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●嵐山駅前の変化、その60(売店)
才は天成のものか。先日心斎橋を歩いていると、同じビニール袋を持った若者がぞろぞろと歩いていた。筆者は買ったことがないが、ある格安の衣料品を売るブランドが海外進出を果たして巨大に成長し、別のブランドを設立した。



その店が数日前にオープンした。それ以降初めての休日ということで、店の脇道には大勢の若者が列をなしていた。それを整理しているのが、昨日書いた女性が混じった警備員で、小雨の中、御苦労なことであった。雨天でもあって、当日の心斎橋は大混雑を来たしていたが、それに加えてTVで宣伝されるその新しい店に群がる客だ。安い服がはやるのは時代の趨勢だ。バブル時代はデザイナーズ・ブランドとか言って、給料より高い服が飛ぶように売れた。それはかなり奇異な光景であった。素材もたいしたことがないものがそのような高額で売られたのは、金回りがよく、使ってもすぐに懐に転がり込むという思いがあったからだ。先日書いた西宮の小さなブティックでは、店主が選んで来た商品を並べて、店をよく知る顧客めいた人に売るという商法であったが、Tシャツ1枚が1万円かそれ以上という価格では、客層は限られる。家内に言わせると、バブル期以降でも女性のブラウス1枚が10万や20万するものが百貨店では売れていたそうだが、そういう客はいつの時代にもいるとしても、比率としてはごくわずかで、供給元もそれに比例した数で充分だ。そういう商売よりも、金に乏しい大多数の庶民を相手にした方が儲かる。スーパーマーケットと同じ感覚だ。それに若者は衣料を消耗品と捉え、品質がさほどではなくても数がある方がよい。若者がそういう安価なものを着ていても、若さの魅力で充分に映える。それに、品質もそこそこよくて、いや、むしろ高額な商品によくある脆弱さがなく、かえって物持ちはよくなっているかもしれない。心斎橋に新しく出来たその店は、以前は確か靴屋であったと思う。皮靴があたりまえであった時代にはかなり有名な店であったが、今から30年ほど前に高額なスニーカーがはやり始めて、その店にかげりが差したように思う。今では皮靴よりスニーカーの方が高い場合がよくあり、それだけファッションはカジュアル化したわけで、そう言えばスーツも2万も出せばあるという、筆者らの世代では信じられないことが今はあたりまえになっている。筆者が大阪の設計会社で勤務していた今から40年ほど前、誂えのスーツ屋がよくやって来て注文と取っていたが、1着6万から7万していた。もちろん今でも高価なスーツはあるが、サラリーマンが普通に着るものが給料の半分かそれ以上というのでは、当時はいったいどのようにして暮らしていたのか、とても不思議だ。それにスーツにはネクタイもシャツも必要で、筆者は洗濯屋に出さねばならない綿のシャツばかりを着ていたから、贅沢な部類だった。思えばそれは母の好みであった。身なりをしっかりしていないのは男ではないという考えが母には強く、スーツを着なくなってからの筆者の服装を、母はいつもじろりと観察しながら、必ずもう少しましなものを着ろと言う。
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 それで思い出したが、筆者はスーツよりもシャツに目が行く。あるいは靴か。その人のお洒落度はそういうところにそのまま現われるし、それはまた経済観念やその人の仕事に対する態度さえも見えそうな気がする。2、3年前のことだが、ある男性の見合い用となりそうな写真を見せてもらった。写真館で撮った全身像だが、靴を見て驚いた。泥が少しついていたうえ、かなり皺がよって、かなりくたびれていた。男前の部類に入るし、また聞くところによれば大金持ちだ。だが、そんなことよりも、まず筆者は靴に目が吸い寄せられ、遠慮のいらない相手でもあったから、そのことを指摘した。こんな靴を履いた写真ではまず女性には好かれないだろうと。するとその通りで、その後何度も見合いなどをしているそうだが、縁がない。靴を新しいものに代えて写真を撮り直したのかどうかは知らないが、その靴と顔を見比べると、靴にふさわしい表情に見えるのが不思議で、見合い写真になるようなものにそういう靴を履いて来る神経が筆者にはわからない。それはいい意味で言えば武骨で男らしいが、悪く言えば世間知らずで、自分勝手、無神経なのだ。服装は自分そのものを自ずと表現してしまうことをもっと知る必要がある。もうひとつ例を挙げる。初対面で40代の男性に会う機会がここ1年に何度かあった。みなそれなりに社会的地位が高く、経済的には何ら困っていない。だが、彼らに共通していたのは、シャツの襟と袖口にアイロンがかかっておらず、よれよれであった。スーツは高価かもしれないが、そんなシャツでは落第だ。それに靴もやはりへたっていて、どう見てもくたびれたサラリーマンだ。だが、彼らはそうではなく、れっきとしてオーナーであり、名声もそれなりにある。さて、そういう筆者がどうかと言えば、ファッションにはほとんど興味がなく、綿のシャツは好きでも、昔のように洗濯屋に出してぴしっと決めるということはない。かえって襟や袖口が洗濯仕立てのよれよれが格好いいと思うようになっている始末だ。だが、断わっておくと、スーツにはそんなシャツは絶対に着用しない。筆者のそういう一種のこだわりはふたりの妹はもっと抱いているようで、ふたりとも若い頃から今に至るまで、身だしなみにはかなり気を配って、かなりお洒落な部類に入る。昨日は妹が車で久しぶりにやって来た。先日ある百貨店で作家物のバッグを見つけ、首飾りなどを複数買ったところ、孫を抱いている時にそれが一部切れてしまい、その修理を頼みにその作家のもとを訪れ、その帰りに立ち寄ったのだ。わが自治連合会にその作家は在住するとのことで、作家が出している作品集を見せてもらった。手作りの小さな布製のバッグひとつで40万円すると言う。似たものは器用な人なら簡単に作られると思うが、百貨店で個展を展開して、それなりに有名らしい。商才があるわけだ。妹が買ったものの価格を訊ねなかったが、ベンツを乗り回してそうした珍しいものに目がない妹には、かなり奇抜なそのネックレスはよく似合っていた。さて、今日掲げる写真は5月28日の撮影で、駅舎内の売店の改装工事が始まった様子だ。駅前にはコンビニがある。そこは大当たりをして、終日客が押し寄せる。阪急としてはその客のおこぼれを狙ったのだろう。商才を逞しくしなければ生き残ってはいけない。
by uuuzen | 2010-10-28 10:43 | ●駅前の変化
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