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2009年07月26日●第 81 話
マニマンの好物のひとつに、中に小豆のこし餡が入った真っ黒で艶のあるゴッタ型の和菓子の「老玉」があります。マニマンの住む街の有名な2軒の和菓子店で売っていて、どちらが先に作ったのか知りませんが、大きさが違います。それに、大きな方は近年、てっぺんに少々振りかける芥子の実を胡麻の実でごまかすようになりました。芥子の実の入手が困難という理由ですが、最近マニマンはアンパンのてっぺんに惜しげもなく振りかけられているのを見ましたから、見つける努力が足りないのでしょう。老玉は大きい方が食べごたえがあっていいです。でも、老人には小さいもので充分かもしれません。数か月前、マニマンはとても小さな老玉を、美術館に向かう途上の古い商店街にある老夫婦が切り盛りする店で見つけました。今日は珍しくも開店していて、ついに買うことが出来ました。小さな老玉だけでは少ないので、近頃では珍しい栗の形をした栗饅頭も買いました。帰宅後、マニマンは小さな老玉を手わたしてくれた小さな老婆の娘時代を想像しながら、菓子でその顔を作って遊びました。
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