●ムーンゴッタ・2013年9月
は無理でも白い団子はスーパーで売っていたであろう。だが、今日は午後7時から近くの喫茶らんざんで会合があって、スーパーに行く時間がなかった。



3日前の台風で被害があった自治会内の世帯にどのようにお見舞いをするかで、そのことはすぐに決まり、2時間の大半は筆者が知らなかった被害の状況を聞く側に回った。深夜2時半にすでに「花筏」界隈は床下まで水が溢れ、古い住民が暴風雨の中、渡月小橋に絡まった流木を取り除き、川の流れを変えたそうだ。そうしなければ、もっと流木が堆積し、「花筏」はさらに大きな被害を受けていたかもしれない。真夜中でしかもずぶ濡れになりながらの作業で、大きな危険を伴ったはずだが、街灯が照っていたのでさほど問題はなかったそうだ。夜が明けてからは積もった流木や泥の掻き出しも付近の住民が手伝ったとのことだが、マンションに住む新会長や自治会の端に住む筆者はそのようなことは知らなかった。深夜2時半と言えば、ちょうど寝入った頃で、その頃にすでに浸水していたとは、よほど豪雨がひどかったが、それはあまり感じなかった。先ほど聞いたところによれば、中ノ島の店には当夜、数人が泊まっていて、深夜に気づいた時には胸の辺りまで浸水していて、自力で動けず、消防署員に助けを求めたという。予想以上に浸水した家では大変であったようで、それは中ノ島の惨状を見ればわかるが、浸水した店でもすぐに営業を始めているところがある。それは店内の構造やどういう商売かにもよる。商店主たちはこれから観光シーズンの本番を迎え、少しでも早く営業を再開し、傷跡を見せないようにしたいのは山々で、早く中ノ島が復旧することを願っている。それにしても、たった一晩で様相が一変するのであるから、本当に明日はわからない。昨日調べると、中秋の名月の今日から23日まで、嵐山一帯でさまざまなイヴェントが行なわれる予定であった。そのひとつに法輪寺での名月を愛でる催しがある。今日は満月なので、法輪寺の舞台から満月を撮影し、その写真を載せようと昨夜決めた。午後7時までに撮り、その足で喫茶店に向かえばよいと考え、ちょうど6時に家を出た。
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 途中、自治会の体育委員に伝えることがあって話をし、法輪寺の石段下に着いたのは6時15分頃だ。すると、催しの立て看板がなく、石段の両脇に置かれるはずの灯りもない。まだ薄暗いので時間が早いのかもしれないが、どうもそうではなさそうで、本堂前に行っても誰もいないような感じだ。石段の前に立つと、そこはバス通りから5メートルほどは高く、樹木の間に月が見えた。写真を撮り、そのまま帰ろうかと迷っていると、背の高い西洋人の若者がふたりやって来て、彼らも戸惑いながら、石段を上がって行っていいものやらどうか迷っている。そして、彼らが上り始めたので筆者はにしたがった。100段ほど上ると目の前に本堂だ。やはり催しは中止で、舞台にいた2,3人が外に締め出されていた。他にも数人あちこちにいたが、みなイヴェントがあるものと思って来たのだろう。筆者は舞台から見た満月の写真を撮るのが目的であったが、その舞台には入れない。そこで舞台の外から満月を眺めて3,4枚撮った。そのうちの2枚を最初に掲げる。まだ多少は明るい空に満月が浮かぶ様子を撮影したいと思っていたことが今日はかなった。それに、今月の満月は上るのが少し遅く、わが家の前からでは建物が邪魔して見えないと予想したので、法輪寺の高台であれば早い時刻でも見えるだろうと判断した。今夜の満月が、空が真っ暗になってからしか見えなかったのかどうか、それは知らないが、法輪寺に行ったことは正しかった。ただし、催しがなかったのはさびしい。法輪寺は台風の被害らしきものを受けていないので、単独で名月を愛でる催しを開くことも出来たが、麓の旅館などに被害があったからには、お祭りは出来ない。せっかくの中秋の名月だが、個人が黙って味わうのもよい。そんな気持ちで法輪寺の石段を下り、渡月亭の角を曲がって船揚げ場の前の道を歩いた。台風がなかったかのように道路はきれいになっていた。それを言えば法輪寺の石段も葉っぱ1枚落ちていなかった。温泉が近づくと、前方に満月が見えた。法輪寺で見た角度からしてそれは信じ難かった。思いとは90度くらい違う。だが、道は中京のように碁盤の目状にはなっておらず、筆者の方向感覚がおかしいだけのことだ。毎月満月が上る位置はわずかに異なる。それがわかっていても、予期しない場所にぽっかり月が浮かんでいるのは奇妙だ。奇遇という言葉があるが、それと似た感じだ。
d0053294_059140.jpg 温泉は営業していて、その灯りが何となく温かい。被害がなかったので、よけいにそう感じるのだろう。災難に遭遇する人には悪いが、災難は遭わない方がいいに決まっている。だが、熱心に神頼みするから災難に遭わないかどうかとなると、これは人それぞれに考えによる。となると、災難を災難と思わない逞しさを持てる人の方が人生を楽しく過ごせる。温泉の前を通って太鼓橋をわたる。そして「KKP OUT」の黄色いテープが張られた中に入った。ほとんど誰もいないので、咎められない。また、川の水嵩はうんと少なくなって、濁流に飲まれる心配はない。目指すは一昨日写真を載せた東屋だ。その前にあった流木はまだそのままになっている。荒涼とした光景だが、薄暗い中ではそれも目立たない。月と瓦礫と東屋がうまく入る角度を選んで写真を撮った。向こうには桜の林が見え、その向こうはテニス・コートでその照明が眩しい。あたりまえのことだが、浸水で商売が上がったりのところもあれば、それとは無縁のところもある。アニメの『火垂の墓』の最後にもそんなシーンがあった。飢え死にしそうな兄と妹が洞窟で生活している一方、戦火に焼かれなかった裕福な家では幸福な笑いと音楽が流れている。いつの時代もそうだ。今回の浸水被害は個人が負担するが、中ノ島の修復は京都市がやるだろう。観光名所であるからには、一刻も早くするはずだ。元通になれば、いつかまた洪水に襲われる。先ほどの会合で聞いた。昭和28年が大洪水で、その時の被害は今回の比ではなかったそうで、阪急嵐山駅は屋根まで水没した。防災マップでは3メートルの深さの浸水が予想されている。それはおよそ60年前の大洪水の被害からも算定しているのだろう。会合の中で、今回は人が死んだり、けがをせずに済んだのが幸いで、60年に一度は浸水すると思っていればいいではないかという意見があった。とはいえ、きっちり60年に一度やって来るとは限らない。異常気象が騒がれる近年、来年も同様の台風が到来し、浸水被害をもたらすかもしれない。さて、東屋の向こうの月を撮影して帰宅すると6時半で、会合まで少し時間がある。7分前に喫茶店に向かったが、会合がなければムーギョとトモイチに行って、団子ではなくても、甘いものを買って来たかもしれない。
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by uuuzen | 2013-09-19 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編) | Comments(0)


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