●ムーンゴッタ・2012年4月
上八幡行きの高速バスがあることを、去年夏に岐阜に行って市バスに乗った時、運転手の背後の仕切りにあった広告で知った。



その時、家内がそこに一度行きたいと言った。先日そのことを思い出した。家内が行きたい理由は、数年前に亡くなったお隣の奥さんがそこで有名な踊りを夏に見に訪れたことを聞いたことがあってよく覚えているからだ。ともかく、岐阜から戻って、早速郡上八幡について調べた。すると、長良川鉄道というローカル線が岐阜よりもう少し東に行ったJR駅から出ていて、それに乗れば1時間半ほどで着くことがわかった。岐阜から高速バスに乗るのとでは、時間的に差がない。料金もほぼ同じだ。となれば、景色を楽しむには鉄道の方がいい。長良川鉄道は、昔の風情を残す駅舎などがあって、鉄道ファンには人気が高いことも知った。筆者は鉄道ファンではないが、レトロなものが見られるのならばそれに越したことがない。そうこうしているうちにすっかり郡上八幡のことは忘れた。それで家内には金沢に行こうと何度かこの春には言った。ところが、家内の体の調子がここ2週間ほど優れず、とても旅行出来る雰囲気ではなかった。それでもどこかへ行きたいというので、近いところで彦根や近江八幡など、まだ行ったことのないところにでもするかと考えた。それなら日帰りも出来る。そうこうしているうちに、家内の仕事の春休みがなくなりかけた。その最後が昨日と今日で、そのことを1週間ほど前から知っていた。日帰りはいつでも出来るので、やはり1泊はしたい。そこで急に郡上八幡のことを思い出した。まず天気の心配があったが、雨が風情があるとある旅館のホームページにあった。次に気温を調べると、何とこれが2,3度という寒さだ。まだ桜も咲いていない。これでは体を壊すことになるかと心配し、ぎりぎりのところで断念した。筆者にすれば、満月の写真を初めて京都以外の土地で撮ることが出来てよいと考えたが、どうやら夏の方がよさそうだ。今年の夏には行くかもしれない。郡上八幡は小京都と呼ばれ、江戸時代に文化を取り入れ、言葉も近いそうだ。強く行きたいとは思わないが、家内がぽつりと言ったので、行くのもいいかと思う。京都に住んでいるのであるから、わざわざ小京都に行く必要はないと言えば言える。だが、小京都の方が京都らしい家や町並みが残っている。京都は寺や神社は昔のままに近いとしても、そのほかは全く現代風に様変わりし、もはや本当の、筆者が幼い頃に知った懐かしい京都らしさはない。それを思ったのが今夜だ。次の段落はそれについて書く。
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 今夜は満月であるから、カメラを持って出かけた。郡上八幡行きがなくなった代わりに、家内はどこかぶらぶらしようと言う。それで、終日出かけた。まず思ったのは、これも以前家内が言った『金閣寺を見たことがない』という言葉だ。筆者は10回から20回は行っている。そのうちの1回は家内と一緒に出かけたはずだが、記憶は定かでない。ともかく、京都に住んで長いのに金閣寺に行ったことがないとは異常だ。今日はまずそこに出かけた。結果を言えば、金閣寺の境内を出た時、家内は筆者と交際していた大昔に一度行ったことがあることを思い出した。だが、その頃は金箔の修復が行なわれず、あまり光っていなかったという。その後金箔は二度貼り返られた。そのたびに筆者は訪れている。今日見たところ、輝きはいささか減じているようであった。金閣寺で写真をたくさん撮ったので、その話題については後日書く予定でいる。金閣寺を見た後、展覧会をひとつ見て、それから母の家に行った。その途中、バスから賀茂街道沿いの鴨川の土手を見ると、若い花見客がブルー・シートに座って数百人ほどいた。まだ寒いし、桜は3分咲きだ。河原沿いに座っていると風邪を引く。母と1時間ほど談笑し、四条河原町にバスで出たのが午後7時頃であった。鴨川が見える場所まで行って、満月の写真を撮ろうとした。ところが、たぶん昇るはずの方向には南座がそびえている。おそらくその背後だろうと考え、木屋町通りに戻って、夜桜を見ながら南下し、団栗橋まで行った。そこまで行くと、東山を遮るものはうんと減る。ところが、空には星が見え、雲は一片もないというのに、どこを見渡しても月はない。時計を見ると7時半だ。おかしいな。昨日は今日が曇天雨天の場合を懸念して、ムーギョに向かう間に数枚の満月の写真を撮っておいた。その方向にほぼ同じ時間に見えるはずと思ったのがどうやら間違いで、1日違えば月が昇る時間はうんと遅れるようだ。それにしても7時半になっても東山を越えて昇らないとは、えらく遅いではないか。道行く大勢の花見客は、今夜が満月で、それが東山の上に見えることをほとんど知らないと見える。
 筆者は満月が見えないことにイライラし始めた。そういう様子を家内はすぐにキャッチする。そして、そういう時、どのように接すればいいかもよく心得ている。ともかく、まず何か食べようということになった。食事が終わってから撮影してもいいではないかと家内はなだめた。食事が終わったのは8時20分だ。四条通りに出て東を見ると、やはり満月は見えない。そんな馬鹿な。だが、ビルが邪魔しているのかもしれない。それに誰も満月など気にしていない。そう思うとまたイライラが始まった。せっかく四条河原町で桜と一緒にでも満月を写したかったのに、その思惑は外れた。それが悔しかった。それに、京都市内の中心地で満月が見えないとは、もはや京都は死んでいるも同然ではないか。ビルを林立させ、何が古都で歴史都市だ。ただの猥雑でちっぽけな町に過ぎないではないか。だが仕方がない。バスに乗って帰ることにした。松尾橋の3つ手前のバス停で降りて、トモイチで買い物をすることにした。いつもは7時台に訪れる。それが今夜は9時10分前になった。こんなに遅く訪れるのは初めてだが、10時まで開いていると聞いたので、まだ大丈夫だ。バスを下りてトモイチに踵を向けた途端、前方の空高くにくっきりとした満月が見えた。それを撮ったが、いつもと同じような写真であるから、またイライラがぶり返した。今頃見えても遅いんだよ!買い物を済まして歩いて家まで帰る途中、仕方なしに3枚撮った。そのうちの1枚は、5分咲きの桜の隙間から撮ったもので、構図は申し分なかったのに、先ほど加工しようとしたところ、月が明る過ぎて、丸い輪郭が消えていた。桜もそれとはわからない。ここでも予定が狂い、またイライラが生じた。結局昨日と今夜撮った満月写真10枚ほどのうち、まともなものはそれぞれ1枚ずつであった。今夜はその2枚を載せる。面白いことに、どちらも筆者がムーギョまでの散歩道で一番気に入っている、小川沿いの白梅の古木の際、大きな畑の前だ。写真左下隅に放射状にうすく映る直線は清水寺が天に向けて照らす青い照明だ。団栗橋のたもとで見た時は、それが水平に近かった。8キロほど離れると、角度が大きくなっている。昨夜と今夜の満月の位置を比べると、今夜はより南に近い。四条通りを東に向けて歩いていると、真東に見えていたものが、今夜はかなり南だ。団栗橋で確認した時は、もっと南方を見るべきであったのかもしれない。記憶を辿ると、そのもっと南まで見渡したはずで、7時台にはまだ東山を越えていなかったに違いない。それにしては、わずか2時間ほどで急な角度にまで上昇するだろうか。地平から少しずつ昇るのではなく、急に上空のある一点にポンと貼りつくのではないか。あれこれ考えながら、松尾橋を越えてすぐの電光掲示板デジタル気温計を見ると、摂氏3度。これでは郡上八幡は零下だろう。行かなくてよかったか。今月の満月の写真は、いくつも予定が狂って、いつもどおりの散歩道からとなった。この変わり映えのなさにイライラするが、仕方がない。
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by uuuzen | 2012-04-07 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編) | Comments(0)


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