●嵐山駅前の変化、その117(脇道)
という言葉を昨夜はさまざまに思い出していた。物でも人の心でも絶えず傷を負う状態に晒されている。物の場合は風化という別の言葉がある。



時の経過とともに物の表面に傷がつき、それがますます大きくなってやがて内部を侵食する。人の心も同じようなところがある。老人になると多少のことで動じなくなるが、それは感じる神経が磨耗して鈍感になっただけと見ることも出来る。傷は時の経過とともにあらゆるところに出来る。放射能のことを調べていると、セシウムやストロンチウム、プルトニウムなどがあって、それぞれにまた数字がついた別の種類が多くあるので、素人にはさっぱり区別出来ないが、話題になっている半減期というものには誰しも関心があるだろう。これは放射性物質が別の何かに変わってその効力を半分に減ずるまでの期間を言うが、プルトニウムは24000年だったか、とにかく想像を絶するほど長い。子孫の代とかいったレベルの問題ではない。そのこともあって、プルトニウムを使って発電することに抵抗がないようにも思える。人間は24000年先のことを知ったことではない。9割以上が自分の曾お祖父さんのことをほとんど何も知らないし、自分のことも曾孫に知ってもらえるはずがない。昨夜こんな夢を見た。ある少女が野球のボールほどの透明な玉を手に持って遊んでいる。少女はそれを手品のように操るが、いつの間にか少女の体内に入り込んでいる。それが衣服や肌から透けて見えている。最初は笑っていた少女だが、その玉を体内から取り出せないので、顔をしかめて困惑し始める。そのうちもがき苦しんで倒れるが、少女の体はすぐに地面に染み込んで消える。ところがそこにはさきほどの透明な玉がそのまま落ちている。そして勝手に浮遊し、また別の少女目がけて飛んで行く。その玉はプルトニウムだ。それが恐ろしい効力を失うまでどれほどの人の命が奪われるだろうと、夢の中で筆者は思っている。だが、気がつけば辺り一面に同じ玉が無数に浮遊している。それは土の中や海の中、そして食物や動物など、あらゆるところに移動出来るが、その玉が見えている人物はほとんどいない。たいていの人はそんな玉があることさえ知らない。また見る能力のある人でも、さきほどの少女のようにその害から逃れることは出来ない。そのため、何万年の映像を1分で短縮して見た場合、動物や植物など影すらも見えないが、その透明な玉だけは猛烈な速度で動き回りながら漂っている。夢の中で筆者はこのような悪夢がなぜ存在するのかと憤っているが、天から小さな声が途切れ途切れに響いて来る。神の声だ。だが、それはもはや死の間際というか細いものだ。その声はこう言う。そのような恐ろしい透明の玉を無数に作ったのは人間だ。人間は自ら滅ぶように今まで進化して来ただけだ。あらゆる生き物の中で最も愚かだが、それを反対に最も優れていると自惚れたことが、悪魔と取り引きしたことなのだ。神さえもそこまで人間が堕落しているとは思わなかった。神を殺すのは人間であり、人間は神よりも偉いと思ったのだ。人間は悪魔になったのだ。
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 放射性物質の恐いところは、遺伝子を傷つけることだ。先日のTVでやっていたが、今は血液検査でどれほど遺伝子に傷がついていて、将来どのような病気になるかがわかるらしい。ただし、10パーセントの癌になる確率と診断された人と、その反対に90パーセントの可能性が出た人とでは、当然前者が健康で安心と思うが、そう簡単に将来の病気がわかるはずはなく、前者が案外2,3年後に死に、後者がもっと長生きすることがあるらしい。それはそうだろう。であるので、何も高いお金を医者に支払ってそんな損な検査をしてもらう必要はない。どうせみんな死ぬのであるから、癌にならずに何年生きるかなどどうでもいいではないか。10年などあっと言うまだ。人間は誰しも、先の夢に出て来た一瞬で消えてしまう少女の存在だ。そして、最も傷を受けにくい強固なものがプルトニウムだ。人間はプルトニウムになればいい。そうすれば放射能の心配はないし、何万年も生きることが出来る。おそらくそんなことを考えて放射性物質を体内に取り込んで平気な、あるいはそれがかえって健康にいいと言い始める学者も出て来るに決まっている。傷を負うと、体にはそれを治そうとする仕組みが具わっている。遺伝子の傷もそうなっているのかどうか知らないが、老化とはその治癒能力が減退することだ。傷を治す能力が、傷を負う速度に耐えられなくなる。この現実を人間は遺伝子など知らない大昔から知っていたはずで、その現実を受け入れるために、日本ではわびやさびの精神が発達したのであろう。欠けたもの、割れたもの、歪なもの、汚れたもの、みな老化の象徴だが、それが人間のたどるべき実態であるとすれば、それを積極的に評価すべきではないか。完璧なものなどあり得ない。あってもごくごく一瞬で、すぐに傷を負い始める。プルトニウムでさえ、24000年経つと半分は風化してしまうではないか。人間などせいぜい数十年で、人生など一瞬だ。であるから、生きている間に楽しい夢をせいぜい見ることだ。傷を負うのはあらゆる存在にとって必至、それは美的でもある。人間は普段どおり生きていても傷を受ける存在であり、また他人に傷を負わせもする。その最たるものが戦国時代の斬り合いであるし、戦争時代の爆撃だが、この傷は、建設的な事柄にも存在している。たとえば何か新しいものを建設するとする。その場合、その場所にあった元のものを傷つけて撤去しなければならない。創造とは破壊と同義なのだ。そのことをインドの哲学はよく知っていた。だが、24000年という人の手に全く負えないものを生み出して、それを利用して今この瞬間だけ、そしてごくごく狭い範囲の自分たち同族だけよければいいと考えるのは、地球温暖化のために二酸化炭素を排出するなといったレベルの問題とは天地の開きがある。だが、もう手遅れだろう。人類は24000年も持たず、せいぜい数百年ではないか。それまでの間、せいぜいお祭りの日々で浮かれ騒げばいい。今日の写真は去年9月30日のもの。
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by uuuzen | 2011-07-20 11:58 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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