●嵐山駅前の変化、その82(広場)
ソリンが一番ほしいと地震の被災者たちが語っているのを聞いて、田舎ではどの家にも自動車が欠かせないものであるらしいことに気づいた。もちろん都会のどの家庭でも車を所有するのが普通だ。そう言えば妹の家ではひとり1台ずつある。



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筆者は若い頃から車の免許を取る必要を思わず、今なおそのままだが、どういうわけかわが家には駐車場のスペースが2台分ある。家内は筆者に車の免許を取ればいいのにと、ずっと言い続け、現在でもその思いに変化がないようだ。車があれば日本国中どこへでも行けるというのがその理由だが、駅のすぐ近くに住んでいるので、車の必要性を感じない。徒歩でスーパーに行くのは、運動がてらで、わざと遠方の店を選ぶ。やはり車がなくても不自由を感じない。車があれば、一度に買い物がどっさりと出来て便利なようだが、毎日歩いて行くことで運動になる。それに車を所有すると、ガソリン代や毎年の税金、毎月の保険代、2年に一度の車検代など、経費はかさむ。それでいてあまり乗らないとなれば、タクシーを利用する方がはるかに安い。今はやりのエコ生活を言うのであれば、まず車を利用せずに、なるべく自転車か徒歩、あるいは電車を利用するのがよい。だが、田舎では家が密集せず、買い物や病院通いなど、車がなければ何かと動きに不便なのだろう。だが、津波で流された車の多さを見ると、あまりにも車に頼った生活で、避難した際に車の渋滞を来たし、それで亡くなった人もあるから、便利な車に復讐された気がする。車のなかった時代はどうして過ごしたのだろう。車を持つようになってまだ数十年で、その間にライフ・スタイルが一変した。田舎にそれだけ多くの車が普及するほどに、田舎の人々の生活が豊かになり、また舗装道路が隅々にまで出来た。車の便利さを覚えればもう後戻り出来ない。筆者が田舎に住めないと思うのは、この移動の不便がある。移動しなくても平気となれば田舎暮らしもいいだろう。もうそういう心の境地になっていい頃からもしれない。車がなくては何事も始まらないでは、車に首ねっこをつかまれているようで、とても不安だ。そして、その車はガソリンという餌が欠かせない。車があってもガソリンがなければどうしようもないという事実が、また車を所有する気分を削ぐ。車があれば移動に便利でも、車を持つこと自体がいろいろと面倒かつ不自由であり、そのことを代償として便利を得るとの発想が気に食わない。その点、電車のような公共の乗り物はいい。筆者が今のわが家に住むことを決めたのは、車を持たずとも便利に移動出来るからであった。郊外の一戸建てに住むことがはやった時代の後、今は駅前の大型マンションに住むことが大阪や京都では盛んになっている。これは不動産業者がそのように次々と流行を作り出しているからであって、同じことは車や電化製品にも言える。流行遅れの筆者だが、いずれ流行がひとまわりして筆者に追い着くのではないか。そんな気がしている。
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 今日と明日掲げる写真は去年の7月27日に撮ったものだ。去年の夏は記録的な猛暑であった。今年はどうなるのか、冷夏であってもクーラーを使う人は多く、電力が足らないことが懸念されている。津波による瓦礫の撤去や原発の放射能漏れが一段落しなければ気分が落着かないが、どっちも長期戦という見通しが立って、毎日NHKのニュースを聞きっ放しにしながら、ぼんやりと先行きの不安を思っている。昨日のTVでは、福島原発についてある老人が、地元の人々で反対したのは老人と子どもで、推進派が発言力を持っているので、結局そっの意見に押し切られて原発が出来たと語っていた。別の老人は、いつか事故が起きると思っていたが、まさか自分の生きている間であったとはと言った。また別の中年婦人は、原発で若い頃働いて地元に雇用先が出来てよかったと思っていたが、今回の事故で裏切られたと話した。今日のニュースでは、ついに魚にも放射能の影響が出て、漁労出来なくなったことを伝えていたが、野菜や魚、牛乳と来れば、次に鶏や牛、豚にも影響が出るだろう。そして関東と東北のそうした食材が駄目となれば、関西から持って行くこととなって、物価の上昇は避けられないどころか、その比率はきわめて高くなり、筆者が毎日スーパーで出来るだけ安物を選んで買っている行為はさらに切り詰められて、もはや買えるものがなくなるという事態になる可能性もなきにしもあらず。そのため、原発の直接の被害はなくても、日本全体が大きな影響を受ける。そういう不安が漠然とあるから、桜の季節というのに、あまり観光地に繰り出したい思いになれないのだろう。そして、そういう自粛ムードがさらに経済を冷え込ませる。そうなった時に困るのは、被災者を除けば、収入の低い人だ。昨夜家内が河原町で体格のいいホームレスを見たと言った。40代半ばの元サラリーマン風の男性で、ズボンが破れてかなり汚れていたらしい。だが、そういう点を除いて背広を着用すれば立派なサラリーマンに見えるはずというから、仕事を失ったか何かで、路上せ生活せざるを得なくなったのだろう。どんな仕事でもよけれ何かあると言う人は多いが、そうでもなくなって来たのではないだろうか。また、先日ネットで見つけたが、そうしたホームレスが狩り出されて、原発の炉内部の定期的な清掃に従事するという。当然放射能で体が汚染され、最期は癌で死ぬ。今回の震災によって家も仕事も失った人が、同じような仕事に就かざるを得ないという想像は完全に的外れとは言えない。ある日急に誰でもそういう境地に至る可能性がある。
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 地震と津波の死亡者と行方不明者が3万に近い数字になっている。その中にはネットに盛んに文章や写真を載せていた人もいるだろう。あるいは、投稿途中だった人もいるはずで、それがそのままになってパソコンどころか家もろとも消え去った。そして、その人のそれまでの投稿がネット上には更新されすに今後も残る。事情に知らない訪問者は、コメントを書き込んでもいっこうに返事がないので、失礼な奴だなと思うこともあるだろう。また、今回の地震では、瓦礫の中から必死に写真を探す人が目立つ。急にいなくなった家族を偲ぶよすがとして、写真に代わるものはないとの考えだ。そこで思うのはブログだ。筆者は毎日写真を掲載している。ただし、筆者や家内の顔を示すものは1枚も載せていないので、被災者が探す写真とは意味が違う。自分の顔をホームページやブログに載せる人はあるし、フェイスブックという新しいコミュニケーションの道具では、自分の顔写真を載せて知り合いをたくさん作って行くものとなっている。筆者はそれを利用するつもりはないが、津波で失っては困るような貴重な写真は今のうちに、今日掲げる駅前写真と同じように、「ヤフー・フォト」にでも溜め込んでおこうかという気がしないでもない。このように、インターネットには、災害があってもデータが失われない利点があって、サーヴァーにそれを保存しておくと安心感が得られるのではないか。パソコンの機能がよくなって、データは何でもパソコン内部に保存出来るのが常識となっているが、筆者のように全体で2GBの容量しかないパソコンでは、データはMOやフロッピーに保存しなければならない。それは不便なようでいて、いざとなった時、それを持ち出せばいいので、安心感がある。だが、その記録媒体が壊れればそれまで、バックアップは欠かせない。そんなことを考えていると、いっそサーヴァーに全部保存しておくのがいいと思えて来る。だが、巨大地震でサーヴァーの大型コンピュータが壊れればそれでおしまいなので、電子化されたデータはしょせんはかないものか。結局写真は紙に焼いた昔ながらのものが一番よく、他のデータも印刷してモノ化しておくのが安心につながる。「いやいや、それは大津波で一挙に持ち去られ、やはりサーヴァーに保存すべき」といったように、思いは堂々巡りする。一番いいのは頭に焼きつけておくことだが、老齢になればそれも少しずつ消えて行く。そして落ち着くのは、有名人でもないのであるから、データをどういう形で残しても誰も喜ばず、いずれ消える運命にあるとの思いだ。何だか暗い話になってばかりだが、地震のニュースに毎日接していると、明るい気分になれない。そんな思いでいると、同じ美しい自然でもいつもとは違ったように見える。今日掲げる写真のように、真夏の光を見る頃になればこの思いがどう変化するか。
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by uuuzen | 2011-04-05 23:59 | ●駅前の変化 | Comments(0)


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