●嵐山駅前の変化、その12(駅舎)
的な興味と言えば誰もがそうであるから、個人が何にどのように興味を持とうとかまわないし、それをブログで発表することも、当も本人が納得している意味において無意味とは言えない。



むしろブログはきわめて個人的な、つまり私的な興味を発信している方が興味深い。最近行き当たって「お気に入り」に入れたブログがある。写真満載のブログで京都や奈良の名所を巡って多くの写真を掲載している。セミプロと言ってよいほどこだわった写真だが、筆者にはそうした写真は月並みな絵はがきを見ている気分にさせられて、本人の思い入れとは違って大半は面白いとは思わない。また、絵はがきのように完璧であればいいが、それほどには達していないし、達することを望む方が無理な話だ。暇を持てあまして頻繁に出かけて撮る写真に、そういつも完璧なものは生まれないし、それゆえの素人的な面が自ずと入り込むことによって、その写真は絵はがきとは違って貧弱で安っぽい部分が拡大して見え始める。趣味の写真家はプロのまねをしていては太刀打ち出来ず、全然別の角度から考えるべきということをよく示しているようだが、そうした観点で撮影する人はほとんどいない。高級なカメラを手にし、また時間もあるとなれば、たいていはそれに見合った写真とは、どこか特別の場所の特別のものを被写体にすべきと思い込みがちとなる。いじらしいと言おうか、庶民的と言おうか、あるいはケチな根性と言ってもよい。名所旧跡の写真は絵はがきを初めとしていくらでもあるから、仮にそれに類した写真を人が見ても、ほとんどカメラマンの技術を気にかけない。たとえば「ああ、嵐山ね」で終わりだ。そこには漠然と見えていたものが漠然と写っていて、人はそれをさらに漠然と見て、そしてすぐに忘れる。つまり、どうでもいい写真なのだ。そして、そういうどうでもいい写真が99パーセント以上を占めているから、写真中心の、すなわちブログなるものは、私的な興味を発していて興味深くはあり得るが、実際は大半がどうでもいいものだ。もっとも、こうも考えることが出来る。さきほどの京都奈良の名所を巡って撮っている人ならば、それはそれで絵はがきには劣る、きわめて個人的な趣味の域を出ないものだが、それゆえにこそ、そうした人が大勢集まり、また何十年にもそうした人が撮った似た写真が集積されれば、それはそれなりにある傾向の何十年か分の記録となって、そこから何かが見えて来るだろう。だが、どうでもいいことの大量の山を前にて、それに関心を抱いて文化論を繰り広げる人が現われても、誰がその人の意見に注目するだろう。徒労の集積のうえに徒労を積み重ね、その徒労の塊を見て面白がる徒労をいとわない人がどれだけあるか。その一方で相変わらず同じような徒労は日々蓄積されている。だが、人生すなわち徒労と達観すればそれも面白く、またそれこそが意義のあることと自分を慰めることは出来る。ブログをやる人や素人カメラマンはみなそうした存在だ。
d0053294_0445656.jpg

 今日は2月4日の嵐山駅前から撮った駅舎写真を掲げる。同じ角度で撮った2月1日の写真は3日前に投稿した「その9」を見てほしい。写真からは組み立てた足場が見えるが、駅舎改装のために白いテントで覆い、その内部で作業が始まるので、どのように新しくなるかはわからない。そのわからないところがいい。ある日テントが外され、足場はみんな撤去された時に新しく生まれ変わった駅舎が見える。だが、今回の工事はせいぜい塗装程度だ。驚くほどの変身はないだろう。駅舎は白いテントで覆われた。写真の左端に写っているのは、周辺の案内図で、それを真横から見ている。撮影した筆者の右後方には嵐山タクシーが数台いつも停まっている。明日掲載する写真からはその様子が少し見えるが、タクシーは側溝の新設工事のために一時移動を余儀なくされ、また通行者も大きく迂回させられてとても不便であった。側溝はコンクリートの蓋で覆われた形で完成したが、内部は50センチ角ほどであった。それが完成したのは2月の20日頃だ。そのような水路を設けたのは、桜の林に出来る歩道や車道から下って来る雨水を導くためで、ホテル内の温泉の湯を流すためではない。ホテルからの汚水はどこの下水管につなぐのか知らないが、去年敷地内大きな管が運び込まれていたから、それはすで設置されたと思う。それがどこにつながるかだが、側溝工事のついでにつないだかもしれない。1か所で済むから工事は早かったはずだ。側溝が出来たため、円形の植え込み周辺は以前のように広場の感じがなくなって、きっちりと区画された道路となった。そのため、タクシーがその新設の側溝上に停まっているのは一種異様な雰囲気になった。その付近はタクシー会社の土地ではないから、無断停車だ。それを阪急は今まで何十年も黙認していたが、今度京都市の土地となったからには、それは許されないだろう。
 この写真はシャッター・チャンスを全く考えずに、また前回撮ったの写真の時間帯も意識せずに、気が向いた時にさっと家を出て、さっさと撮ったものだ。駅前がどのような状態になっているかを前もって調べず、たまたま出会った光景だ。そして名所旧跡ではなく、また絵はがきのようにきれいに撮ろうという気もない。ただし、ほぼ同じ角度で撮って、変化がわかるようにはしている。ところが、いつもきっちりと同じ立ち位置と同じ角度で撮るとは限らない。前の写真を忘れているし、また物理的に同じ位置に立てない場合があるからだ。それでも可能な限り、トリミングによって同じ部分が写っているように加工する。工夫と言えばその程度だ。どうでもいいような写真を撮って掲げようとするのは、まさに私的なブログであって、筆者しかそのようなことをしないし、また出来ないと思うからだ。ブログの意義は元来そういう個人性にある。独自の目のつけどころが表われるべきで、そうでないならほとんど意味はない。気が向いた時に外に出て、さっと写真を撮って引き返す。その日常性、偶然性、しかし一方では厳然と守る規則性の混合によって、その写真はでたらめなようでいて、筆者の日常そのものを示すだろう。あまりにも卑近なものを撮ることによる安っぽさは否めないが、絵はがきのようなきれいな写真を撮ろうというケチ根性からは遠い。それは貧しい写真かもしれないが、それは身の丈に合っているから、恥じることはない。筆者が恥じるとすれば、絵はがきのような写真を撮って自惚れることだ。アマチュアはアマチュアの強みがあるが、それはアマチュアでしか撮れない写真があることを自覚した時から始まる。そして、それが本当はプロが持つ意識でもある。
 また、たまたま気まぐれに撮った駅前写真だが、それなりに撮影の角度を考えて撮り始めた。その意味では絵はがきと同じような意識を働かせている。それは写真を撮ることの基本中の基本だが、そうしたこともほとんど考えた跡が見えない写真は多い。また、最初からブログに載せることを前提に撮っているから、画像も大きさや枚数は限られる。デジタル・カメラであるので何枚でも撮ることが出来るが、筆者は撮り直さない。全部1枚限りの写真だ。それはほとんどフィルム・カメラ時代のもったいない主義が染みついているためと言えるが、本当は面倒くさいからだ。家を出て帰宅するまでの数分の間に4種4枚の写真を撮る。何枚も撮ってその中のいい1枚を選ぶというほどの内容を持った写真ではない。あくまでも「たまたま」気が向いた時に現場に行き、おもむろに撮ったという雰囲気を大切にしたい。その即興性が写真から伝わるのかどうかわからないが、筆者の思いとして繰り返し書いておきたい。チープなブログという媒体には、そうしたチープな感覚で撮った日常的な写真がふさわしい。そして見る人は一瞬で、またその一瞬によく見合った写真だが、ある規則性が仕込まれている写真であれば、それは見る者の意識下に何らかの作用を及ぼす。あるいはそれは私的な興味に過ぎないものであるから、頭からどうでもいいものという見方をされて、意識の端にも上らないかもしれないが、ともかく筆者が楽しめればいい。そして、何年も経ってから見て、ああこんな時があったのだなと、時の経つのが早いことを思い出す。
[PR]
by uuuzen | 2010-03-18 00:30 | ●駅前の変化 | Comments(0)


●嵐山駅前の変化、その11(広場) >> << ●嵐山駅前の変化、その13(広場)
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
ご指摘どうもありがとうご..
by uuuzen at 12:22
Frank zappa ..
by ザッパ at 08:30
何年も前に書いた文章に感..
by uuuzen at 16:20
はじめまして。興味を引く..
by 文学座支持会元会員 at 11:15
最近あまりに多忙で録画は..
by uuuzen at 15:31
唐突に失礼いたします。ど..
by タイタン at 14:59
暴力事件は訴えても警察が..
by uuuzen at 15:11
地下鉄の件事件になります..
by ネイル at 19:07
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
最新のトラックバック
http://venus..
from http://venusha..
ファン
         ブログトップ
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  © Copyright 2017 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.