人気ブログランキング | 話題のタグを見る

●嵐山駅前の変化、その112(円形階段、駅舎から広場)
虫が裏庭の芋の葉に乗っていたので、気持ち悪いからと家内が地面にはたき落とした。それを聞いて裏庭を見ると、コンクリートの上に長さ8センチほどの黒いものが伸びている。



近寄ったところ、赤と黄の斑点がわき腹にきれいに並んでいる。芋の葉につくのはスズメガとだいたい決まっている。ジェット機のようなキイロスズメガの幼虫は毎年その同じ芋の葉に数匹繁殖してすっかり芋の葉を食べ尽くすが、それはうすい青緑色だ。スズメガが蝶とは違って鑑賞にはさっぱり向かないので、芋虫を鳥に食べさせるように目立つ場所に置き直してもいいが、せっかく生まれて来たのであるから、それはかわいそうだ。それで元どおりに芋の葉に載せてやった。芋虫はどうしてもいやという人は多い。筆者は毛虫は苦手だが、芋虫は無防備でかわいいと思う。7,8年前、裏庭の高さ4メートルほど椿の木に大量の毛虫が発生した時、素肌にその毛虫がいくつかくっついて腫れ上がった。その毛虫が毒を持っていることをネットで知り、早速駆除にかかったが、とにかくすべての葉の裏側にびっしりと10匹ずつほどついている。スプレー缶の殺虫剤を吹きかけると、もがき苦しみながら地面に落ちて行く。そのようにしてほとんど丸1日費やして全部取り払った。椿の葉は半分ほどが食べられていたが、その駆除以降、その毛虫は発生したことがない。だが、今年も同じ季節がやって来た。風通しが悪く、雨が長く続くといつ発生してもおかしくない。どうやら梅雨明けはしたようだが、蒸し蒸しした天候はさすがその音のとおり、虫虫は好きなようで、油断は出来ない。芋虫や毛虫がひらひらと飛ぶ蝶や蛾になる変態は、赤ちゃんから老人まで同じ形のまま生きる人間からすれば信じられないが、人間は変態ぶりをきっとセックスでやろうということになったのだろう。変態の頭文字を取ってHと言うことを小学生高学年の時に知った。その後このHを、セックスするという表現の時にも使うようになった。「Hする」と言うと、「セックスする」よりも何だかぴんと来ないが、それが元は「変態する」という意味であることを考えれば納得出来る。だが、「セックスする」という表現も「Hする」と同じほど新しく、ここ3、40年ほどではないだろうか。それ以前は「性交する」と言っていたが、これでは文学的かもしれないが露骨ということでいやがられたのだろう。だが、どう表現しても、誰でも想像する内容は同じで、恋人同士や夫婦ではストレートに「お○こしよう」と言うから、日本語はまだ何でも表にあからさまに出さない思いが根強い。それは美的感覚か、あるいは羞恥心をわきまえてのことか、こういうことを専門に調べて研究する人もきっとあるだろう。
●嵐山駅前の変化、その112(円形階段、駅舎から広場)_d0053294_1228619.jpg

 下品な話のようでいて、そういう言葉の変化が時代のそれを案外最もよく反映している。これは家内から聞いたが、家内の両親はキスをしたことがないと言っていたそうだ。それでも子どもを5人もうけたから、昔の人はどういうセックス・ライフであったのかと、家内と語り合ったことがある。現在のアダルト・ビデオに登場するようなセックスはみなアメリカの影響を戦後強く受けたもので、その一方ではシャワーが簡単に浴びられる世の中になったことの影響も大きい。本当に戦前の人がキスをあまりしなかったのかどうか知らないが、あまりしなかったとして、それは口の中にばい菌がいっぱいで、そのことが不潔という思いにつながったのだろうか。一方、TVでは虫歯は口の中のばい菌が影響し、それがひどいと死に至る病まで引き起こすという番組をたまに流すから、キスは性交するのと同じほどばい菌の問題に慎重になる必要があるかもしれない。つまり、男女が触れ合うことは危険がいっぱいだ。それを思い過ぎて、異性は必要ないという人もきっといるだろう。だが、キスの前に歯をしっかり磨き、ラボリス(昔のうがい薬)でうがいをしてからと恋人に言われると、もうふたりの仲には溝が入る。それは、新婚旅行の際、新婦が母から教えられたと言って、ベッドのシーツの上に汚れても平気な敷物をし、それを新郎が興醒めしたといった話を思い出させ、体液が汚く嫌悪すべきものであると考え過ぎると、キスも出来ず、セックス拒否症になるだろう。ばい菌の心配を超えて、とにかく合体したいという本能が勝るのでなければ、子どもなど生まれるはずがないが、そういう時期はやはり若い頃となっていて、次第にばい菌の思いの方が増して行くのではないか。それはばい菌に対する抵抗力が若い頃はまだしも、老人になると減退することを本能が知っているからでもあるだろう。ともかく、あまりばい菌のことを言い過ぎるのはよくないが、筆者でも誰かと話をしている時、2メートルほども離れているのに、強烈に相手の口臭が鼻をつくことがあって、筆者がその人の恋人ならばきっと別れると思ってしまう。ところが、そういう強烈な臭いが好きという人もたまにいるようで、臭ければ臭いほど性的に興奮する。人間はとかく得体の知れないもので、どうにでも変化するこんにゃくのようなところがある。あるいは芋虫と言い換えた方がいい。裏庭のコンクリートの上にぺたりと伸びていた黒い芋虫は、遠目に見た太った女とさして変わらないはずで、人間がセックスで変態をやらずに、この言葉の本来の意味どおり、さなぎにんまって羽化する存在であれば、人間はどんな羽を持ってどのように空を飛びまわっているだろう。その姿こそ実は蝶や蛾であって、それを人間と同じとみなす方がいい。
●嵐山駅前の変化、その112(円形階段、駅舎から広場)_d0053294_12282351.jpg

 昨日駅前ホテルの写真を撮った。工事中を示す塀が一斉に取り除かれ、ホテルの門や建物の全貌があらわになった。オープンは秋だが、それまでの間に内部を整え、また社員教育をする。何もなかった平らな土地に建物が建ち、数十年かそれ以上建ってまた平らな土地になる。何もないことと何かあることは同じようだ。芋虫が蝶や蛾になり、その蝶や蛾がまた芋虫になることもそうで、何事も絶えず変化はするが、その変化は大きく見れば少しも変化していないと考えることも出来る。昨夜TVで40年前の森進一の歌う姿が見えた。さすが若いと言いながら、それが森進一とわかるのは、何か変化していないものがあるからだ。たとえば20年や30年ぶりに同窓会を開くとする。お互い老けてはいるが、即座に誰かとわかる。同じクラスであったのはわずか1年やそこらであるはずで、その後離ればなれに過ごした年月がその何十倍も長いはずなのに、かつての特徴をよくつかんでいて、すぐに誰かとわかる。変化が著しくても、変化していない何かが大きいからだが、このことはよく考えてみる価値がありそうだ。時は刻一刻と過ぎ去り、天気もすぐに変わるように、あらゆるものが形を変えるのに、変わってしまわないものがある。これはすべてのものが変化するとはいえ、変化の速度がシンクロしている同窓生の場合は、ちょうど電車の窓から見える景色でたとえれば、電車の動きにつれて風景も同じ方向に動くことで、電車が止まっていると感じることと同じなのかもしれない。それは同窓生が一時期同じ時間を共有したからで、先の森進一にしても同じことだ。実際に会ったことがなくてもTVで昔からよく知っている。この一時期の時間の共有こそが個々人の人生で、幼から老へと不可避的にそれは進むが、老になる頃には別の幼が出現していることは、自分の子や孫で実感出来る。自分の子孫がいなければ他人のそれでもいい。そして、その考えを広げると、駅前ホテルの建設と、数十年後のその取り壊し、そしてまた新たな何かを建築といったように未来を想像出来る。その想像を通して、今この瞬間が、どういう時期とも等しい価値を有していると考えることも出来る。もちろんそれは人さまざまで、現状が耐えられないからそれを打破しようともがく人もあるし、甘んじる人もある。それら一切をひっくるめて、形は違えどもみな同じ状態というように感じる。この場合の状態は、存在しているということだけではなく、存在していないことも含む。たとえば、眼前によく知る道がある。そこを筆者はいつも散歩するが、かつては誰かと歩き、また別の日は別の人と歩いたといった多くの記憶がある。そのため、その誰もいない道を前にしながら、そこには筆者が記憶するあらゆる存在が見えない形で存在していると感じる。つまり、無だが有なのだ。そしてその有がいつか完全な無になることを知っている。だが、それは筆者個人の話であって、別の人の思いの中にはまた新たな無と有の思いが宿っている。そういう全思惟を前にして、有が無で無が有と改めて思う。悟りにはまだほど遠いが、存在の変化や時間についてたまに考えてみるのはいい。ということで駅前の変化シリーズにふさわしいことを今日は書いたかな。3枚の写真は去年9月21日の撮影で、明日も同じ日のものを載せる。丸1年以上前の写真を掲げなくて済むように、またこのシリーズを再開して、せっせと溜まっている写真を載せねばならない。
●嵐山駅前の変化、その112(円形階段、駅舎から広場)_d0053294_12284167.jpg

by uuuzen | 2011-07-09 12:28 | ●駅前の変化
●『アメリカ古代文明 人 自然... >> << ●嵐山駅前の変化、その113(...

 最 新 の 投 稿
 本ブログを検索する
 旧きについ言ったー
 時々ドキドキよき予告

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
言ったでしょう?母親の面..
by インカの道 at 16:43
最新のトラックバック
ファン
ブログトップ
 
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  ? Copyright 2024 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.
  👽💬💌?🏼🌞💞🌜ーーーーー💩😍😡🤣🤪😱🤮 💔??🌋🏳🆘😈 👻🕷👴?💉🛌💐 🕵🔪🔫🔥📿🙏?