●ムーンゴッタ・2013年12月
弧書きで今日は「嵐山花灯路」を副題にしようかと思ったが、写真でそれを示すことにする。昨日の夜は晴れで、外に出さえすれば満月の写真を撮ることが出来たのに、面倒くさくなってそうしなかった。



d0053294_0441938.jpg布団に入ったのは深夜1時頃で、ベランダに出れば撮影することも出来たのに、それもする気になれなかった。満月の本番の今夜撮影すればいいと思ったからだが、今朝の天気予報では夕方から雲が覆い、また雨も降り始めるとあって、ついに満月の写真を載せられないことになりそうだと少し焦った。その一方で、毎月変わり映えしない満月の写真であるから、以前のものを再使用してもわからないはずで、もうこのシリーズもやめた方がいいか、内容を一新すべきかと思った。それで今日はムーギョへ買い物に行くついでに、午後5時頃に梅津に住む従姉の家に行き、2時間ほど話し込んだ後、屋上に上がらせてもらって満月の写真を撮ろうとした。先月もそうしたが、雲がいっぱいで見えなかった。今日もたぶん駄目かと思いながら屋上に上がると、やはり駄目で、ほとんど諦めた。嵐山方向を見ると、嵐山が「花灯路」のライトアップで少し光っているのが見えた。その様子と満月を撮ることを一昨日から予定したのに、天気だけは運任せでどうしようもない。それでいつものように車で家まで送ってもらったところ、渡月橋をわたっている時、桂川下流を見ると、厚い雲から満月が急に姿を現わした。数秒の間にまたすっかり隠れてしまったが、家に帰ってすぐに出かけ直せば、また見えるかもしれないと心が躍った。買って来た食材を冷蔵庫に放り込み、急いでカメラを持って中ノ島公園に向かった、駅前に若いカップルがちらほらいて、「花灯路」目当てに来ているのだろう。先ほど車が渡月橋北端に差しかかった時、近所の土産店がみな開いていて、川岸にも人影が目立った。ざっと2,30名がライトアップされた嵐山を眺め、また三脚を立てて写真を撮っている。その手前の人影の向こう、右岸の中ノ島公園は屋台の光もちらほら見え、また嵯峨芸術大学の学生たちが造った大小の行燈も灯って、賑やかな感じがした。今日はあまり寒くなかったので、なおさらかもしれない。

 夜に人がたくさん繰り出すのはだいたい夏のことで、先日書いたように、若い頃の円山応挙の絵に堀川通りの夜店を描いたものがあることからもそう言えるが、夜の人工的な灯りは幻想的で人々が楽しむものであることもわかる。「花灯路」で嵐山をライトアップするのも、その幻想性を考えてのことで、紅葉の頃が過ぎてからでもかまわないと企画者たちが考えたのは、照明の色合いを青や紫、緑など、枯れ木の山であっても色彩豊かに演出出来るからだ。そして、今日ようやくわかったことがある。それは川面に光る嵐山が映り、幻想性が倍化するからだ。水面にライトアップされた紅葉が反射する幻想性は昨年梅小路公園の「朱雀の庭」で堪能した。それと同じことがもっと規模が大きく楽しめるのが嵐山の「花灯路」とも言える。だが、それを実感するには、渡月橋の上にたたずむだけでは駄目で、もっと上流の嵐山の対岸から眺めねばならない。今日はその写真を最後の4枚目に載せる。この写真は2,3枚目と同様、クリックで拡大するので、ぜひそれを見てほしい。この4枚目を撮影している時、あたりにほとんど人がおらず、夢の世界のような気がした。ひとり500円でライトアップされた嵐山を舟の中から見られるサービスが期間中行なわれていることはパンフレットで一昨日知った。その舟がゆっくりと上流から筆者の方に滑って来て、そのまま渡月橋を目指して行ったこともそのことに影響している。この舟が音を発したり、また中の人たちの笑い声が漏れて来ると現実に引き度されたが、そうではなかった。また、川の音も聞こえなかったのは水量が少ないせいだろう。波も見えず、川面に映る嵐山の樹木や泊まる屋形船の影がどこかこの世のものには見えない雰囲気がある。断っておくと、このパノラマ写真は撮って左右をつないだだけで、明暗や彩度を強調していない。だが、実際の明るさはほとんど写真のとおりで、筆者のおんぼろカメラにしてはよくピントが合ったものだ。この写真の上部に満月が見えていると絶好のものとなり、カメラマンが殺到するはずだが、残念ながら満月が昇る角度は桂川のもっと下流で、嵐山と満月を一緒に収めることは出来ない。それで一昨日から、ライトアップされた嵐山と」満月を別々に撮り、2枚を合成しようと計画した。そんな作り物もたまにはいいかと思ったのだ。その考えは今朝の天気予報で崩れ、従姉の屋上でまた潰えて、今夜は光る嵐山の写真のみで済ますことになるなと腹をくくった。それが渡月橋の中ほどで雲の隙間から満月が覗く様子を見たから、筆者は運が強い。そうは言っても、急に天気は変わるかもしれない。

 合成せずにどうにか満月と渡月橋、嵐山を収めたのが3枚目の写真だ。この右手に4枚目の光景がある。どうせならつなげればよかったかもしれないが、180度以上のパノラマ写真となってしまっては現実的ではなくなって面白くない。3枚つなぎで、残念ながら4枚目とは違ってピントがぼけているうえ、人の賑わいが感じられて幻想性はない。左端に明るく照っているのはたぶん嵐山を照らす照明の光だと思う。渡月橋の橋脚もいつもとは違って明るくなっている。これは専用の照明が上流と下流、そして右岸と左岸の計4か所に設置されている。以前に書いたように、ほとんど1か月前からの設置で、なぜそんなに早くするのかわからない。悪戯される可能性は充分あるからだ。この3枚続きのうち、左上に小さな満月がぼんやり見える。このように見えるのはほんの一瞬で、すぐにまた雲が覆う。30秒ほど待っていると、また顔を見せ、またすぐに隠れるを繰り返していた。それはともかく、今月もどうにか撮影出来た。そうとなれば今からでも雨が降ってもかまわない。さて、最初の写真は渡月橋の南端の少し上流で撮った。松が数本立っていて、その隙間に満月を捉えた。赤っぽく見えるのは、松の向こうに屋台や舞台、行燈などの灯りが多いからだ。2枚目は中ノ島公園の「花灯路」の様子で、この準備中の同じ角度の写真を先日撮った。中央遠くに渡月橋が見える。右手遠くに見えるのは左岸すなわち嵯峨地区の土産店で、このように8時頃まで営業することは珍しい。中央上部の大きな輝きは9月の台風の被害後に新たに設置された街灯で、これがとても輝きが強く、遠くまで光が届く。全く同じ形のものを一昨日奈良の興福寺境内で見た。光が強過ぎるので、満月がくっきりしていても全く負けてしまう。そのため、この2枚目の写真jから、その大きな灯り部分を切り取って載せようかとも思ったが、そうすると写真の天地が狭過ぎることになる。ともかく、この写真を見る限り、もはや人間は月の光を必要としない。この写真の撮影場所から100メートルほど南に温泉施設があって、今夜はその前の植え込みが白と青のLEDのイルミネーションで輝いていた。クリスマス・ツリーを寝かしたような形で、あまり趣味がいいとは言えず、もう少し日本的なデザインに出来ないものか。そうそう、思い出した。中ノ島公園では「花灯路」に設置されている10数種の小型の照明器具のデザイン・コンテストをやっていた。公園の隅の小屋の壁面にそれらの写真が貼ってあって、そのうち1点の番号を用紙に書いて投票する。その係員が4,5人いたが、全員筆者は初めて見る顔で、おそらく右京区の人たちだろう。筆者が選んだ照明は17番の鳥居型だ。これは伏見稲荷大社を参考にしたもので、全体は円柱形ではあるが、鳥居が10個ほど輪状につながっている。その内部から光が漏れる格好だ。断っておくと、嵯峨芸大の学生たちの行燈はもっと大きく、これは竹や木材に絵や字を書いた紙を貼ったもので、ほとんど使い捨てで、このコンテストの照明はそれらとは違って商品化出来るものだ。さて、「花灯路」は確か午後8時半で消灯で、筆者が家に着いたのは8時を少し回っていた。「花灯路」には興味がなかったが、満月の写真を撮るためにはいい舞台装置となった。とはいえ、今日の写真ではどっちが舞台装置かわからず、やはり「嵐山花灯路」を副題に添えておくべきかもしれない。

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by uuuzen | 2013-12-17 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編) | Comments(0)


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