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●梅雨時の白花三題、その5
の日がいつだか気にとめたことがないが、昨日がそうだったらしい。息子が何か気の利いたことをしてくれるはずもなく、むしろまだまだ親がかりで、つい自分が28の時と比べてしまう。



今は長命になった分、昔に比べて10歳は若いと考えた方がいいとよく言われる。となると息子は18、筆者は今50だ。なるほどそんなものかと思う。だが寿命が延びたといっても、その延びた分が若い時代にであればいいが、老人時代が長くなったと見るのが正しいのは言うまでもない。先日のネット・ニュースで100歳まで生きることは可能とあったが、晩年の2、30年を病院のベッドに縛りつけられて、病院だけを繁盛させるのはまっぴらだ。本当にみんな100歳まで生きることを願っているのだろうか。前にも書いたが『ガリヴァー旅行記』には死なない老人が登場し、その不死の病はみんなから恐れられている。自分の子どもも含めて知り合いみんなに先立たれ、しかも目が見えず、耳も聞こえない老体だ。そんな状態でなおも生き続けなければならないとは何たる不幸かというわけだ。100歳まで生きるとしても、成長が遅く、若い時代が50年ほど続くのなら、まだセックスも大いに楽しんで生き甲斐もあろうが、そんなことにはならない。女も30を越えると卵子に何らかの異常が出る確率が増えるのはやはり同じままで、長命になった分、結婚が遅くなり、健康な子を産めない心配が増した。おまけに昔のように子をたくさん産まないから、国力は低下する一方だ。100歳が100人いると10000歳だが、100歳が10人、残りは全部50歳で、それが180人いる10000歳社会の方が活力のあることは誰の目にも明らかで、寿命を延ばすことより、たくさんの子を産む方が動物的に見ても健康と言える。長寿がいいとされて来たのは、長命である人が比較的稀であったからだ。つまり希少価値だ。長寿はその人の生き方によってそうなる部分が大きいので、そのことを生存欲が強いと表現するつもりはないが、医療の動きを見ていると、どうもそうではなく、長寿ビジネスが生じ始めている。つまり、将来は金持ちだけが100歳まで元気に生きる時代になるはずで、そこには長寿を金で買ってまでも享受したいという、我欲剥き出しの世界が広がっている。それは現在の健康食品ブームを見てもわかる。いつまでも元気でいたい、いつまでも女を喜ばせたいあなた、毎日これを服用しなさいといった謳い文句の食品は跡を絶たない。その果てにあるのは、遺伝子レベルで長寿の秘訣を解明し、長生きしたい人にはその手立てを処方しますといった病院の出現だ。これは簡単に言えば人間社会が弱肉強食社会であり、ジャングルの野獣と何ら変わらない、いやそれ以上にえげつないものであることを示している。
●梅雨時の白花三題、その5_d0053294_1232955.jpg

 数日前、TVで長命の秘訣の特集をやっていた。それは誰もがうすうす知っていることを改めて伝えてくれた。結局長生きの秘訣はカロリーを取り過ぎないことに限るというものであった。人間には老いを防ぐ遺伝子がある。それは普段は眠っているが、摂取カロリーが減り、それが10日ほど続くと、働き始める。人間は長い歴史の間に飢餓を何度も経験し、その危険が迫ると、体の老化を防ごぐために特定の遺伝子を働かせるようになった。その遺伝子は飽食の時代になっても人間は保持しており、いつ何時でも飢餓状態が訪れると働くように設計されている。つまり、カロリー摂取が少なくなると、その少ないカロリーでも生きて行こうとし、その分、老化を遅らせようとする。つまり、見た目の年齢の若い人は、摂取カロリーが少なく、その遺伝子を働かせているのだ。となれば、ここ1か月、筆者は体重が激減したことは、その分若返ったとも言える。実際昨日家内は筆者をしげしげと見ながら、えらくスリムになって若く見えると言う。今まで以上に飢餓遺伝子が働いているのだろう。腹八分目と昔の人は言った。まさにそのとおりで、おいしいもの毎日腹いっぱい食べるとろくなことはない。だが、このことは、人間の一生はうまくバランスが取れていることを示す。従兄らを交えて筆者は親類の食事会を年に2回ほどするが、その時従兄が筆者に毎回言うのは、「めったに食べられないご馳走やから、しっかり食べときや」だ。冗談と思って聞き流しているが、失礼な話だ。豪華な食事がどういうものか筆者が知らないと思っているのだろう。それに、筆者は豪華な食事に興味がない。それはいいとして、その従兄が言うには、「人間、好きなものをたくさん食べて早死にするか、ろくなもん食べんと長生きするかのどっちかやで」で、これは先の飢餓遺伝子から言えばそのとおりだ。ろくなものを食べられない人間ほど長生きするということになる。だが、そんな甘い考えは通用しない。金持ち万歳のアメリカ文化は、何でも金持ちの望みどおりに社会を動かして行くから、「健康で長命」はしっかりビジネスの視野に入っていて、飢餓遺伝子を摂取カロリーが低い状態でなくても働かせようと考える。もっともな話で、実際そのような薬がもう開発され始めている。毎日服用すれば、150キロの体重で、毎日5000キロ・カロリーの食事をしても、100歳になっても20歳の体を維持出来る。そういう時代が来るとアメリカは信じている。もちろんその薬は貧乏人は買えないから、相変わらずろくでもないものを食べ、長生きはしても、現在の老人と同じようにしょぼくれて死ぬ。そんな時代はもう半世紀ほどもすれば出現するだろう。ここで当然予想されることは、飢餓遺伝子を無理やり薬で働かせた場合の副作用で、きっと人間はとんでもない形で復讐される。それをまた抑える薬を発明し、また副作用、また抑えるの連続でどこまでも欲望をとことんまで追及する。そしてそれが獣以下とは誰も思わない。だが、獣はもっと潔い。
●梅雨時の白花三題、その5_d0053294_123476.jpg 渋沢龍彦が晩年に書いた本に、花との出会いは一期一会と言うが、自分には去年の薔薇と今年の薔薇が全く同じに見えると書いていた。全く同じ薔薇が毎年咲くかどうか。人間が毎年少しずつ老いるのであれば、薔薇も毎年変化があるだろう。それに薔薇が去年と全く同じとしても、それを見る自分は去年と全く同じではあり得ないから、やはり一期一会だ。だが、薔薇にさほど変化がなく、また自分も去年と同じような変化に乏しい人生を歩んでいる場合、去年見た薔薇と全く同じ花が今年も咲いていると思うだろう。渋沢はきっとそんな状態であったのだ。この渋沢の話をたまに思い出す。薔薇から見れば人間も渋沢が思ったように思うことがあるのではないか。つまり、薔薇にとって人間はみな同じで、少しも去年とは変わらない。ところが、そこに本当は100歳であるのに、20歳の若さの人間が立てば、薔薇は首をかしげるのではないか。人間は薔薇を同じ状態で1年持たせようとは思わない。いくらでも咲くし、またすぐに枯れるから美しい。薔薇にとっての人間も同じであろう。であるから、昔の人は花との出会いは一期一会と言ったのだ。薔薇にとっての人間は、自分と同じように季節ごとに命を交代させて行くものであって、同じ命が薬や何かで実際に重ねた年齢と見た目の年齢に差があることを望んでいない。自然にしたがって生きて、子孫を残し、その子孫が相変わらず薔薇の前に立ってそれを美しいと思う。だが、青い薔薇を望んだり、一本で七色の薔薇を作ったり、今は薔薇を人間の長寿操作並みに実験道具にする時代だ。一期一会を否定し、いいことには何度も出会いたいという人間の欲望はとどまることを知らない。さて、今日もまた梅雨の白花シリーズとしよう。昨日大阪に展覧会を見るために出て、途中で何枚か撮った。最初は白い薔薇だ。わずか三つだけ、しかもとても小さなものが街角に半ば忘れられたように咲いていた。薔薇園の大きな白い花でなくて、この小さな野薔薇のようなものがいい。2枚目はユッカだ。筆者はこの植物を小学5年生の時に担任の先生から名前を教えられた。校庭の片隅に植わっていたのだ。ドラセナとユッカをセットで教えてもらったが、その時、ただ1回聞いただけで名前を記憶した。さすが先生、何でも知っていると思ったものだ。だが、同じ場にいた他の児童の何人がその名前を記憶したであろう。花の名前など知らなくても、男は金儲けするのが一番偉いとどんな家でも教え、日本はその後オリンピックを開催し、高度成長した。そして、今も相変わらずユッカはひっそりと、あまり鑑賞もされずに公園の片隅などに植わっている。筆者はこの植物が白い花をつける姿は好きだ。観葉植物がこのように直立した枝を伸ばし、そこに大きな丸い花を鈴なりに咲かせるのはとても豪華な気分だ。3枚目は通りの片隅のプランターで見つけた。初めて見る小さな花で、名前を知らない。調べるのが面倒、鳥博士さんはわかるかな。
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by uuuzen | 2011-06-20 12:03 | ●新・嵐山だより
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