●嵐山駅前の変化、その156(ホテル)
馬は一日にして成らず。昨日の駅前ホテルの建設現場の写真には、コンクリートを流し込む青いホースが立っているのが写っていた。



塀で囲まれているので、内部がどのような状態であるか正確にはわからないが、基礎工事の最中であることだけは出入りのコンクリート・ミキサー車からもわかる。地下の工事が終われば順次上へと建物が次第に姿を現わすが、これも覆いをかけてのことで、高さが増して行くのがわかる程度だ。今日は去年12月9日に同じ角度で撮った駅前ホテルの工事写真1枚を掲げる。段落数が少なくて済むので楽だが、さて何を書こうかと、枕言葉に戻ると、わが家の裏庭の向こうに今日1日で家が建った。もちろん基礎コンクリート工事が先にあったが、それも1週間ほどのことで、コンクリートを打つのは数時間もかからなかったのではないか。木造2階建てで、材木は工場で全部寸法どおりに加工済みのものをトラックで一括して運び、今朝から組み立てて、午後3時頃には屋根まですっかり完成した。木造とはいえ、昔の藁や土で壁を形成するのとは大違いで、プレハブと同じだ。本当に1日で35000万円ほどの家が建つ。歴史的時間で言えば、瞬間も瞬間、手品みたいだ。わが家の裏庭のすぐ向こうに小川があり、その向こう岸が畑であったのが、今日建った家はその岸ぎりぎりまで敷地を取っているので、裏庭に出るとその家に住む住民と顔を突き合わせる格好になる。それでも100メートルほど離れた場所から見ると、わが家とその家の壁同士は20メートルほど離れて見える。それはわが家に裏庭の分の空き地があるからだ。その庭を潰して建て増しでもしていれば、本当に小川の幅だけ離れて家同士が対面する。裏の畑には家が建たないと昔から聞いていたので安心していたが、ひょっとすればという思いもあって、筆者は20数年前から小川に面して樹木を繁茂させ続けた。それが向かい側の新しい家からわが家の内部を覗かせないように作用する。また、樹木が繁茂し過ぎて向かいの家に迷惑がかかる恐れもあるが、小川を越えて向こうに到着しかかっていた大きな合歓の木は、建築業者が先日邪魔だとばかりに1,2メートルほど切り落とした。筆者が向こうの敷地に行ってその作業をすべきかどうか迷っていたところなので、こっちに無断ではあるが、勝手にやってもらってよかった。だが、ずっと工事で大音量を放っているし、またそうしたことが予めわかっているにもかかわらず、筆者らに全く挨拶のひとつもなかったから、仁義も何もあったものではない。せめて町内の組長や自治会長だけにはあってもいいと思うが、その役割をしている筆者に何の連絡もないのであるから、家が11軒全部建った時に、自治会への勧誘をどうしたものかとも思う。それはさておき、これ以上は望めない効率のよさで組み立てられる家であるところ、3月の大地震の津波で簡単に押し流されたことは全くよく理解出来る。そうした紙のように脆い家を買うために男は生涯を捧げる。哀れな話だ。そんな家はローンが終わった時には寿命が尽きようとしている。つまり、自分の人生よりも命が短い。そういうものが歴史に残るはずがなく、住宅業者の生活を支えるために永遠に作り続けられる。そう言えば、先日見た映画『どっこい生きてる』では、木造の平屋を大人数人が引っ張って、いとも簡単に倒してしまう場面があった。その頃と今とで何がどう変わったというのだろう。
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 先日副会長と話をして、60年ほど前に、わが自治会に樫の巨木があったことを耳にした。また別の女性からは、40年ほど前に裏庭に樹齢数百年ほどの楓の巨木が4,5本あって、文化庁が写真を撮りに来て保護すべきと言ったりしたそうだが、それらは今はない(と思う)。筆者が嵐山に来てからも、大きな松が何本も次々と枯れてしまい、随所にあった森のイメージはすっかり消えた。そうした老木の代わりにマンションや一戸建て住宅が建ち、道路が舗装された。そしてゴミの量が膨大に増え、それを狙う烏が数百羽も嵐山に生息し、一方で野良猫に餌をやる孤独な人が増えたことで、そのペット・フードを狙ってまた烏が増える。桂川の中州には雉が棲んでいたが、今はもういないかもしれない。住宅が増え、嵐山がさらに観光名所として宣伝されると、地元に金は落ちるが、それはごく一部の人のものだ。大多数の人には関係ないどころか、うるさいだけだ。そうそう、わが家から20メートルほど離れた場所にあるわが家の専用駐車場に去年のある日の夜、若い真面目そうな20代前半のカップルが乗った車が停車しようとした。当然筆者の知り合いではないので、どこの誰かと訊くと、少しうろたえながらどこそこの知り合いと返事する。来客ならば、それ専用の駐車場があるからそこに停めるようにと伝え、その場所に車を導くと、ふたりは大慌てで逃げ去った。駐車代をけちって他人の家の駐車場に勝手に停めようとするのであるから、いい根性をしている。そのまま黙って停めさせ、警察を呼んでレッカーで移動させればよかった。こういう泥棒に近い者に嵐山をうろうろされると困るが、春や秋の行楽シーズンになると、そういうのが増える。昔はラヴ・ホテルがあったので、もっとだったろう。そう言えば、今は数十戸の独身者用の大きなマンションが、40年ほど前はラヴ・ホテルであったと先日聞いて、なるほどと思った。まさにそれにふさわしい場所にひっそりと建っているからだが、その前は、戦前戦後をにぎわした大女優の家が建っていたのことで、また驚いた。大女優の姿や演技は映画で今でも見ることが出来るのに、その女優が住んでいた大きな屋敷は跡形もない。それどころか、その後に連れ込みホテルが一時期建っていたこともほとんど誰も知らない。そんなどうでもいいことを知っていても仕方のない話で、せいぜい自治会内に配り物をする筆者が、『この家が建つ以前はここはどうであったのか』などと興味を抱き、そして、現在70代半ば以上の年齢に達している人からたまに何かの拍子に聞く程度でいいのだ。市や区の歴史に残らず、地図にも残らず、あったことすら誰にもわからない。そういうことは市内の繁華街を歩いているともっと感じる。一昨日家内と久しぶりに河原町界隈を歩いたところ、いくつもの店が別の店に変わっていた。数年前に出来た大きな本屋が閉鎖になり、告知看板には、次は東京の持ち主が遊技場に改装するとあった。パチンコ屋か、ゲーム・センターだろう。家内はまるで浦島太郎になった気分と言ったが、毎週新しい店が出来る河原町なので、若い人でもそのように感じるのではないか。だが、人が毎日死んで生まれて来るように、店も絶えず潰れては新たなオーナーが生まれる。樹齢数百年の樫の木のような風格のある建物となれば寺くらいなものだ。幸い羅馬と同じように一日で成ったものではない京都にはそれがたくさんある。
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by uuuzen | 2011-10-25 23:57 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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