その人は筆者が会長を4年担当して辞める時に長年続けた委員を辞退した。体調が思わしくなくなったからだ。それは本当で、たまに見かけると一気に老け込んだ印象がある。それは体の具合が悪いこともさることながら、今まで自分が地域のある委員をずっと引き受けていたことから解放されたことの理由が大きいのではないか。開放されれば楽だが、それは用がなくなって、自己の存在意義を見失うことでもある。
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 何事も潮時がある。その人がなおも長年続けた委員を担当することは出来ないことではないだろう。だが、その人がいなくても交代要員は見つけねばならなし、筆者はその仕組みを作った。それで筆者もさっさと会長を辞めたのだが、それで筆者が一気に老け込んだかと言えば、今も実質的な会長の仕事をしているも同然で、もう数年は自治会の規約がうまく機能するように自治会に関係し続けようと思っている。それが終わって完全にみなと同じ立場になった時、筆者は急に老け込んだと思われるだろうか。そうでないようにしたいが、毎年1歳ずつ増えるので、自治会に関わることに無関係に老けて行く。ま、筆者が心配するほどに自治会の運営はぎくしゃくはしないはずで、筆者が今すぐ手を引いてもどうにか動いて行くし、ほかの人たちは動かして行かねばならない。そんなことより心配なのは、やはり少子高齢化だ。「少子」に関してはわが自治会は今年4月は新1年生が6,7名も出て、児童数が30人近く、地蔵盆は当分盛況が続く。高齢化はどの自治会も同じで、これが問題だ。というのは、自治連合会は6つほどの各種委員を設けていて、各自治会はその人員を毎年確保せねばならない。ところが足が悪いなど、体の不調を訴える人がままあり、長い目で見れば活動が全体に萎んで行きつつある。思い切ってあまり必要ではない委員は廃止すればいいが、それを誰が切り出し、そのために骨を折るかとなれば、嫌われる役目でもあって誰も手を挙げないだろう。嫌われる役というのは、その長たる人は名誉職と思っているからで、それがなくなることは自分の存在価値がなくなるような気がするだろう。自治会の数は最初3つ4つであったのが今は14に膨れている。それは人口が最大であった頃のことで、その後減少一途でしかも高齢化が止まらない。ならば自治会の数を減らすしかないが、そのこともタブーとなっている。各自治会の特色が出ているうえ、対抗意識もそれなりにあるからだ。それを統合再編するのはそうとう難しいだろう。だが、いつか誰かがそれをやらねばならない。筆者は会長の4年間、その話を事あるごとにして来た。ならば自治連合会に入ってその仕事をすればよいという意見ももらったが、筆者だけが膨らむ気持ちを抱いても無理だ。みんな気持ちが萎んでいる。よけいなことをしたくないのだ。それで去年と同じ行事を同じようにこなして行く。新しいことをするエネルギーを持っているのはもっと若い世代だ。だがそういう人たちは仕事に忙しくてとても70代に混じって活発に動けない。
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 数日前、嵐山駅で電車に乗ったところ、すぐにある男性が入って来て筆者の前に座った。筆者に気づくと破顔してすぐに筆者の隣りに移動し、それから烏丸駅まで会話した。その人はわが自治会の住民であったが、去年秋に隣りの自治会に引っ越した。そのため駅にかなり近くなって、移動が便利になった。その人が住んでいた家はかなり大きかった。医者一家で、子どもたちはみな独立して家をかまえている。そのため、その大きな家を処分することにしたのだ。普通の家なら4,5軒建つほどの広い敷地だが、早く売りたいために業者の言い値で売ったそうだ。その人を知ったのはちょうど1年前で、それまで顔も知らなかった。それが知り合いになったのは、去年の今頃、次年度の各種委員を決める必要があったからだ。その人は引っ越すつもりであるので、自分は担当出来ないと告白し、他言しない約束でその人が委員に当たることのないように事を運んだ。どこか遠くへ引っ越すのかと思っていると、駅にもっと近い場所で、やはり地元がいいようだ。電車に乗ってどこへ行くのか、聞きもしないのによく話してくれたが、パソコンを一から学ぶためと言う。それに新しく始めたこともあるとのことで、それが何と和太鼓だ。奥さんに先立たれ、また70半ばか後半の年齢、しかも顔や手を少し震わせながら話し、全くの健康体とは言えないようだが、意欲は膨らむ一方といったところだ。「また遊びに来てください」との言葉は嘘ではないだろう。それは筆者となら馬が合うということのほかに、人恋しさかもしれない。もっと早く知り合っていると、もっとたくさん話をしたが、今からではどうだろう。そう思うのは筆者が萎み志向であるからかもしれない。それはさておき、今日もちょうど1年前に撮った写真を載せるが、いつもの4枚の定点撮影に新しい場所の2枚を加える。それを「マンション」と名づけるのは、駅前ホテルと同じ4階建てが出来るからだ。写真はまだ古い建物がある状態で、3000円弱の弁当を出す料亭であった。庭が広く、敷地は800坪弱、現在は更地になっている。この土地を坪100万ほどで阪急が買った。料亭の主はざっと8億得た計算だが、半分ほどは税金だろう。それでも老後は経済的には困らない。着あまり自治会に馴染まなかった店主で、地元に愛もなかったのか、10キロほど先に転居した。この土地はわが自治会内にあって、来年あたりにマンションが出来た暁には自治会への加入を勧誘しに行くつもりだが、坪100万の土地に建つマンションなら、一戸当たり5000万ほどか。それでは若い人は住めない。それで東京の企業の別荘になると、ホテル代わりに利用されるだけで、地元住民とは顔を合わせない。たぶんそんなことになっても別に気分は萎えないが。
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by uuuzen | 2014-02-02 23:59 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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