●嵐山駅前の変化、その105(円形階段、脇道から広場)
険屋の長年の知り合いがあって、一昨日電話でしばし話をした。彼の妻が、筆者の大阪の中学時代の仲のいい同級生であったが、数年前に肝硬変で亡くなった。



中学の時にはスポーツ・ウーマンであったのが50代半ばで逝ってしまったのは、B型かC型の肝炎か、昔の注射の際に感染したらしい。残された旦那は筆者よりひとつふたつ年長だが、人当たりがよく、保険屋にはもって来いで、大手の保険会社から独立して新たな代理店を立て、去年数人雇って新たな建物に移って営業を続けている。それはいいとして、一昨日の電話では、同志社の同窓生のある女性と最近話をする機会があって、その女性が終始旦那のことでため息をついていた話で盛り上がった。それは、定年退職した夫にすることがなく、終日パジャマ姿で家でごろごろ、奥さんはその姿を見るのがいやで、週3日ほどのパートをもっと増やそうかと考えているそうだ。そして、今60歳を越えたばかりの世代では同じような夫婦が少なくないとのことだが、不況もあって定年後の仕事がなく、家ごろは仕方のないところがあるだろう。今さら図書館に通って何か少しずつ学ぶという気力もおそらくない。そういう読書や勉強は企業に勤めていたからこそで、会社と無縁になれば、見聞を広げ、自己を高める思いがさっぱり起こらないのが普通だ。筆者は今年60になるが、定年の感覚は全くない。あるいはそれを持つことの出来るほどの蓄えがない。定年のある職場に勤務する人は、たとえば家内の兄もそうであったが、最も多い時の年収が1000万で、退職金は時代とともにうんと減って来たらしいが、それでも数千万あった。となると、定年しても当分は貯金がたっぷりあって生活には困らないから、とても恵まれている。生涯賃金で言えば筆者はその兄の10分の1以下で、定年がない代わりに死ぬまで生活費の心配をしながらやり繰りせねばならない。であるから、先のパジャマを着て終日家でごろごろは、筆者から見ればあまりにも贅沢、大名と同じに見え、その奥さんが夫の姿にげんなりすることもまた贅沢に思える。かといって60歳以降に20年かそこらを毎日そのように何もする気力がないまま過ごすのは、本人にとっても妻にとってもやり切れないことであるのもわかる。家内の兄は定年後別のところに数年契約で働いているが、聞くところによると退職金は家の修理などでほとんど消えたこともその理由だそうだ。貯金もまた同様だ。仕事していた時の生活レベルを落とすことが出来にくく、また支出は減らないから、蓄えは目減りして行く。だが、そうこうしている間にみな病気や老衰でうまく死ぬようになっているので、あまり経済的なことを心配することもないのかもしれない。
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 家でごろごろは筆者も同じと言える。家の中でする仕事であるし、また仕事の注文を積極的に取るために動いたためしはないので、収入は家内に頼るほかない。それでわが家では昔から夫婦が逆転した形になっているが、家内も定年を迎えると、ふたりで家の中でごろごろして、収入が途絶え、餓死ということにもなるかと、そんな想像をしないでもない。その前に筆者が何とかせねばならないが、それを言い続けて30年経ち、事態は好転するどころか悪化の一途で、それで今年はサラリーマンならもう定年の齢だ。自分ではまだ若い頃と同じだけ、あるいはより以上に気力があり、また元気さも持ち合わせているつもりなので、これからが正念場と思っているが、思い返せばこの10年は本当に早く過ぎ去った。今もたとえて言えば、新幹線に乗りながら、窓を開けて外を見、いつ飛び降りれば怪我をしなくて済むかといったような、瞬間ごとの判断を求められるスリリングな立場にあることを実感する。猛烈な時の動きの中で、瞬時瞬時に最適の判断を下さないことには、大怪我をして取り返しがつかない。そういう気分だ。これは先のパジャマで終日ごろごろとは正反対だろう。厚生年金もたっぷりあってお金の心配をさほどしなくても済む生活が理想的と思う人が多いのは確かだが、ものは考えようだ。そういう状態になければもっと溌剌として行動的になるし、そっちの方が同じ時間を過ごすとしてもはるかに楽しいことではないか。であるから、定年後にボランティアをする人が多かったりする。みな何かに打ち込むことに憧れがあるのだ。その点で言えば筆者はやりたいことだらけで、気分的に老いている暇がない。ところが、若い世代でもそうではない者がいる。筆者の知る40歳の夫婦で、子は3人いて全員小学生、夫は自営業でとても羽振りがよかったが、不景気から2年前に店をたたみ、今は何もしないで毎日家でごろごろしている。そして奥さんがしびれを切らせて最近勤めに出るようになったが、あまりも過酷な仕事で、ふらふらになって深夜帰宅する。夫は一度もハローワークに行かず、仕事を探したことがない。充分な蓄えがあるので、それで当分は食いつなげるようだが、夫曰く、自分は大学を出て一度も他人に使われたことがないので、今さら会社勤めは出来ないし、また自分のような者を使ってくれる会社がこの不況ではまずないと諦めている。とはいえ、それで奥さんを働かせて自分は何もしないでは、いずれ奥さんから離婚話が出るかもしれない。夫婦の間ははたからは見えないことがあるので、筆者はよけいな口を挟みたくはないが、ただ思うのは、恋愛期間中にその夫がどういう夢を妻となるべき相手に語ったか、またそのことをその女性が冷静に判断出来なかったのかとは思う。筆者も家でいつもごろごろと同じ状態に他人からは見えるだろうが、収入に即つながらないとはいえ、毎日こつこつと考え、やっている仕事がある。問題はそこだ。家内が外で働くことが出来るのは、簡単に言えば筆者に賭けているからだ。これが何も賭けに価しないような、パジャマ家ごろ状態ならば、とっくに家出しているだろう。
 だが、その点も夫婦はさまざまで、パジャマ家ごろの夫を慈しむ妻もあるはずだ。定年まで一生懸命働いて来たのであるから、今後はのんびりすればいいではないかとの考えも夫婦にあってしかるべきで、年齢に応じて人間は変わるものと達観すればいい。それに、定年の年齢に達しているのに、まだ若者並みに元気で活躍となると、若い世代が頭角を現わす機会が減少する。それは一種の弊害でもあり、元気なうちに隠居するのが本当はいい。だが、その隠居がパジャマ家ごろでは妻から嫌われるから、好きな趣味でも見つけてそれにひとりで打ち込むというのが理想だ。その中にボランティアを置く人がもっと増えると、たとえば今回の巨大地震では大きな助けとなるが、動けば金がもらえると思う人の方が圧倒的に多いし、またボランティア人生で老後を過ごせるほど経済的に豊かな人は割合からすればものすごく少ないのではないか。それほどに今の日本はちょっと動くにしても金がいるように出来ている。であるからパジャマ家ごろなのだ。さて、夜はまだ寒いので、筆者はパジャマの上着を着て寝ているが、今朝目覚めのTVで、ワイド・ショーをやっているのを耳にした。画面をちらりと見ると、昔アイドルだった中年男性が番組のホストとなって出ていた。他の番組に出るところを見たことがなく、毎朝のその番組だけでおそらく食べて行っているのだろうが、長年続いている番組であるし、本人もまだまだその席から外されないと自覚しているはずで、筆者はその男性を昔からあまり好きではないこともあって、「サラリーマン的芸能人の代表やな」と家内に言った。家内は「緊張感がないわね」と返事したが、まさにそのとおりで、走る新幹線の先の比喩を持ち出せば、彼の生活がちっとも楽しいものに、また格好よくも見えない。芸能人は明日どうなるかわからないという仕事の代表であるべきで、そういう思いがあるからこそ、芸に磨きもかかる。これが毎朝どうでもいいだれた話で豪邸に住めるのであれば、視聴者はそんな芸能人を朝っぱらから見せられるのはさっぱり面白くない。そういう同じ番組を長年受け持つ芸能人は昼の番組でも出ているが、筆者はそのチャンネルにたまたま合わせると即座に変えてしまう。と言いながら、さてこうして書く筆者の毎日の文章がだらけていて、パジャマ家ごろ状態に陥っていないかどうかはわからない。筆者はパジャマ派ではなく、下着のまま寝るが、そのためにここ数日で風邪気味になり、それが鼻炎を誘発したようにも思える。今日の写真は去年9月6日の撮影で、本来は2枚目の写真の左端につながる別の1枚がMOに保存してあったが、ファイルが壊れてなくなった。だが、その写真は昨日の最初に掲げた「関係者以外立入禁止」の看板がかかる覆いのあるフェンスと同じ角度のもので、見る価値はない。
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by uuuzen | 2011-05-26 13:06 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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