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●『郷土玩具「土人形」~伏見人形を中心に~』
め具合が見事な蔦の繁茂を今日は見かけた。カメラを持っていたのでその写真を撮った。それをこのブログに載せるのは1か月ほど先になるだろう。さて、今日は2週間ほど前に嵯峨芸術大学で見た展覧会について書く。



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そのポスターを見たのは、西郵便局のATMを使うために出かけた今月5日の日曜日であったと思う。去年11月から開催されていたのを知らなかった。今年の最初の開館は10日で、出かけ直すことにした。梅津の従姉宅に用事で行き、その帰りに寄ったが、正確な日を覚えていない。15日前後であったと思う。正しい日がわからないのは気持ちが悪いが、数日違ってもこのブログではどおってことはない。それよりも、よく覚えていることがある。従姉の家から同大学までは直線で1キロほどで、途中に田畑が点在し、道は複雑だ。田畑を少しずつ売って住宅が建つとそういうことになる。あてずっぽうで歩いていると、ほとんど元の場所に戻ってしまうことがある。その日もそうであった。それが癪で、思いとは反対の方向に行くと、ようやく見覚えのある道に出た。よほど筆者は方向音痴だ。帰宅して地図をしっかり見て覚えればいいのに、いつもそうしない。20数年経っても最短距離がわからない。もっとも、この20数年の間に新しい住宅がたくさん建ち、袋小路があちこち出来た。道を覚えても次に行った時にはそれでは到達出来ない場合があるだろう。それはともかく、郵便局のすぐ隣りが同大学の勝手口的な門で、それを入ってすぐ左に折れ、20メートルほど進むと左に向こうが見える格子の自動扉があり、その内部が大学の博物館だ。教室ふたつ分程度の面積で、部屋はひとつだ。こじんまりしていて、今日取り上げるような小さな作品を展示するにはよい。三方の壁にガラス・ケースが置かれ、部屋の中央にも展示ケースがある。そのため、絵画だけの展覧会は無理があるだろう。そんな展覧会が開催されたことがあるのかどうか知らないが、この博物館は出来た当初から郷土玩具を展示したので、それをまとめて寄贈した人との話し合いで、郷土玩具を見せるにふさわしい設えにされたと思う。この展示部屋の展覧会については以前取り上げたことがあると思う。それで本展については無視しようとも考えたが、気が変わった。と書きながら、書くべきことはほとんどないと思う。それでも以下、思いつくまたいつものようにやる。
 従姉の家からこの展示部屋に辿り着いた時は何となく嬉しかった。辿り着くのは当たりまえの話で、多少に道に迷って数分遅れるかどうかだ。筆者は見知らぬ土地をほとんど旅しないので、出かける時は必ず目的地に着くと考えている。考えているのではなく、意識すらしていない。着くことは当然であるからだ。それが筆者の現実というものだ。だが、睡眠中の夢はそうではない。今朝見た夢は、見知らぬ土地を歩いているものであった。正確に言えば、歩いているのではなく、足元が地面から数十センチ浮遊していて、スケートのように体が抵抗なく前進する。筆者はそういう夢をよく見る。時には体が水平になり、地面から2メートルほど上を泳ぐ形になって移動する。いつも訪れたことのない街が出て来る。そしてあちこち障害物があって、進行を幾分妨げられ気味になる。陸上競技の障害物競走のようなものだ。その障害で立ち往生させられることはない。そして筆者がどこへ行こうとしているのか夢の中で自覚していない。家に帰りたいとは思っていないし、用事で到達すべき場所もない。それでいて途方に暮れることもない。とにかく次から次へと知らない街角や道が現われ、時に部屋の中に入る。そこを出てまた全然違う場所の道を前進するのだが、そのうちに目が覚める。目的がないのに見知らぬ街を歩いている夢は、筆者の人生を意味しているかもしれない。いつも何かの用事で出かけ、そして辿り着いた後は帰宅する。それは夢とは大違いだが、人生全体として見れば、筆者はどこへ行こうとしているのだろう。その目的は何か。目的地を往復することは筆者にとっての「現実」でそれは睡眠中の夢とは全然違っているが、「現実」の総体は夢とそっくりではないかということだ。それで、今日は用事があって、午後に伏見桃山に出かけた。出かける前に、必要になることがあるかもしれないと考え、京阪の伏見桃山駅から最も近い郵便局を調べた。駅のすぐ東側の京町通りを500メートルほど下がったところにあることがわかった。それで、待ち合わせの時間より早く着けばその郵便局の前を歩こうと考えた。あまり乗り慣れない電車なので、待ち合わせ時間の30分前に駅に着いた。予定どおり京町通りを南下する。そこを歩くのは初めてだ。割合急な下り坂で、突き当りの宇治川までたぶん道はそのようになっているだろう。
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 京町通りは歩いていて気分がよい。住んでみたいほどだ。気分がよかったのは天気がよく、サングラスをかけたくなるほどの陽射しであったからでもある。そんな夢は見たことがない。見知らぬ道を行く夢は、いつも夕方か夜だ。それもあって、今日は短い間であったが、散策は楽しかった。待ち合わせをした後は今度は京町通りを北上し、丹波橋の駅まで行ったが、やはり気持ちのよい道だ。丹波橋の京町通りをさらに北上するとどこに至るのか先ほど調べると、師団街道ではないか。どこで道幅が広がるのか、その場所には行ったことがない。伏見街道は京町通りと並行して南北を走るが、伏見稲荷大社の前をずっと南下すると伏見桃山付近ではどの道につながるのかと思ってこれも調べると、国道24号線になる。車を運転しないので、そういったことにあまりに無関心だ。話を戻して、伏見桃山駅の改札を出て京町通りを南下し始めて間もなく、左手に大きなウィンドウがあって、その内部に所狭しとガンプラが飾られていた。筆者はガンダムに関心がないので、写真を撮らなかったが、先ほど気になってGOOGLE EARTHのストリート・ヴューで調べた。そしてそのウィンドウの写真を保存し、加工した。それが今日の2枚目だ。窓の前のバイクは今日はなかった。窓の幅は3メートルほどか。ガンダム・ファンには有名なものかもしれない。道行く人に見せているので、写真を載せても問題はないだろう。そのガンプラの勢揃いを見て多少うらやましかった。そのような贅沢な窓がだ。飾ることを主張したのはたぶんその家の青年だと思うが、親がよく許可したものだ。だが、ガンダムが悪くて、たとえば伏見人形がよいということはない。同じような飾り窓は、数キロ北の伏見街道沿いの丹嘉にもある。そこではもちろん伏見人形が飾られている。筆者がそのような飾り窓を所有するならば、何を人に見せようとするだろう。伏見人形の収集は言うほどの数と質ではない。他に何か自慢出来るようなものがあるかとなれば、何もないことに気づく。となれば、ガンプラをびっしりと並べる窓はそれなりに大したもので、面白くもある。だが、いかにももったいないのは、写真からわかるように、下に密集して、窓の大部分の面積は活用されていない。棚を数段作り、そこにも並べればいいと思うが、そうなると店と間違えられるか。また、そこまでの大量の種類がガンプラにはないのかもしれない。その飾り窓の少し南に郵便局があった。もう少し下ると、最初に書いた、塀にきれいな斜めの領域に生える蔦を見た。それは立ち止まって写真を撮った。初めての道を歩くことは夢と同じで、実際こうして書きながら思い出すと、今朝の夢と午後の京町通りを歩いたことの双方が夢のように思える。たまたま見かけたガンプラの窓や蔦の繁茂がそのような気にさせる。
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 嵯峨芸術大学の博物館は展示品の撮影が許可されない。部屋には誰もいないので、さっさと撮っても誰にもわからないようなものだが、その写真をこのブログに載せると、ばれてしまう。ブログに載せられないのであれば撮っても仕方がない。記憶にある映像を他者に見せることは出来ないし、また記憶はかなりうすらいでいる。それでは展覧会の感想にならないので、無理して思い出すと、まず格子の扉が開いた前方正面のケースには、本展のポスターや案内はがきに使われた古い布袋像がずらりと並べられていた。左から右に向かって次第に小さなものを置き、全部で12個であったか。伏見人形の代表的なものがこの布袋像で、大きいものは高さ50、小さなものは5センチ程度まであって、12どころではなく、もっと種類が大きい。ある店だけが作ったのではなく、伏見街道沿いにあった人形店の大半が同じデザインのものを作ったであろう。微妙に形や表情が違っていて、また彩色も変化に富む。わかっているだけでも300年近く作り続けられて来たもので、それだけ人気があったのは、台所の神様であるからだ。これを飾っておくと、恐ろしい火災から免れると信じられた。それは今でもで、同じ形の高さ3メートルほどの石像を宝塚の清荒神の寺で見ることが出来る。今年の正月は久しぶりにそれを見に行きたかったが、中山寺にした。清荒神はたくさん歩かねばならないのに対し、中山寺は駅を出てすぐに山門がある。話を戻して、本展の主役はこの布袋像で、大きな4,5体は学生から寄贈されたものと書いてあった。煤で真っ黒になったものは、高さ50センチ近いものでもネット・オークションで数千円で買える。珍しくないのだ。伏見人形の収集家の間では最も人気のないものだ。たくさんあるからで、またたくさん市場に出回っているのは、今はこの像を台所に飾る人が絶滅したも同然であるからだ。台所で火を使わずに煮炊きする器具がある時代だ。火事の心配などないと思っている人は多い。それでも火事は発生し、煤で真っ黒になったマンションの壁をTVでよく見かける。その火事現場では、新品の布袋像もすぐに真っ黒になってしまう。それはさておき、煤で黒くなった布袋像はそれだけ古いものとみなすことは出来るが、そうとも限らない。煤をていねいに拭い去ると、下からは比較的近年の彩色が現われることは珍しくない。古色を人工的に帯びさせて高値をつける捏造が伏見人形でも行なわれる。そのためでもないが、筆者は煤は全部除去する。煤の下の彩色まで剥がれる場合があるので、この作業は大きな緊張を強いる。3枚目の写真はこれを書くすぐ右に置いている布袋像の集合の一部で、実際は全部で11個ある。写真奥のものは高さ40数センチで、7,8年前に天神さんの縁日で6000円で買った。煤で真っ黒であったものを濡らした綿棒でていねいに拭った。4枚目の写真に写るものは11個のうちの最小で、同じ業者から去年12月の終い天神で買った。これくらい小さなものは比較的珍しい。それにこれは流し込みではないし、顔が猿のようであるのも見かけない。馴染みの業者で、ほかの同じサイズの伏見人形計3つで300円であった。
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 本展の主役が12個の同じ形の布袋像大小では、土人形や伏見人形の愛好家も足を運ぶ気になれないかもしれない。そう言いながら、25日で終わった。入って右手に記帳の用紙があって、筆者は名前を書いたが、それが3番目であった。すでに2か月近い展示であったのに、それだけの来場者しかなかったのかもしれない。この博物館はいつも筆者ひとりかもうひとりいるかのどちらかで、学生は見ているのだろうか。郷土玩具という古くさいものを今時の学生は関心を持たないだろう。暖房が利きすぎる室内でのせっかくの展示なのに、もったいない話だ。だが、欲を言えば、展示品の詳しい説明があっていいのではないか。郷土玩具に詳しい人ばかりが見るとは限らない。学生に関心を抱かせるには、そのとっかかりとなるアイデアが必要だ。話を戻す。本展は展示数が数百はあった。産地ごとに分けられ、土人形の代表的なものが網羅されていた。また、たとえば堤人形の同じ形のものでも、新旧が隣り合わせに並べられ、色合いや彩色の微妙な差がわかるようにしてあった。筆者は伏見以外の土人形にはほとんど関心がないので、堤と聞いてもほしいとは思わないが、ひとつ例外があって、ホームページのアイコンに使用している岐阜の起人形の蚕鈴のうち、宝珠型のみは大好きで、そのことは今までに何度か書いた。その宝珠のかなり大きなものが今回展示されていた。高さ40センチほどか。それがほしくてたまらないが、ネット・オークションに出た試しがない。またそれとほとんど同じ大きさの新品同様に保存状態がいいものを、ある老齢のコレクターに譲ってほしいと6,7年前に頼んだのに、聞くところによるとその人は2年ほど前に亡くなった。たぶん親しかった誰かが譲り受けたであろう。本当は筆者が譲ってもらえる約束であったのだが。ま、このことも以前に書いた。また話を戻すと、本展の伏見人形は古玩よりも新しいものが目立った。それらは派手な絵具がどぎつく、あまり楽しいものではない。かといって、煤で黒くなったものも避けたいし、伏見人形で味わい深いものはなかなか出会うのが難しい。それで本展で印象に残った伏見はないも同然であった。もちろん筆者が所有しない型はたくさんあったが、その気になれば比較的入手しやすく、今すぐにほしくはない。そうそう、最後に書いておくと、新京極にあるとあるお土産店にごくわずかに伏見人形を今も置いている。その店には筆者が親しく話せる女性店員がいる。去年の末、その人に筆者手製の「飾り馬」を見せに行った。話が弾む中、彼女はその店によく訪れる伏見人形の収集家が撮影したコレクションの写真について言ってくれた。そのコレクターの名前と住所、電話番号は聞いているが、何となくこちらから連絡しにくい。というのは、筆者の収集はあまりに貧弱で、とても他人に自慢するようなものではない。そのコレクターは、彼女が驚くほどたくさん人形を並べた大きな棚を持っているらしい。たぶん今日京町通りで見かけたガンプラを並べた飾り窓をもっと大きくしたような具合で、視野に収まらないほど左右端は棚が斜めに見えるだろう。そういう大きなウィンドウは丹嘉の内部にもあるが、それに劣らないほどの数かもしれない。その人の家の近くはよく訪れるので、いつかコレクションを拝見したい。
by uuuzen | 2014-01-29 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON
●天神橋筋商店街でティー・ブレ... >> << ●道を行く

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