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●閉じ込められた部屋内部と輝く最新型パソコン
早朝から雨がよく降っていた。その音で6時頃に目を覚まし、また眠りに入ったが、その間にたくさん夢を見た。いつものように最初の方はもう忘れている。後半はこうだ。



自分の部屋だが、それが様子が違う。牢屋のようなガランとした殺風景な部屋で、四方が壁に囲まれている。狭くはない。だがうす暗くて、壁は冷たく黒っぽいコンクリートだ。天井は高くて3メートルほど。その部屋を命じられたのか、あるいは自主的にか、とにかく清掃をやっている。部屋には顔のわからない数人がいて、筆者は棕櫚の帚であちこちの壁などの汚れを掃いたり、あるいはごしごしとこそぎ落とすのだが、扉を外した後の敷居にべっとりとこびりついた白っぽい埃はなかなか落ちない。よく見るとそれは敷居の板が磨耗して色が変化してしまった跡だとわかる。ざっざっと掃くたびに埃が舞い上がり、マスクがあればよかったのにと顔をしかめている。壁の上方に横長の窓が空いている。高さは10センチほど、幅は3、4メートルもある。そこからは白っぽく曇り空が見えている。するとその窓から外を覗けるように自分の背丈が伸びたのか、あるいは台に乗ったのかはわからないが、とにかく窓の外を眺められるような位置に立っている。壁はとても分厚く、壁のこちら側の窓穴は何もなくて、窓ガラスは壁の奥、つまり建物の外壁側にはまっている。その窓ガラスを通して遠くに山があり、町並みもわずかに見える。しかし、窓の高さがあまりにも狭いため、その窓から外に出ることはできない。そのため途方に暮れている。窓の外の空は青く、遠くに白い雲が見え、晴れた秋を思わせる。窓ガラスのすぐ向こう下に低い建物の屋根が白く大きく見えるため、元々高さ10センチほどしか見えないが、せっかくのいい風景もほとんど断片と言ってよい小さなものになっている。現実の自分の部屋から見える景色はもっと開けて大きかったはずだから、こんな場所に閉じ込められるのはいやだと思っている。部屋が牢屋のように変化しただけでも面白くないのに、そのすぐ向こう下に新しく建物があるために、ますます閉塞感があるではないか。これはちょうど大型船舶を操縦する船長が船窓から向こうを見る感じに似ているかなとも思っている。
 と思うと、体はまたするすると下に移動して、窓はかなり天井に近いところに横長に広がって元どおりの状態に見えている。ところが実際はそうではなく、窓のある壁全面が大きなコンクリートの扉で、その扉が赤い鉄鋼材で四方をがっちりと固定されて開けられないようになっているのがわかる。鉄鋼材は半分は角度がしっかりは壁に合わせて直角になっているが、残りは雑然として斜めに少し傾いていたりする。適当にバリケードを作ったという感じだ。こんな鉄鋼材が固定されてしまえばもう外には出られないなとがっかりしている。ふと左側を見るとそれまでにはなかったのに、急にもうひとつの部屋が出来ている。あまり大きくはなく、天井も低い。小さな窓も奥の方にある。そして中央に大きな長方形のテーブルがあって、その上にはぽつんと銀色に光るパソコンがある。キーボードはなくて画面だけだ。両側に丸い小さなスピーカーがあって、それは大型電気店で見たことがあるMac製の最新のパソコンであることが一目でわかる。画面にはヤフーのトップ画面が映っている。家内の姪が一瞬姿を現わし、こちらを向いて自分のものだよと笑顔で言う。次にはもう彼女は消えて、パソコンだけが薄暗い中で相変わらず画面を変化させている。さて、この閉じ込められたような息苦しい部屋からどうすれば出られるのかとぼんやり思っているところで目が覚めた。


本当はもっとたくさん見たが、目覚めて3、4時間経った今、思い出せるのは以上のみだ。いつもよく似た感じの夢で、筆者が全く想像力に欠けた人間であることをよく示している。横尾忠則の本に夢の場面を描き集めたものがある。実際はつぶさには見ていないが、その本に河合隼雄が、序文を書いていたのかあるいはどこかで批評文を寄せていたのかは忘れたが、横尾の見る夢は普通の人では到底考えられないもので、そのあまりの異質性から横尾が天才以外の何者でもないといったことを書いていた。その後だったか、その本を本屋でほんの少しぱらぱらとめくったが、どうも嘘臭い気がした。夢を一場面で代表させて描くことは筆者には出来ない。いつも夢はたくさんの場面の連続からなっていて、そのどれもが大切であるからだ。どの場面も現実とよく似ているが、それらが合わさって現実にはないものに変化している。したがって筆者がもし夢の一場面を描けば、それはほとんど現実をそのまま描いたのと何ら変わらないことが多いと思う。夢が奇想天外なのはそのストーリーに負っている。夢のある瞬間の場面が現実にはないようなことは筆者にはあまり考えられない。つまり、夢の中の奇妙な形は現実に見たものが誇張や合成されたもので、どれほど意外なものでも各部分は現実に見た何かを反映しているのではないか。
 夢はすぐに忘れても、何日も経ってひょっとした瞬間にまたはっきりと思い出すことが多い。とはいえそれもすぐにまた忘れてしまったりする。こうして書き留めておくとそのことがどうなるかという興味もあってこの夢千夜日記を始めたが、ほとんどはどうでもよい内容であって、他人が読んでも面白くも何ともないに違いない。今朝見た上記の夢の赤い鉄骨材は、昨日阪急電車に乗っている時に、もう10年ぶりになるだろうか、また路線の架線敷設用鉄骨材や鉄橋などを順にペンキの塗り直しを始めている光景を見たからだ。ペンキを新たに塗る前にまず錆止め用の赤い塗料を塗るが、いくつかの場所がすっかりそうしたペンキで塗り直されているのが電車の窓から見えたのだった。ああした作業をする人は電車の往来を考える必要があるから、かなり危険な仕事だが、それでも100km以上もある路線全部の鉄骨材を順に塗装し直すからには、おそらく何年もかかる。塗り直した途端にまた最初に戻って塗り直しを始めねばならないだろう。それは考えれば疲れる話だが、請け負い業者としてはそうして仕事が永続的に確保されるのであれば、それはそれで気も楽かもしれない。
by uuuzen | 2005-06-22 09:38 | ●【夢千夜(むちや)日記】
●興味のない珍しいレコードと古... >> << ●『僕の彼女を紹介します』

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