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●嵐山駅前の変化、その18(駅舎)
き回るのが動物だ。だが、動き回っている時は感じてはいても物事を深く考える余裕がないので、動物は本当は植物より馬鹿なのかもしれない。



ごくごくたまに筆者は遠い昔に一瞬だけ感じたかすかな気分を思い出すことがある。それは周囲の何かに反応してのもので、季節感と場所と、その時の空気と自分の思いが一体化したものだが、いつも同じ光景や同じ状態と言うわけではなく、つまり、個人的な体験のようでいて、そうではないもっと普段の姿と言ってよい、安定した気分だ。にもかかわらず、それと同じ気分は普段は絶対に思い出せない。それを何らかの拍子に思い出した直後に思うのは、その気分を忘れずに毎日それに浸るように人生を歩んで来ることが出来たはずなのに、それを選ばず、あるいは選べずに今の自分があることに愕然とすることだ。そのかすかな遠い昔に味わったような気分は2、3秒ですぐに消えてしまう。それがまた不思議で、苦心して思い返えそうとして、もう絶対にその感触は戻らない。つまり再生出来るほどに記憶されておらず、またその気分があまりにも普段の筆者から隔絶したところにそれのみが孤立しており、そこに容易に到達出来ないのだろう。そしてまた10年か20年ほど経ったある日、何気ないことでその気分が頭を支配することがあって、「ああ、これこれ、この感じ」と思うのに、同じようにすぐに消える。自分のことは自分が一番よく知っていると誰しも普段思っている。だが、自分ではどうしようもないそうした感覚が何の前触れもなく訪れることがあることからして、本当は人間は自分を全部管理出来ないのだろう。理性とよく言うが、理性では説明出来ない感情がきっと誰にでもごく稀に湧く。そんな10年か20年に一度の予想のつかない、また後で決して思い返えすことの出来ない不思議な気分は、脳科学では病気と一蹴されるはずだが、自分でも多少そう思うのは、その一瞬回帰する遠い昔に味わった気分をしきりに思い出そうとすると、発狂するのではないかと不安になる場合がよくあるからだ。それでなるべく考えないでおこうとするが、その考えないでおこうと思う気持ちがさらに発狂するのではないかという気分にまとわりつくからやっかいだ。そんな時、筆者は普段どおりに音楽を聴くとか散歩に出かけるなどするが、その日常生活で動き回ることによって心の安定を保持する。
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 それにしても、その遠い昔に一瞬味わった思いは、脳の海馬というところに刻まれていて、老いても忘れないどころか、鮮明になる一方なのだろう。そして、それを自分で統制出来ない状態下でぽっかり思い出される時、長年生きて来て、その間のことは全部知っていると思っているにもかかわらず、それらとは全く違った別の世界がひょっとすればあるのではないかと不安と期待が入り交じったような気持ちになる。そして、そうした不安と期待をたっぷりと味わえる代表的なものは旅行だが、旅行は普段と同じ自分が場所を変えて呼吸するのであるから、全く違った自分の内面に即座に出会えるとは限らない。むしろ自分の普段の内面と違うものに出会えるのは睡眠中の夢だ。そして、10年か20年に一度くらい訪れる筆者の前述の奇妙な気分は、遠い昔に夢の中で覚えたものかと思うほどに、それは筆者の記憶の蓄積からは外れたところにある。この話を霊好きな人に言えば、きっとその人は筆者のそのような体験を、前世の筆者の霊が蘇っている瞬間とでも言うだろう。それは全く信じないが、それにしても脳の中にどういう反応が起こっているのだろう。自分が全く予期しない瞬間に突如訪れるそうした懐かしいような違和感は、ただそれだけのことであるし、また筆者自身もそれを感じている時に「ああ、これこれ、この感じ」と納得するだけであって、誰にもそれは感じられないから、どうでもいい話でここで書いてもどうしようもない全くの無駄話、わけのわからない話なのだが、そんな非日常的な感覚が時には人間に訪れることがあるという事実は、普段見えて考えているものとは別に、自覚出来ない世界がどこかに隠れていることを想像させ、人間は不思議で面白いなと思わせる。今日は2月21日の駅前写真。陽射しが柔らかくていい。左端に見えるのは桜の木だ。その手前に老人が何人か座っているが、木製の古い大きな床几で、数人が座れる。これは誰が作ったのか知らない。阪急の駅員が置いたものではないような気がする。右には半円形階段の四角い屋根の影が地面に落ちている。これは陽射しが西に傾いていることを示す。
by uuuzen | 2010-03-26 00:13 | ●駅前の変化
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